スタートアップのバックオフィス業務をオールインワンでクラウド化するWORK HERO、1.4億円をシード調達

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WORK HERO のコアメンバー。左から2人目が創業者で代表取締役の大坪誠氏。
Image credit: WORK HERO

スタートアップに特化してバックオフィス業務クラウド化するサービス「WORK HERO」を提供する WORK HERO は23日、シードラウンドで1.4億円を調達したと発表した。このラウンドに参加したのは、Coral Capital、East Ventures、ニッセイ・キャピタル。

WORK HERO は、大手商社での子会社経営やベンチャー企業での事業責任者を経験した大坪誠氏が2018年に創業(以前の社名はアスクリア)。他社や他部門と共有化できる業務がバックオフィス領域に多く存在するにもかかわらず、それらが適切に共有化されず手動対応され続けている状況に課題を感じ、この事業を始めたという。バックオフィス業務のアウトソースにより、スタートアップは資源をコア業務に集中できるようになる。

WORK HEROは、シード・アーリーフェーズのコーポレート専任担当がいないスタートアップ向けに、バックオフィス業務の立ち上げ・フロー構築・運用業務を提供。ユーザであるスタートアップの経営陣や社員から連絡を受けて、デイリールーチン、社内外との連絡、各種 SaaS への入力、必要に応じて、会計士・税理士・社労士・司法書士などへの連絡や対応を代行する。2020年12月のサービス開始以来、スタートアップ数十社が利用していて、これまでの解約率は0%だという。

Image credit: WORK HERO

サービスのフローを見てみよう。ユーザ企業の経営陣や社員から WORK HERO にリクエストがあると、WORK HERO の管理者が予め個社毎に設定されたワークフローに則ってタスクチケットを発行、クルーと呼ばれるクラウドワーカーが該当する SaaS への入出力業務を行う。API 経由で操作できる SaaS については、WORK HERO のシステムから情報が入出力されるものもある。ユーザ企業は個々の SaaS を意識する必要がなくなり、WORK HERO を丸ごと一つの〝バックオフィス SaaS〟としてみることができるというわけだ。

オンラインでコーポレート業務を外部委託できるプロバイダとしては、先月シリーズ D ラウンドを発表したキャスターの名前を真っ先に思いつく。また、先日代表を交代したメリービズも、創業者(元代表取締役)の工藤博樹氏が、今後手がける新事業の一つの選択肢として、コーポレート業務のアウトソース受託があることを示唆していた。それぞれのプレーヤーの提供内容の詳細については不明だが、WORK HERO の差別化要素は、特別に指示をしなくても業務の丸投げができることと、業務フローが完全自動で提案される点にあるという。

我々が毎日行う業務は幾分デジタル化され、紙やローカルファイルでやりとしていた時代に比べれば、確かに勤務場所の制約からは解放され効率も良くなった。iPaaS(integration Platform as a Service)のようなサービスもいくつか出始めているものの、朝から晩まで SaaS の操作に明け暮れる、ということも少なくない。転職した時や勤務先に新しい SaaS が導入された時には、その SaaS の操作方法を学習しなければならないこともある。これらを丸投げできるのは大きい。

WORK HERO の面白いところは、バックオフィス業務のためのオールイン SaaS を自らは作らないところだ。他の業務 SaaS の操作を代行したり、複数の SaaS 統合的に連携するシステムを作ったりすることで、それら SaaS のスタートアップを競合にしない(むしろ、新規顧客を送客する可能性もある)。スタートアップを顧客とし、人員リソースの少ない彼らをコア業務に集中させることはステークホルダーである VC にもメリットがあるため、VC 経由で潜在顧客を獲得することも考えやすいだろう。

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