さまざまなサービスのメタバース始動、Gogolook(走著瞧)の上場戦略など【Canvas 5月号(5月14日〜5月20日)】

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さまざまなサービスのメタバース始動、Gogolook(走著瞧)の上場戦略など

今週の話題(5月14日〜5月20日):IoT導入支援のIoTBASE、作業管理アプリが作成できるノーコードツール「Reco」を正式ローンチSpotify、Robloxと提携しメタバースを始動——ファンが集え、限定バーチャルグッズも購入可能に  スパム電話撃退アプリ「Whoscall」開発のGogolook、Web3時代のトラストテックで台湾か日本でのIPOを目指す

「Reco」
Image credit: IoTBASE

フリーミアムモデルで、利益よりもサービス認知と市場普及を優先させる Product Led Growth(PLG)の考え方は、比較的 C 向けのサービスに親和性の高い戦略かと思っていましたが、最近では、ボトムアップからのネットワーク効果や中小企業への導入を促したい B 向け SaaS でも、この戦略を取るところは増えているようです。DX(デジタルトランスフォーメーション)については、中小企業の対応の遅れは産業界全体にとってもネガティブですが、DX に多くのリソースを割けない中小企業には良いニュースだと思います。

Image credit : Spotify

音楽と没入空間の相性は言うまでもありません。Roblox 上ではこれまでにも多くのバーチャルコンサートが開催され、3,000万人を超える訪問数を集めた事例も生まれています。その中では、ライブ後のアーティストと談笑できる空間がプレミアムプランとして用意されていたり、音楽を楽しむためのゲームが設置されています。これらを体験すると、今までは音楽に空間を合わせるのが定番でしたが、空間設計先行の音楽を作りという事例も増えてくると思わされます。バーチャル空間がブレイクスルーする起点として今後も注目が集まるでしょう。

Gogolook(走著瞧)の共同創業者兼 CEO Jeff Kuo(郭建甫)氏
Image credit: Gogolook(走著瞧)

BRIDGE で台湾の Gogolook(走著瞧)のこと取り上げ始めたのは2013年のこと。CEO である Jeff Kuo(郭建甫)氏とも比較的親しいので、NAVER に買収された時には「いいイグジットだな」と思ったのを記憶していますが、彼はその後、自社株式を自分達の手元に取り戻し、現在は IPO を目指しています。ブロックチェーンスタートアップを買収し、スパム電話撃退だけでなく、仮想通貨取引の不正監視にも進出するそうで勢いを増しています。

今月の調達ニュース

今月の国内スタートアップの主要な資金調達ニュースをお届けします。

ESG情報開示支援クラウド「SmartESG」がβローンチ、ジェネシアVなどから6,000万円をシード調達(5月18日)

仕事の依頼者とプロをマッチングするZehitomo、海外投資家複数らから大型調達——社員は100名を突破(5月17日)

  • Zehitomo(ゼヒトモ)」を運営する Zehitomo は、新たなラウンドで資金調達したことを明らかにした。同社はラウンド単体での調達額を明らかにしていないが、累計調達額が26億円を超えたと明らかにしていること、前回ラウンド(シリーズ B ラウンド)までの累計調達額が13.7億円だったことを考えると、今回ラウンドの調達額は12億円以上と推定される。

iBuyerモデル展開のすむたす、シリーズBでデット含め12億円調達——日本橋に移転した意外な理由とは?(5月16日)

  • すむたすは、シリーズ B ラウンドで12億円を調達したと発表した。このラウンドには、WiL(World Innovation Lab)、モバイル・インターネットキャピタル、農林中金イノベーションファンド(グローバル・ブレインによる運営) 、マーキュリアインベストメントと伊藤忠商事が共同運営するファンド、CARTA VENTURES、きらぼしキャピタル、名前非開示の個人投資家が参加した。累計調達額は20億円超に達した。

アジアのニュース

今月のアジアのニュースをお届けします。

モバイルウォレット「Coins.ph」、3,000万米ドルをシリーズC調達——フィリピンでの仮想通貨のマス普及受け(5月20日)

  • フィリピンを拠点とする法定通貨と仮想通貨のデジタルウォレット「Coins.ph」は、Ribbit Capital がリードしたシリーズ C ラウンドで3,000万米ドルを調達した。この資金は、東南アジア展開のための Web3 エコシステムを強化するために使用される予定だ。

インテリアプラットフォーム「OHouse」運営が230億円調達、ダブルユニコーンに——韓国スタートアップシーン週間振り返り(5月20日)

ByteDance(字節跳動)がライバー用端末発売、子会社名変更でIPOの噂再燃など——中国スタートアップシーン週間振り返り(5月16日)

  • TikTok を所有する ByteDance(字節跳動)は、プロのライブストリーマー向けに、15,800人民元(約30万円)のオールインワンのビデオ・オーディオストリーミングデバイス「Lingjing(聆鏡)」と対応アプリをリリースしたと、中国メディアの 36Kr(36気)が報じた。
  • TikTok を所有する ByteDance(字節跳動)は、同社の短編動画アプリ「Douyin(抖音)」に由来する形で、香港子会社の名称を ByteDance (Hong Kong) Limited から Douyin Group (Hong Kong) Limited に変更した。ByteDance は最近、多くの子会社名を「ByteDance」から「Douyin」に置き換えている。このブランド変更により、同社は Douyin を取り巻く事業を分離して香港で IPO するつもりではないか、との市場の憶測が再燃した。

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