ダークストア「Mesh」運営、2億円をシード調達——東京都区部で今夏サービス開始へ

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Image credit: Mesh

<16日9時更新> リードインベスターを Delight Ventures から Coral Capital に、文中プロダクトオーナーをプロダクトマネージャーに訂正。

実店舗を持たず、オンデマンドデリバリにより商品を届けるダークストア「Mesh」を運営する Mesh は16日、シードラウンドで約2億円を調達したことを明らかにした。このラウンドのリードインベスターは Coral Capital が務め、Delight Ventures、W Ventures、個人投資家として堀井翔太氏(スマートバンク 代表取締役)が参加した。Mesh は2021年11月、Delight Ventures で EIR(Entrepreneur in Residence)だった佐藤峻氏により創業したスタートアップだ。東京都区部で今夏のサービス開始を目指す。

佐藤峻氏
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佐藤氏は DeNA でタクシー配車アプリのタクベル(現在の GO)の事業開発に従事し、その後、同じく DeNA 出身の大見周平氏が立ち上げたフードデリバリ「Chompy」でプロダクトマネージャーを務めていた。大見氏は Chompy を始める前、DeNA でカーシェアリングの「Anyca(エニカ)」事業の立ち上げに従事していたが、佐藤氏は Anyca を使ってテスラに乗る機会を経験したことに感銘を受け、社会にインパクトを与えたり、消費者の体験を変えられ対する事業を作りたいと考え、Mesh のアイデアにたどりついたという。

Mesh が標榜するのは、ベルリンを拠点に食料品や日配品を届けるダークストア「Gorillas」だ。昨年のシリーズ C ラウンドでは、時価総額30億米ドルを付けた。いわゆるトリプルユニコーンということになる。出来上がった料理を運ぶフードデリバリに比べると、食料品や日配品を届けるダークストアはユーザの裾野が広く、使われる頻度も多くなるので売上・利益の確保がしやすくなる。日本でも OniGO や QuickGet、韓国から市場参入した Coupang などがよく似たサービスを展開している。

日本に進出した Coupang のダークストアの配送拠点(東京・中目黒)
Image credit: Masaru Ikeda

決してブルーオーシャンとは言えないこの領域で、佐藤氏が考える切り札は、商品のバリエーションとサービス展開する地域の優先順位だ。実店舗でいうミニスーパー(コンビニよりは大きく、スーパーより小さい規模)程度の商品を扱うことで、日常的に使ってもらえる存在になれる。食品に関しては、加工食品に比べ生鮮食品は賞味・消費期限が短い分だけ在庫リスクが高くなるが、これらも扱うことで差別化を図る。そして、買い物に出かけづらい未就学児を育てる家庭の多いエリアからサービスを始める。

勘のいい読者ならもうお気づきかもしれないが、Mesh の名前は、ダークストアの商品ストックを置く倉庫をメッシュ上に配置することに由来する。同社では概ね半径1.6キロおきに倉庫を配置することで、オーダーから商品を迅速に届けることができる体制を整える。タワーマンションなら、身支度をして、エレベータで地上に降りてくるまでの間に商品が届く感覚だ。資金的リソースが決して豊富とは言えないアーリーステージだが、需要が高そうな地域に集中展開し、一つ上のユーザ体験の先取により、このカテゴリを代表するポジションを獲得したい構えだ。

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