東南アジア発のBNPL(後払)スタートアップPace、日本市場に参入

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Image credit: Pace Enterprise

アジアのシリアルアントプレナー Turochas “T” Fuad 氏による BNPL(Buy Now, Pay Later、後払)サービス「Pace」を展開する Pace Enterprise は、Pace Enterprise Japan を設立し日本市場に参入したことを明らかにした。同社は、昨年11月末にクローズしたシリーズ A ラウンド(4,000万米ドル)で丸紅ベンチャーズから出資を受けている。日本では、年内に1,000以上の販売事業者の参画と10万人以上のユーザ獲得を目指すとしている。

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Pace を立ち上げた Fuad 氏は、これまでにシリコンバレーを拠点とする IoT ソフトウェア会社 WUF Networks(2005年にYahoo に売却)、バケーションレンタルのオンラインマーケットプレイス travelmob(2013年半ばに HomeAway、後の Expedia の一部に売却)、コワーキングスペース Spacemob(2017年に WeWork に売却し、WeWork の東南アジア・韓国マネージングディレクターに就任)を立ち上げている。

起業の合間には、Skype Asia Pacific のマネージングディレクタとして、日本、中国、オーストラリア、台湾、韓国、インド、東南アジアでの事業拡大を担当した。

Pace はオフラインおよびオンライン販売事業者向けに後払い型決済サービスを提供し、事業者のユーザは、コンビニ、銀行振込、クッレジットカード、デビットカードで支払ができ、60日間の無利子3回分割払いで商品を購入が可能だ(日本市場の場合)。東南アジアでは、高級ブランド購入客に無利子分割払を提供する戦略を功を奏し、シンガポール、マレーシア、香港、タイにある3,000以上の店舗が導入済で、若年層を中心に人気がある。

すでにデカコーンとなっている、スウェーデンの Klarna、アメリカの Affirm を筆頭に、BNPL は依然として世界的なブームだ。イタリアの Scalapay は先週、同国初のユニコーンになった。アジアでは、Rely は2020年12月、シンガポール拠点の Goldbell Financial Services の戦略的パートナーシップ部門 Polaris から7,480万米ドルのクレジット・ファシリティを確保した。同じくシンガポール拠点の Hoolah は、楽天などが出資するアジアのキャッシュバックサービス「ShopBack」に買収された。

日本で BNPL サービスを提供しているプロバイダとしては、昨年 PayPal に27億米ドルで買収された Paidy や、ネットプロテクションズ(東証:7383)などがいる。

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