コスメD2Cと美容メディアのDINETTE、シリーズBで8億円を調達——大和企業投資、セレス、MTG Venturesから

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「PHOEBE BEAUTY UP」
Image credit: DINETTE

コスメ D2C ブランドと美容メディアを展開する DINETTE は30日、シリーズ B ラウンドで8億円を調達したと発表した。このラウンドに参加したのは、大和企業投資、セレス(東証:3696)、MTG Ventures。調達額には、みずほ銀行などからのデットが含まれる。同社にとっては、2020年5月に実施したシリーズ A ラウンドに続くものだ。セレスと MTG Ventures は前回ラウンドに続く参加。累積調達額は明らかになっている範囲で、13億円前後に達したと推定される。

DINETTE は2017年3月、名古屋出身の元タレントで実業家の尾崎美紀氏により創業。今回の投資家のうち、セレスは D2C 事業へ出資を強化していること、また、MTG Ventures は本社拠点のある名古屋出身の起業家の支援に力を入れていることが、出資の背景にあると見られる。

DINETTE は当初、美容メディアのみを主業としていたが、読者へのアンケート結果などから自らプロダクトを出すことを決意し、2019年に D2C コスメブランド「PHOEBE BEAUTY UP」をローンチした。ローンチ当初は比較的ホワイトスペースだった、まつ毛美容液の分野からスタートし、その後、フェイスマスク、毛穴用美容液、酵素洗顔、化粧水やクリームへとバリエーションを拡大した。サブスク型のビジネスモデルと、「DINETTE GIRLS」と呼ばれる1,000人以上の自社インフルエンサーのネットワークが社の強みだ。

ファッションショッピングモール「マルイ」を擁する丸井グループは、かねてから D2C スタートアップとの資本業務提携や協業を積極化しているが、DINETTE もまた丸井グループ傘下の D2C&Co. からシリーズ A ラウンドで資金を調達、2021年11月には有楽町マルイ内に常設の実店舗をオープンさせている。オフラインでの販売チャネルも多様化しており、今後、同社では、アイライナー、マスカラ、リップ、アイシャドウといった単品購入型の商品にもラインアップ拡大を図る。

DINETTE では今回調達した資金を使い、ポップアップストアやオフラインイベントなどで、顧客とのタッチポイントを増やしたい考え。また、今期から進出しているアジアでの販売も好調で、台湾、タイ、香港、中国本土などでも営業展開を強化する。メディアを通じた女性ユーザとの意見を取り入れることで、目の周りの悩みを解決するための商品を多く手掛けてきた同社だが、今後はプレミアム商品やフェムテック関連商品の開発にも注力するとしている。

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