シンガポール/台湾のIoTスタートアップUnaBiz(優納比)、Sigfoxを買収

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Image credit: UnaBiz(優納比)

フランス・トゥールーズの商事裁判所は、フランスの IoT 企業である Sigfox の経営を引き継ぐ企業として、9社の入札者の中から UnaBiz(優納比)が落札したと発表した。

2010 年に設立された Sigfox は、LPWAN(Low Power Wide Area Network)サービスを中心とした IoT(Internet of Things)企業であり、世界75カ国で事業を展開し、2000万台以上の IoT 機器に導入されている。Intel、Samsung、NTT、SK Telecom など多くのテクノロジー・通信企業から投資を受け、公開資金調達額は3億米ドルを超え、ユニコーン(評価額10億米ドル以上)となっている。

しかし、新型コロナウイルスやチップ不足の影響により、Sigfox は今年1月にフランスで破産法の適用を申請した。 Sigfox がフランスの裁判所に提出した資料によると、同社は9,100万ユーロ(約125億円)近い純損失と1億1,800万ユーロ(約162億円)の金融負債を抱えていたが、売上高はわずか2,400万ユーロ(約33億円)にとどまっていた。

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短期間での好転が期待されない中、中欧や中東の Sigfox 事業者、フランスのエンジニアリング企業や技術集団など9社が買収に関心を示し、アジアにおける Sigfox のサプライヤーとして UnaBiz が選ばれた。

裁判所の決定を受け、 UnaBiz は100名を超える Sigfox チームの従業員、グローバル資産、業務、財務情報を含む事業を Sigfox から譲受する。UnaBiz は、Sigfox の事業継続と顧客サービスの維持を支援し、Sigfox の既存の事業活動が適切に機能し、ネットワーク通信サービスの安定性が確保されるよう尽力する。

Image credit: UnaBiz(優納比)

Unabix の CEO兼共同創業者 Henri Bong(黄安利)氏は次のように語った。

Sigfox の所有権変更は、大規模 IoT 業界の新しい時代を意味する。UnaBiz は Sigfox の強みを生かし、LPWAN で再びポジションを獲得するとともに、LoRa、LTE-M、NB-IoT など他の通信技術とも協力して、大規模 IoT の発展を推進する。

2016年に設立された UnaBiz は、台湾とシンガポールにおける Sigfox の事業を運営。シンガポールに本社を置き、フランス、台湾、日本、ドイツなど世界各地からチームメンバーが集まっている。 創業以来、日本瓦斯(ニチガス)向けに100万台以上のスマートガスメーターを構築、台北市水道局のスマート水道メーター構築を支援、桃園にスマートガスメーターを配備した。2021年、UnaBiz はシリーズ B ラウンドで2,500万米ドルを調達、Forbes 誌の「注目の新興企業トップ100」に選定された。

【via Meet Global by Business Next(数位時代) 】 @meet_startup

【原文】

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