NTTデータらも支援するインドの医療画像診断スタートアップDeepTek、現地アクセラGHVや財閥TATAから資金調達

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DeepTek の皆さん。最左が  CEO の Ajit Patil 氏。放射線技師が多く働く。
Image credit: DeepTek

インド・プネを拠点に、レントゲンや CT スキャン画像など、医療画像を AI で診断支援するスタートアップ DeepTek は、直近ラウンドで資金調達したと発表した。このラウンドに参加したのは、財閥大手 TATA 傘下 TATA Capital の「Healthcare Fund」2号ファンド、プネを拠点とするアクセラレータ兼 VC の Pentathlon Ventures、デリー郊外のノイダに拠点を置く アクセラレータ兼 VC の GHV。このラウンド単体での調達額は不明だが、DeepTek は累積調達額が1,000万米ドルに達したことを明らかにした。

DeepTek は2017年、現在 CEO を務める Ajit Patil 氏により創業。Patil 氏は以前、日本やアメリカ向けのオフショア開発を担うシステムインテグレータ Vertex Software をプネで創業、三井物産らから戦略的出資を受けた後、2007年に NTT データが買収した。そんな経緯もあって、Patil 氏の二度目の創業である DeepTek についても、NTT データは2018年と2020年の二度にわたり出資している(金額は不明)ほか、日本からは医療機関向けに情報クラウドサービスを提供する NOBORI も出資している。

DeepTek の新型コロナウイルス罹患状態を診断支援数ソリューション
Image credit: DeepTek

DeepTek は、病院やクリニック向けに、医療画像解析とワークフロー自動化が可能な AI 搭載クラウド「Augmento」、レントゲン写真と CT スキャン画像を使った健診ソリューション「GENKI」などを開発・提供している。GENKI は、インドでは昨年からマイクロソフトの健康支援プログラム「AI for Health」と連携し10万人に対する結核の診断支援、また、新型コロナウイルスについても PoC ベースで診断支援を展開している。胸部病変の診断を、医師の診察を支援する形で実施できるのが最大の特徴だ。

DeepTek によれば、Augmento や GENKI は現在、インド、日本、アジア太平洋地域で150以上の病院や医療画像センターで採用されているそうだ。月間55,000枚以上、累積では1,000万枚以上の画像データがスキャン・分析・診断支援されている。投資家らは、DeepTek が世界のさらに多くの病院やクリニックで Augmento や GENKI が採用されるよう支援する。TATA Capital は、DeepTek への投資がデジタルヘルスケア分野への初の投資案件になると説明している。

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