看護師向けメンタルサポート「Nurse-be」開発、Yazawa Venturesと西木隆氏からシード資金を調達

SHARE:
右から:CEO Sakura Wimalasuriya 氏、COO 氏家好野氏
Image credit: Plusbase

<5月12日午前10時更新> 創業年月に誤りがあったため訂正。

看護師向けメンタルサポートサービス「Nurse-be(ナースビー)」を開発する Plusbase は9日、シードラウンドで資金調達したことを明らかにした。調達金額は非開示。このラウンドに参加したのは、Yazawa Ventures と西木隆氏(Stream Capital Partners Japan 取締役会長)。

Plusbase は、病院の救命救急科で看護師の経験のある Sakura Wimalasuriya 氏(現 CEO)と、彼女の友人で医療経営士でもある氏家好野氏(現 COO)により2022年11月1月に創業。医療従事者の4人に1人が抑うつ状態と言われる医療業界で、特に大きな精神的負担を強いられる看護師のメンタルサポートに特化したサービスを開発している。

看護師は、組織体制、人の生死に関わる業務、人間関係など、医療業界特有の環境から精神疾患を患うことが多く、同社では敢えて看護師という業務特性を考慮したサービスに特化したという。Nurse-be では、モバイルを使い、認知行動療法に基づいて、心の見える化(自身の精神的なキャパシティの測定)、心の筋トレ、誰かに助けを求める機能などを提供する。

Plusebase では、これまでに複数名の看護師にモニターアンケートを実施し、サービスの必要性の効果を確認してきた。看護師のメンタルサポートを提供することは、病院にとっては看護師の離職率を下げる効果が期待できることから、病院から福利厚生費として料金をえるようなビジネスモデルを検討しているとのことだ。同社では今後、Nurse-be の病院での実証実験に着手する。

看護師の離職率は他業種と比べ著しく高いものではないが、看護師の人手不足の実態はコロナ禍の医療体制を見ていても明らかだ。Plusbase では特に、忙しく責任が重いとされる、急性期病院に勤務する、経験の浅い看護師などから Nurse-be の普及を図り、日本では120万人以上が働くとされるこの業界での圧倒的シェアを獲得したい考えだ。

看護師に特化したサービスを開発するスタートアップとしては、看護師のタレントマネジメントソリューションを開発するエピグノ、ICU で看護師を最適配置する AI を開発するアクイラ、看護師向けシフト勤務スケジュール管理アプリ「MyDuty(마이듀티)」を開発する韓国の 4wheels(포휠즈)などがある。

<参考文献>

Members

BRIDGEの会員制度「Members」に登録いただくと無料で会員限定の記事が毎月10本までお読みいただけます。また、有料の「Members Plus」の方は記事が全て読めるほか、BRIDGE HOT 100などのコンテンツや会員限定のオンラインイベントにご参加いただけます。
無料で登録する