日本でビットコインファンド組成のHyperithmがCoinbaseから資金調達など——韓国スタートアップシーン週間振り返り(4月18日~4月22日)

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本稿は、韓国のスタートアップメディア「Startup Recipe(스타트업 레시피)」の発表する週刊ニュースを元に、韓国のスタートアップシーンの動向や資金調達のトレンドを振り返ります。

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4月18日~4月22日に公開された韓国スタートアップの調達のうち、調達金額を開示したのは14件で、資金総額は1,704億ウォン(約170億円)に達した。

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主なスタートアップ投資

  • 社会人教育コンテンツ企業 Day1 Company(데이원컴퍼니)が350億ウォン(約35億円)を資金調達、累計調達額は650億ウォン(約65億円)に達した。オンライン職務教育、外国語教育、就職特化教育サービスを運営。2021年の取引額は994億ウォン(約99億円)に達した。社会人教育分野の新規発掘、B2B 市場攻略で、企業教育シェア1位を達成する計画だ。
  • メタバースプラットフォーム「DoubleMe(더블미)」が300億ウォン(約30億円)を資金調達した。メタバースサービス「TwinWorld(트윈월드)」を開発しており、17都市26箇所を対象に TwinWorrld を構築する。 …… 詳細記事
  • グローバル生地マーケットプラットフォーム「SwatchOn(스와치온)」が120億ウォン(約12億円)を資金調達。ファッションブランドを対象に生地や部材など素材を検索して購入できるように支援するマーケットプラットフォームを運営。売上高のほとんどを海外市場が占めている。今年デジタルファッション市場に進出、デジタル衣装制作、販売サービスも運営。
  • ロボアドバイザー Quarterback(쿼터백)が90億ウォン(約90億円)を追加調達し、総額190億ウォン(約19億円)のシリーズ B ラウンドをクローズ。Quarterback の運用資産規模は2021年末時点で4,530億ウォン(453億円)。新韓生命、キウム投資資産運用など20以上の金融機関の資金を運用している。

トレンド分析

ファンダムプラットフォームとクリエイターエコノミー

最近、ファンダムプラットフォームが大規模調達のニュースを伝えている。HYBE、SM  Entertainment など大手芸能事務所が運営するファンダムプラットフォーム「Weverse(위버스)」、「DearU bubble(디어유 버블)」など K-POP アーティストを前面に出して市場を育て、Kコンテンツ人気から最近ではスタートアップもこの領域に参入している。

ファンダムプラットフォームは、コロナ禍の非対面プラットフォームが脚光を浴びて急成長したうえ、グローバル投資のキーワードとして浮上したメタバースやNFT と組み合わさって、多様なビジネス拡張が可能であるという点で投資会社の関心も集めている。

このようなファンダムプラットフォームは誰でも自分のコンテンツで収益を上げることができるクリエイターエコノミー産業の一つと見ることができる。国内には大手芸能事務所所属スターをベースに運営されるプラットフォーム、スターの YouTuber、多様な分野クリエイターをサポートするサービスが注目を集めている。

代表的なファンダムプラットフォームとしては昨年140億ウォン(約14億円)を調達した「Makestar(메이크스타)」がある。プロジェクトを通じて韓流スターとファンをつなげてくれるクラウドファンディングとしてスタート、韓国国内より海外でより知られたサービスで、昨年資金調達を発表した際には、今後 NFT 事業も推進する計画を明らかにした。

個人クリエイターのためのファンダムプラットフォームも人気を増している。彼らは、クリエイターとファンの出会いを手配し、収益化を支援するなど、ビジネス運営経験が不足している一般クリエイターを支援する役割を果たす。

このようなサービスで最新の資金調達ニュースを伝えたのは ByMyFriends(비마이프렌즈)で、彼らは100億ウォン(約10億円)の調達を完了した。HYBE で Weverse を作った人材が設立して注目を集めたBeMyFriends は先日、誰でもファンダムプラットフォームを作れるグローバルサービスビステージを公式発足し、NFT 技術を導入する計画も伝えた。

Bic(빅크)」もファンミーティングの斡旋などクリエイターが直接ページを作って運営できるサービスで、Naver D2SF からシード投資だけで45億ウォン(約4.5億円)を調達し注目を集めた。初めてのファンミーティングにはダンサー AIKI が参加した。クリエイター独占コンテンツとファンサービスを提供するクリエイターファンダムサービス「Fanding(팬딩)」も20億ウォン(約2億円)を調達した。Fanding は、メンバーシップ購読や個別商品購入などのサービスをファンに提供、持続可能なクリエイターの収益化を支援している。

Web3 ベースのクリエイタープラットフォームも登場した。クリエイターを後援するファンコミュニティサービス「MyBias(마이바이어스)」を運営する Lagood Company Global(라굿컴퍼니글로벌)も最近シードラウンドで15億ウォン(約1.5億円)を調達した。

海外では有名人におめでとうメッセージを映像でもらえる「Cameo」やクリエイター支援プラットフォーム「Patreon」などユニコーンに成長したスタートアップや、クリエイター向けの信用評価モデルを開発したフィンテック企業 Karat などさらに多様なモデルが存在する。

まだ韓国国内ではユニコーンになるほどは、海外のように多様なモデルが登場していないが、複数のプラットフォームを活用して自分のコンテンツを収益化しようとするクリエイターが増加しており、強力なファンダムを基盤としたブランディングが様々な領域で重要になり、さらに成長するものと展望されている。

【via StartupRecipe】 @startuprecipe2

【原文】

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