東大IPCの起業支援「1st Round」に神大、名大、一橋大、北大が参加へ——第6期採択8社の顔ぶれも明らかに

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東大 IPC の皆さん
Image credit: UTokyo IPC

東京大学協創プラットフォーム開発(東大 IPC)は11日、同社が運営する起業支援プログラム「1st Round」に神戸大学、名古屋大大学、一橋大学、北海道大学が参加することで合意したと発表した。1st Round には当初からの東京大学に加え、昨年4月から筑波大学、東京医科歯科大学、東京工業大学が参加している。今回の国立4大学の参加表明により、1st Round には合計8大学が参加することになる。

1st Round は2019年にスタートした起業支援プログラムで、2017年から展開していた「起業支援プログラム」が前身。スタンフォード大学出身者向けアクセラレータ「StartX」をベンチマークとして、起業を目指す卒業生・教員・学生などのチーム、資金調達を実施していない大学関連のシードベンチャーに対し、各社最大1,000万円の活動資金、ハンズオン支援を6ヶ月間提供。採択スタートアップは、プログラムには毎回迎えられるパートナーから、PoC や協業の模索、事業化に向けてのリソース支援を受けられる。

通算で7期目となる今バッチには、これまでの芙蓉総合リース、JR 東日本スタートアップ、三菱重工、三井住友海上、ピー・シー・エー、三井不動産、日本生命、ヤマトホールディングス、安川電機、BIPROGY、セイコーエプソン、日本ゼオン、NEXCO 東日本(東日本高速道路)、Yamauchi No.10 Family Office(任天堂創業家のファミリーオフィス)、三菱地所に加え、STNet、ダイキン、三井物産が新たにパートナーに迎えられる(以前パートナーだったトヨタ自動車は6期目までの参加)。

1st Round からは累計52社のスタートアップが輩出(前身の「起業支援プログラム」時代からの輩出を含む)。今年に入って、イチゴ完全自動栽培の HarvestX(第3期出身、昨年1月のシード調達に続くフォローオン)、デジタルツイン SaaS 開発の DataLabs(第6期出身)らがそれぞれ、東大 IPC のファンドなどから資金調達したのは記憶に新しい。プログラム支援後1年以内の会社設立割合は約95%、VC からの資金調達成功率は約90%、大型助成金の採択率は50%以上に達している。

Image credit: UTokyo IPC

なお、東大 IPC は11日、あわせて前回第6期の 1st Round から採択されたスタートアップ8社を発表した。8社の顔ぶれは次の通り(業務内容については、発表内容そのまま)。

  • reverSASP Therapeutics …… 細胞老化分野の大家である中西研究室の各種成果を基にしたバイオテックベンチャー。老化バイオロジー解明に基づく各種疾患治療薬創製を通じ、健康寿命の延伸への貢献を目指します。本採択期間中では、研究・事業開発を推進するチーム組成及び資金調達を目指します。
  • Ememe …… 3D モーションキャプチャー機能を備えた NFT マーケットサービスを開発。スマホでユーザー独自のモーションを作成し、NFT 化します。また、作成したモーションはチャットでのスタンプ利用の他、メタバース空間ではアバターのエモートとして利用できます。代表自身もアバター経営者として活動。本採択期間中に、実用最小限の機能開発とともに初期ユーザー獲得までを目指します。
  • Octa Robotics …… ロボットと建物設備の連携を可能にするインターフェースサービスを開発。自律移動ロボットの生産性は、フロア間・エリア間の移動ができると飛躍的に向上します。標準プロトコルに準拠したエレベーター連携を皮切りに、防火扉・セキュリティゲート連携に機能拡大し、建物全体をロボットの移動範囲にすることを目指します。
  • LearnWiz …… 東京大学4年生の代表が、教育工学を研究する吉田塁研究室における活動からのスピンオフとして創業。参加者の主体性を高めながら、参加者間の意見交換・集約を促す Web サービス「LearnWiz One」を開発。授業やイベントにおける活用のみならず、企業におけるブレストや会議の場面でも活用が広がっている。2022年1月に世界最大の EdTech コンペ「GESAwards」R&D部門世界大会で優勝。2022年3月には、代表が本取り組みの成果から東京大学総長大賞を受賞。本採択期間にて、機能開発に加えて教育機関および企業への展開を広げます。
  • G-Bank Technologies OÜ  …… 元エストニア経済通信省局次長を務め日本とエストニアをつなぐ連続起業家であるCEOが手がける、バンキングを中心とした外国人が日本で働く際の課題を包括的に解決するサービス「GIG-A」を開発。「GIG-A」は個別に存在する外国人向けサービスを包括的に代行し、銀行口座開設から生活サービスに至るまで日本版 WeChat のように様々な機関と連携し、パーソナルコントロールセンターとしてペイン解決を目指します。採択中は、プロダクト開発と、銀行や規制当局との調整対応に注力します。
  • ヘッジホッグ・メドテック …… 臨床・厚生労働省・IT企業を経験した医師である代表が、治療用アプリの開発を目指し2021年10月に創業。片頭痛の治療として一般的な薬物療法に加え、医療機器アプリを介した認知行動療法(日常行動のパターンを含めた認知を改善する治療法)を組み合わせることで、更なる治療効果の向上を目指します。頭痛領域ではアプリの開発及び薬事承認の取得に向けた準備を進めており、また他の疾患領域等への展開も視野に入れ、チームを引き続き強化していきます。
  • エルシオ …… ±6度以上の超広範な度数可変範囲と直径30mm以上の大口径を実現したフレネル型液晶レンズをベースとした世界初のアイウェア開発。軽量・安価・省エネ駆動である度数可変レンズでのオートフォーカス(視力矯正機能)実現によって、外的環境によらず幅広い実装が可能になり、老眼、強度近視、弱視等の視力問題解決を目指します。まずは液晶レンズ駆動ユニットの小型化実現によるプロトタイプ完成に注力します。
  • Meshbase …… 保険/保証のデジタル販売プラットフォーム「WarrantUp」を開発。保険領域のDX化は、中小のみならず大手も手が届いていない分野です。販売から運用までの全プロセスをカバーすることで、事業者にとっては手軽に保険/保証の販売体制を構築できるだけでなく、導入後の運用コストを抑えることが可能となります。採択期間中は、対応可能な保険を拡充し、導入先を増やすことに注力します。

東大 IPC では、1st Round に合計8大学が参加したことを受け、これらの大学出身のスタートアップへの出資も積極化する方針。東大 IPC は2月、オープンイノベーションに特化したファンド「AOI ファンド(AOI は、Accelerating Open Innovation の略)」の1号ファンドを、256億円の調達で最終クローズしたことを明らかにしている。

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