本稿はアクセンチュア・ベンチャーズが配信するポッドキャストからの転載。音声内容の一部をテキストとして掲載いたします
アクセンチュア・ベンチャーズ がスタートアップと手を組み、これまでにないオープンイノベーションのヒントを探るポッドキャスト。グローバル・テックシーンを見つめてきたITジャーナリストの松村太郎をナビゲーターに迎え、旬のスタートアップをゲストにお招きし、カジュアルなトークから未来を一緒に発見する場を創っていきます。
企業はユーザー体験からどのような顧客体験そして顧客価値を作り出すのか。異なる世代のUX(ユーザー体験)づくりに必要な視点をアクセンチュア株式会社 インタラクティブ本部マネジング・ディレクター加藤圭介がお話させていただきました。(ポッドキャストの一部をテキストにしてお届けしています。太字の質問はすべてナビゲーターの松村太郎さん)
ポッドキャストで語られたこと
- 加藤さんが思う面白い領域>メタバース、データAI
- メタバースの中ではIPに注目
- データAIは広く注目、パーソナライゼーションや最適化
- 顧客体験を通して日本企業に世界的競争力を取り戻したい
今、加藤さんが面白いと思う領域はどの辺りでしょうか
加藤:元々注目されてましたけどもメタバースの世界はまだまだこれからなので注目しています。我々がクライアントにしている大企業がどう活用していくのか、検討の初期段階かなと思っていて、これから色んなPOCやトライ&エラーを繰り返しながら進んでいくのかなと思います。
facebookはコアを変えてメタバースにするという意気込みで社名変更した訳ですけれども、機運はじわじわと高まっている感じがありますよね
加藤:特にIPを持つ企業はすごく注目してます。デジタル上での収益化のエンジンになるという点で注目度が高いです。
実際に見られている領域では、メタバースが顧客体験自体を侵食していく、あるいは仮想店舗を構えてないと顧客体験のリングが繋がらないということが今後起きうる可能性がありますか?
加藤:対象にしている顧客がメタバース空間の中で過ごす時間はそれなりに増えてくると思うので、コンテンツを持ってる企業からするとビジネスチャンスになると思うんですよね。
クライアント企業の方々がメタバースに入っていく時にどうすのるか考えていかないといけないですね
加藤:この領域も幾つかスタートアップや新しいテクノロジーを考えている会社が結構あるので組んでいきたいと思います。
メタバースの他に注目されている領域はありますか
加藤:データAIの世界はまだまだあるなと思っています。まだまだ自分が消費者としてサービスを受けてても、本当の意味でできてるかっていうと違うかなと。まだ進化していくんじゃないかなと思ってます。
最近一番感動したパーソナライゼーションはspotifyだと思っていて、ただ流していても自分の好みの音楽が聴ける体験を幾つかしてると、AIで自動選曲する仕組みが顧客体験の価値になっているなと思うんです。各企業が取り組めるぐらいデータが貯められているか、またパーソナライズして出し分けられるぐらい商品があるかという部分が課題になるので、経営が持つリソース自体が変わってやっていきそうだなっていうイメージを持っていました
加藤:データ活用は多くの企業の中で全社的にできていなくて、やらなきゃいけない意識はあるんですけど、人材とか組織の課題が結構多かったり、データが縦割りになっていたりします。改善余地は凄く大きいと思っています。
データ同士の連結でサービスが広がったり、ユーザーに対してよりメリットが高まったりという点ににすごく期待しています
加藤:例えばコマースでいうと在庫の最適化や配送など、様々なところでデータ活用が進化してくると思うので、結果的に消費者の手元に商品が早く着くとなると体験としてはグッドじゃないですか。広い意味でデータ活用が更に進んでくるんじゃないかなと思います。
顧客体験に向き合うことは加藤さんのテーマだと思うんですけれども、特に日本の企業はもっと意識した方がいいと思うことが多いですか
加藤:平成元年と平成三十年の世界の時価総額ランキングを見ると、日本の企業が当時は多かったですが今はアメリカと中国の企業しかなくてトヨタが入ってるかどうかぐらい。世界的な競争力が日本企業の中になくなってきてると時価総額だけからは見えてしまっていて、一方でAppleもAmazonも顧客体験を軸にビジネスを展開されている会社が大きく業績を伸ばしているので相関があると考えています。
日本企業、特にメーカーは機能視点になるのは仕方がないことだと思います。そこを改善し、日本企業が世界で活躍できるように我々が貢献したい想いが強いです。大企業だけでなく良い物を持っているけどうまく生かせてないような企業に、我々のアセットが生かせるのであれば是非取り組みを一緒にさせていただきたいです。
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