#3 顧客視点を貫く重要性と難しさーーアクセンチュア・加藤圭介

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本稿はアクセンチュア・ベンチャーズが配信するポッドキャストからの転載。音声内容の一部をテキストとして掲載いたします

アクセンチュア・ベンチャーズ がスタートアップと手を組み、これまでにないオープンイノベーションのヒントを探るポッドキャスト。グローバル・テックシーンを見つめてきたITジャーナリストの松村太郎をナビゲーターに迎え、旬のスタートアップをゲストにお招きし、カジュアルなトークから未来を一緒に発見する場を創っていきます。

企業はユーザー体験からどのような顧客体験そして顧客価値を作り出すのか。異なる世代のUX(ユーザー体験)づくりに必要な視点をアクセンチュア株式会社 インタラクティブ本部マネジング・ディレクター加藤圭介がお話させていただきました。(ポッドキャストの一部をテキストにしてお届けしています。太字の質問はすべてナビゲーターの松村太郎さん)

 

ポッドキャストで語られたこと

  • コロナ禍で変わる顧客体験
  • 異なる世代のサービス体験をどうつくる

インタラクティブという部門がアクセンチュアの中にあることを知らない方もいらっしゃると思うんですけれども、顧客体験は企業のビジネスを変化させることができるでしょうか

加藤:この一年コロナもあって大きく人の購買行動だったりとか行動自体が大きく変わってきてる背景と、この数十年大きくデジタルデバイス環境も変わってきていて、物を買うだったりとか情報を取得するプロセスが大きく変わってると思います。物自体の良さとか性能・機能だったりはもちろん重要なんですけども、その周りにある体験を通してブランディングしたり、結果的に販売していくことで多く企業の活動も変わってくるという中で顧客体験が凄くビジネスの成長に大きく影響してくると考えています。

日本企業は顧客体験を考えるとか顧客の視点を持つことが元々弱かった部分だったので、我々が支援していくことをスタートしました。当然、顧客体験で色々なサービスとかプロダクトを作っていくんですけど、それをビジネスに乗っけていかなきゃいけないので、アクセンチュアが持ってる各インダストリーの知見やビジネスの視点を組み合わせて提供しています。

顧客視点で動きづらくなってる長年営業してきた企業が、加藤さんのチームと一緒にやることでメリットがあると思うのですが、UX領域で何か取り組まれているお話ってありますか

加藤:例えば今年リリースさせていただいた福岡銀行さんとの取り組みで「みんなの銀行」がありますが、これはZ世代向けに全く新しい銀行を作ろうという取り組みです。Z世代はお金に対する考え方だったりとか、銀行に対する考え方とか期待が僕らの世代と全然違うので、その人の目線でUI/UXはどうあるべきかっていうことを考えています。

顧客は自分の世代じゃなかったりするので、バイアスをかけないようにしてます。大抵クライアントの偉い方はご年齢が上なのでZ世代とは全く違うインサイトを持っています。我々の信念としては本当にZ世代が望むものを作っていきたいので、決裁者から見た時にはどうかなって思われても通していくことがすごく重要だと考えています。そうじゃないと中央的なものになって結果的にZ時代から受け付けられないものになってしまいます。

ちなみにZ世代が求める銀行ってどういうものだったんですか

加藤:端的に言うとですね、我々の感覚だと銀行で口座を作ろうとするとまあ、当然ですけどなんか面倒臭いじゃないですか。ハンコ押したり郵送したりとか色々あると思うんですけど、まず(Z世代のリクエストは)スマホで二分ぐらいでまず口座を作れることなんですよね。もうカードとかは別にもう要らなくて、スマホで十分なんです。我々の世代からすると紙が出てきてカードが出てきて通帳がきて、みたいなのと全然違うんですよ。スマホで完結するというところが彼らのインサイトですね。もうとにかくスマホの中で全部口座開設から利用まで全部終わらないと話が始まらないぞと。

確かに上の世代からするとなんか本当に画面の中だけで大丈夫なのかとか、こう紙で何か残ってないとダメなんじゃないのとか、コンビニでお金を下ろす時どうするのとか多分、色々なことを考えちゃう

加藤:顧客視点って結局、その企業のその決裁者の視点じゃないことが結構多いので、そこをちゃんと理解してもらうっていうのはすごく大事なんだと思うんです。

次回につづく

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