波乱の時代、スタートアップが世界で生き残るためのノウハウ【Canvas 6月号(6月4日〜6月10日)】

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波乱の時代、スタートアップが世界で生き残るためのノウハウ

今週の話題(6月4日〜6月10日):Sequoia Capital、投資先に52ページからなる「生き残りのためのアドバイス」を公開中国発ファストファッションEC「SHEIN」、その世界を凌駕するモデルはどのように生まれたか

事あるごとに、投資先に警鐘を鳴らすメッセージを届ける Sequoia Capital ですが、今年上半期が終わりを告げる中、スタートアップ投資が鈍化しているのは世界的なトレンドであり、これまでのような行け行けドンドンは立ち行かないとの戒めを口にする投資家は、ここ日本でも増えています。若干の楽観論も含まれるでしょうが、おそらく、2008年頃に起きた「100年に一度」と言われたクラスの大不況は今回は起きないだろうと言われています。理由は、企業の人材募集意欲が堅調である点。慢性的な労働人口不足もあるでしょうが、DX と価値創造で乗り切って行きたいところです。

一方、中国のファストファッション EC「SHEIN」の話題。Z 世代にとってのファストファッションは、店頭ファストファッションから EC へとシフトしているように思います。TikTok を中国のアプリだと意識して使うユーザがいないのと同様、SHEIN が中国発だと知るユーザは限られるでしょう。この SHEIN に関しては、先日の BRIDGE Tokyo での Accenture  唐澤鵬翔さんと 36Kr(36気)Max  Ma(馬成)さんの対談が非常に参考になりますのでご一読を。制作部隊を現地に配したことが Netflix が世界で成功している要因の一つとされますが、SHEIN には同じような戦略が見て取れます。

調達ニュース

今週の国内スタートアップの主要な資金調達ニュースをお届けします。

6月24日、シリーズ D ラウンドで137億円を調達した LegalForce の皆さん。
Image credit: LegalForce

医師向け臨床知見コミュニティ「Eventomy」運営、OIST Lifetime Ventures Fundからプレシード調達(6月6日)

  • 医師向け臨床知見コミュニティを運営するクオトミーは、プレシードラウンドで OIST-Lifetime Ventures Fund から資金調達したしたと発表した。このラウンド単体での調達額は不明。創業以来の累積調達額は7,800万円に達した。

SREとセキュリティ事業のスリーシェイク、シリーズBで7億4,800万円をジャフコから調達(6月7日)

  • SRE(サイト信頼性エンジニアリング)とセキュリティ事業を展開するスリーシェイクは、シリーズ B ラウンドで7億4,800万円を調達したと発表した。このラウンドに参加したのは、ジャフコ グループ(東証:8595)。スリーシェイクは昨年1月のシリーズ A ラウンドでもジャフコ グループから約5億円を調達している。

水産養殖技術のウミトロン、プレシリーズBでデット含め12.2億円を調達——サーモン養殖向けに、北欧やチリにも進出へ(6月7日)

  • 水産養殖技術を開発するウミトロンの日本法人とシンガポール法人は、プレシリーズ B ラウンドで12.2億円を調達したと発表した。このラウンドに参加したのは、ENEOS ホールディングス(東証:5020)、QB キャピタル、東洋製罐グループホールディングス(東証:5901)。調達額には商工中金などからのデットが含まれる。これはウミトロンにとって、2018年6月の9.2億円2018年9月の3億円の調達(共にシリーズ A ラウンド)に続くものだ。今回の調達を受けて、累積調達額は24.4億円に達した。

エコ意識高で売上5倍、パッケージの「shizai」がGB・ANRIから5億円調達(6月8日)

  • オリジナルパッケージサービスを提供するshizaiは、第三者割当増資の実施を公表している。引受先になったのはグローバル・ブレインとANRIで、両社共に昨年4月に実施したシードラウンドからの継続参加となる。調達した資金は5億円で、これまでの累計調達額は6.2億円。

マンションの大規模修繕をコスト最適化する「スマート修繕」、デライト・ベンチャーズから1.5億円を調達(6月8日)

  • マンションの大規模修繕を行う施工会社と、マンションの管理組合をマッチングするサービス「スマート修繕」を運営するスマート修繕は8日、シードラウンドでデライト・ベンチャーズから1.5億円を調達したことを明らかにした。

中小病院向け電子カルテ・レセコンSaaS「Henry」運営、GCPやフェムトから7.3億円をシリーズB調達(6月8日)

  • 中小病院向けに、電子カルテやレセプトコンピュータ(レセコン)の機能を提供する SaaS「Henry」を開発するヘンリーは、シリーズ B ラウンドで7.3億円を調達したと発表した。このラウンドに参加したのは、グロービス・キャピタル・ パートナーズ、フェムトパートナーズ。これはヘンリーにとって、2021年1月に実施したフェムトパートナーズから資金調達している(ラウンドステージ、および、ラウンド単体調達額は不明)。

病院向けスマホとDX「日病モバイル」展開のフロンティア・フィールド、10億円をシリーズB調達(6月8日)

  • 医療機関向けスマートフォンおよび DX(デジタルトランスフォーメーション)サービス「日病モバイル」を展開するフロンティア・フィールドは、シリーズ B ラウンドで10億円を調達したことを明らかにした。このラウンドは東京大学エッジキャピタルパートナーズ(UTEC)がリードし、Global Catalyst Partners Japan(GCPJ)、アルフレッサ、伊藤忠テクノソリューションズ(東証:4739)が参加した。調達額には日本政策金融公庫からのデットが含まれる。

〝現代版どこでもドア〟開発のtonari、4.5億円をプレシリーズA調達——リアルテックファンド、One Capitalから(6月8日)

  • 2つの空間と空間をつなぐ次世代遠隔コミュニケーションサービス「tonari」を開発する tonari は、プレシリーズ A ラウンドで約4.5億円を調達したと発表した。このラウンドに参加したのは、リアルテックホールディングスが運営するリアルテックファンドと、One Capital。tonari にとっては、2020年11月に発表したエンジェル・シードラウンドに続くものだ。累積調達額は約7.9億円に達した。

情シスのSaaS運用を支援する「シスクルシェアリング」運営、ジェネシアVなどから1.4億円をプレシリーズA調達(6月9日)

  • 企業の情報システム部門(情シス)の SaaS 運用を支援するサービス「シスクルシェアリング」を提供する DXER(ディクサー)は、プレシリーズ A ラウンドで1.4億円を調達したと発表した。このラウンドはジェネシア・ベンチャーズがリードし、ライフタイムベンチャーズとソラシードスタートアップスタジオが参加した。

研究と健康をつなげるORKA、イグジットまもない2人の連続起業家からエンジェル資金を調達——D2C事業を来年ローンチへ(6月10日)

  • 東京を拠点とするヘルスケア関連スタートアップの ORKA ホールディングスは、エンジェルラウンドで資金調達を実施したことを明らかにした。調達金額は不明。このラウンドには、⻘柳和洋氏と近野孝大氏が参加した。2人は出資と共に、ORKA ホールディングスの非常勤取締役に就任したことも明らかになった。

アジアのニュース

今週のアジアのニュースをお届けします。

2.25億米ドルを調達し、ダブルユニコーンとなったインドのエドテックスタートアップ UpGrad の経営チーム
Image credit: UpGrad

韓国政府、メタバース産業支援で1億7,710万米ドルを計上(6月5日)

  • 韓国政府は、地元のメタバース産業を支援するために1億7,710万米ドルを計上したと、CNBC が報じた。この投資は、韓国が支援するデジタル・ニューディールプログラムの一部で、新興技術への投資に重点を置いている。

Binance Labs(幣安実験室)、新ファンドを5億米ドル調達でクローズ——ブロックチェーン、Web3、価値創造技術に投資(6月5日)

  • Binance(幣安)のベンチャーキャピタルおよびインキュベーション部門 Binance Labs(幣安実験室) は、DST Global Partners、Breyer Capital といった世界有数の機関投資家の支援を受けて、5億米ドルの新ファンドのクロージングを発表した。

TikTokの中国国内版、ライブコマースの売上が過去1年間で3倍に——中国スタートアップシーン週間振り返り(6月6日)

  • TikTok の中国語版「Douyin(抖音)」は、4月までの1年間のオンライン売上が3倍以上になったと発表した。中国の景気後退により他の主要企業が減速している中、E コマースの新参者としては素晴らしい成長率である。
  • 中国の自動車メーカー BYD(比亜迪)は、アフリカの6つのリチウム鉱山を買収する計画で、各方面との契約が間近だと中国メディア「澎湃」が1日報じた。情報筋によると、BYD はこれらの鉱山から電気自動車用バッテリの主要材料である炭酸リチウムを約100万トン生産できると見積もっている。

AI半導体Rebellionsが62億円、遠隔医療Dr.Nowが40億円調達など——韓国スタートアップシーン週間振り返り(6月6日)

  • AI 半導体設計スタートアップ「Rebellions(리벨리온)」が620億ウォン(約62億円)を資金調達。 2020年9月に設立された Rebellions は今回の調達を受け累積調達額約1,000億ウォン(約100億円)に達し、時価総額は3,500億ウォン(約350億円)に達した。調達した資金を使ってアメリカにオフィスを設立するなどグローバル市場への進出と、人材獲得の推進を図る。
  • 遠隔医療プラットフォーム「Dr. Now(닥터나우)」がシリーズ B ラウンドで400億ウォン(約40億円)を調達した。時価総額は2,000億ウォン(200億円)に達した。2020年末のサービスローンチ以来、累積利用者は560万人を記録している。病気予防などヘルスケア全般にわたるサービス多角化を計画している。

Animoca Brands、仮想通貨・ブロックチェーンゲーム関連投資が340社15億米ドルに(6月9日)

  • Animoca Brands は、340社にわたる仮想通貨およびブロックチェーンゲームで15億米ドル相当のポートフォリオ投資を保有していると発表した。
  • オーストラリアの証券取引所で取引されている Animoca Brands は、12月31日までの第4四半期に1億4,800万米ドル、2022年4月30日までの4カ月間に5億7,300万米ドルの帳簿所得およびその他の収入を報告した。

レッドオーシャンのノートアプリ界で新星誕生——台湾のHeptabase、YCらから170万米ドルをシード調達(6月10日)

  • Heptabase は最近、HOF Capital、Y Combinator、Kleiner Perkins、Moving Capital、台湾のTonic Fund、それに、Socialcam、Triplebyte、Codementor の創業者を含むその他の投資家からシードラウンドで170万米ドルを調達しクローズした。
  • この有望なスタートアップは、すでに61カ国から有料ユーザを獲得しており、プロジェクトマネージャー、研究者、ソフトウェアエンジニアをターゲットとしている。

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