インドのクイックコマースZepto、2億米ドルをシリーズD調達——まもなくユニコーンに

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インドのクイックコマース市場は、2025年までに15倍に成長し、市場規模は55億米ドル近くに達すると推定されており、著名な投資家の関心を集め、早期参入の優位性を獲得するのに十分な規模だ。

スタンフォード大学を中退した Aadit Palicha 氏と Kaivalya Vohra 氏の2人が立ち上げたスタートアップ Zepto は、この黎明期ながら隆盛を極める産業の舵取りをしている企業の一つだ。

Zepto 創業者 Kaivalya Vohra 氏(左)と Aadit Palicha 氏
Photo credit: Zepto

Y Combinator の支援を受けた Zepto は、10分での食料品配達を約束し、いくつかの e コマース企業の配達スピードをしのいでいる。ほぼ即座の配達というコンセプトは、食品のような産業でも採用されつつあり、ライダーの幸福度からその目的全体に対する疑問まで、幅広い議論を巻き起こしている。

しかし、これらの懸念は Zepto の資金調達努力を妨げるものではないようだ。このスタートアップは現在、シリーズ D ラウンドで2億米ドルを調達し、時価総額は9億米ドル、ユニコーンの地位獲得まであと1億米ドルに迫っている。

今回の調達は、シリーズ C ラウンド調達額のほぼ2倍に相当する。これまでに同社は約3億6,000万米ドルを調達している。

投資家の信頼を獲得

Y Combinator Continuity は、創業者の企業規模拡大を支援するグローバル投資家ファンドで、Zepto のシリーズ D ラウンドを倍増させ、新たな投資家である Kaiser Permanente 氏を迎え入れ、このラウンドをリードした。

Zepto は声明で、Nexus Venture Partners、Glade Brook Capital、Lachy Groomなどの主要な既存投資家もすべて投資を増やしたと述べている。

Palicha 氏は、クイックコマースがこのように短いスパンで多額の資金調達と新たな投資家の獲得に成功したのは、同社が誰よりも効率的に事業を構築しているからだと考えている。

Palicha 氏は Tech in Asia に次のように語った。

Zepto は、比較的低いキャッシュバーンレートを維持しながら、収益面で前四半期比800%の成長を遂げている。これだけ成長している企業を見ると、1カ月に3,500万米ドルから4,000万米ドルの資金を消費していることがわかる。当社はそれよりもずっと低い水準だ。

Palicha 氏は声明の中で、「現金消費額は、注文1件あたり5倍になっている。」と述べている。

Zepto はまた、60%の購入者維持率とネットプロモータースコア(NPS、顧客のローヤルティと満足度を測る指標)88ポイントという成功指標を維持している。

あなたの街にも近日登場

Zepto は現時点で、ムンバイ、バンガロール、デリーなどの大都市を含む11都市で事業を展開している。今後3四半期ほどで、さらに都市を増やす予定だと Palicha 氏 は語ったが、具体的な数は明かさなかった。

Zeptoは、今後さらに暗所店舗を設けることも視野に入れている。そうした店舗の数は、現時点では数百にのぼる。24時間から48時間ごとに新しい店舗を1つを追加しているという。現在、1日に「数十万件」近くの注文を処理しており、将来的には1日100万件の注文を目指すという。

Zepto のダークストア
Image credit: Zepto

成長と拡大を推進するため、同社はすでに展開している市場の深耕を含め、複数のチャネルを活用することも視野に入れている。資金豊富なクリケット大会「インディアン・プレミアリーグ」の期間中の活動を通じて、ブランドの認知度を高めることに投資する計画だ。

Zepto は、より多くの都市への展開とインフラ強化に加え、エンジニアリング、分析、オペレーション、マーケティング、財務、人事などの各機能で「積極的な」採用を検討している。現在の従業員数は1,000人近くだ。Palicha 氏は、クイックコマースの成熟度にはまだ時間がかかると考え、成長を促進するための無機的なルートは考えていない、と付け加えた。

興味深いことに、Zepto は最近、ムンバイでカフェサービスの実験を行い、すぐに飲めるコーヒーや紅茶、パック入りのスナックを提供した。Palicha 氏は、このカフェサービスが将来的に同社の補完的なカテゴリーに発展する可能性を示唆した。ただし、典型的なフードデリバリ・サービスではないことを改めて強調した。

競争の激化

Zepto がクイックコマースの分野に進出している間にも、同じように速いペースで競争が激化している。

Blinkit は、以前 Grofers として知られていたが、今年末までにダークストアを550軒設置する予定だ。また、資金調達のためにベンチャーデット会社と交渉中で、最近、InnoVen Capital と1,000万米ドル相当の債権調達のためのタームシートに署名したと伝えられている。

ソフトバンクが支援する Swiggy も傘下の Instamart でこの領域に目を向けている。2021年12月には、クイックコマースの垂直展開に7億米ドル近くを投じると発表している。

Ola はまた、Ola Dash を通じてバンガロールで10分間の配達サービスを試験的に行っている。

Palicha 氏は、競合のことはあまり考えていないとしながらも、この分野で勝者となるためには、より良いチーム、製品、そして全体的な顧客体験を作り続ける必要があると強調した。

ライダーの安全、EV の賭け

国内での急速な商業化に伴い、ライダーの安全性への懸念も高まっている。Mahindra Group の会長兼マネージングディレクタ Anand Mahindra 氏のような批評家もいる。Palicha 氏は、Mahindra 氏のクイックコマースに対する批判を巡って、Mahindra 氏と Twitter で論争を繰り広げた

Twitter で批判を受けた Palicha 氏は、Zepto のライダーは平均時速19キロで移動していると説明。また、集荷店舗から配達先までの平均距離は2キロメートル未満であることを強調した。また、Mahindra 氏のツイートに多雨する返答して、次のように述べた。

Zepto は、道路を走る普通のバイクと比較して、平均3.1倍事故が少ない。

Zepto がライダーの安全のために行っている取り組みには、傷害保険、無料の医療相談、シェルターや清潔なトイレの利用などがある。Palicha 氏は、外が雨の場合やトイレにアクセスする必要がある場合、ライダーを中に入れないレストランがあることを指摘した。

Photo credit: Zepto

注文数が増え、サービス展開する都市を増やしている Zepto にとって、電気自動車(EV)に投資することは非常に理にかなっている。同社はすでにこの方向で動きはじめている。デリーでは、配達の25%近くが EV で行われている。

Palicha 氏は、デリーでの成功の後、EV の採用を拡大するために社内で議論していると語ったが、より広範囲に展開する上での具体的なスケジュールは示さなかった。

【via Tech in Asia】 @techinasia

【原文】

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