小型SAR衛星を開発するSynspective、デット含め119億円をシリーズB調達——累計調達額は228億円に

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2022年3月1日、ニュージーランド・マヒア半島の Onenui Station 射場から打ち上げられた小型 SAR 衛星2号機。
Image credit: Synspective

※この記事は英語で書かれた記事を日本語訳したものです。英語版の記事はコチラから

小型 SAR(合成開口レーダー)衛星を開発する Synspective は29日、シリーズ B ラウンドで119億円を資金調達したと発表した。これは同社にとって、2019年7月に実施したシリーズ A ラウンドに続くものだ。累積調達金額は228億円に達した。今回ラウンドに参加したのは、投資家は次の通り。また、調達金額には、商工組合中央金庫と三菱 UFJ 銀行からの融資を含んでいる。

  • 損害保険ジャパン
  • 森トラスト
  • 野村スパークス・インベストメント
  • Pavilion Capital
  • スパークス・イノベーション・フォー・フューチャー
  • ジャフコグループ(東証:8595)
  • 三井住友トラスト・インベストメント
  • SBI グループ
  • Nikon-SBI Innovation Fund
  • 新生企業投資グループ
  • 日本郵政キャピタル
  • エースタート
  • 環境エネルギー投資
  • Abies Ventures
  • みずほキャピタル

このうち、エースタート、ジャフコグループ、Abies Ventures、森とラスト、SBI グループ(以前は SBI インベストメントとして)は以前のラウンドにも参加している。

Synspective 共同創業者で CEO の新井元行氏
Image credit: Masaru Ikeda

Synspective は2018年2月、新井元行氏(現 CEO)、白坂成功氏(現取締役、慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科教授)らにより設立。新井氏は米会計系コンサルティングファームに在職中に東京大学に入学。技術経営戦略学博士号を取得後、サウジアラビアの再エネ導入支援や経済産業省と日本企業の現地進出支援に従事した経験を持つ。

Synspective は、SAR 衛星コンステレーションシステムを構築、同システムから取得したデータと多様なデータを統合し、機械学習等を活用して情報抽出することで、顧客の課題に対するソリューションを提供。小型 SAR 衛星は技術的難易度が高く、また SAR データ処理も専門知識が必要になる。2020年9月には、SAR 衛星の画像解析によりミリメートル単位の地盤変動モニタリングが可能なサービス「Land Displacement Monitoring」をローンチしている。

同社では今回の調達を受けて、SAR衛星30機からなるコンステレーション構築とそのデータ解析技術をより一層加速させるとしている。

この分野のスタートアップとしては、日本国内では SAR 衛星開発の QPS 研究所、衛星データ分析の Sigma-SAR などがある。QPS 研究所は今年2月、49億円を調達してシリーズ B ラウンドをクローズし、累計調達額が82.5億円に達したことを明らかにしている。

via PR TIMES

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