北米テックカンファレンスCollision、トロントで開幕——世界から35,000人が参加、2年ぶりのリアル開催

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Image credit: Masaru Ikeda

本稿は、Collision 2022 の取材の一部である。

Collision は北米を代表するテックカンファレンスで、2019年からカナダ・トロントで開催されている。一昨年と昨年は新型コロナウイルスの影響でオンライン開催となったが、21日(現地時間)、年2年ぶりに in-person での開催となり、主催者発表の速報値で35,000人が参加したことが明らかになった。初回の2019年の回では38,000人だったことから、約9割まで戻したことになる。

トロント市長の John Tory 氏は Collision の参加者に「パンデミックの終焉を祝おう(celebrate the end of the pandemic)」と呼びかけたが、「パンデミックの終焉に近づいている(near the end of the pandemic)」と言い直すことも忘れてなかった。

Dapper Labs の Roham Gharegozlou 氏

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初日の Opening Night のファイヤーサイドチャットで、Dapper Labs の共同設立者兼 CEO Roham Gharegozlou 氏は、Global News のAnne Gaviola 氏との対談に答え、テック市場の低迷と仮想通貨の暴落の中で、勇敢な面持ちを見せただけでなく、Web3 について非常に強気な姿勢を示した。

私にとっては、何も変わっていない。

彼は、Web3 には「1、000倍の可能性がすでに組み込まれている」唯一の技術であると述べ、ここ数ヶ月間で、NFT の最初の熱狂が急速に薄れ、売上が横ばいになっている NFT 市場の状況について、次のように語った。

ゲームやエンターテイメントで真の価値を提供する Web3 製品は不況に強いと信じている。

Gharegozlou 氏はまた、これは、創業5年目の DaperLabs が避けることができない仮想通貨の2回目のクラッシュであるとも語った。

我々は2017年に Dapper Labs を創業し、そこからまもなく、弱気市場のサイクルを経験したが、そこで会社全体を構築し直すことができた。

Gharegozlou 氏は、Web3 のプロジェクトを優先して Web2 を放棄するデベロッパを多く見てきたと述べ、Web3 は「未来を形作る力」を持つ技術であると賞賛した。

この技術シフトは、インターネットの新しいコーナーではなく、すべてを作り変えるものだ。私の生涯で唯一最大の経済チャンスだと思う。しかし、(現在の仮想通貨市場を巡る状況が)顧客の生活に大きな影響を及ぼしていることを理解する必要がある。

Gharegozlou 氏は、このような環境を生き抜く上で、スタートアップの起業家は、「あらゆる市場が非合理的であり続けるよりも長く倒産危機を乗り越え、現在の消費者マインドを考慮した製品を作るる必要がある」だとし「贅沢よりも効率性を重視する現在の消費者心理を考慮したプロダクトを作ることが大事だ」と述べた。

ローンチパッド MaRS CEO Yung Wu 氏と、ベストセラー作家 Margaret Atwood 氏

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カナダのディープテックスタートアップ特化ローンチパッド MaRS の CEO である Yung Wu 氏は、起業家は本来楽観的であるべきだとし、ポジティブなメッセージを発し続けた。パンデミックから脱却しようとしている今こそ、再生と躍進の時である、と。

カナダの各地大学で英文学を教え、ベストセラー作家として長年活躍する Margaret Atwood 氏は、ポジティブではなく現実的な答えを寄せた。

私は実に年をとっているので、もっとひどい時代を覚えている。

女性の権利や、アメリカの「ロー対ウェイド裁判(人工妊娠中絶を規制するアメリカ国内法を違憲無効とした、1973年のアメリカ最高裁判所の判決)」に触れた後、Wu 氏と Atwood 氏は、気候変動やクリーンテックといった世界的な懸念についても議論した。Wu 氏はこの日、MaRS が KPMG Canada と共同で「Climate Impact Accelerator」をローンチしたことに触れた。

(クリーンテックを)1%市場浸透させることができれば、カナダの二酸化炭素排出量の半分を減らすことができる。

Atfood 氏は気候変動に積極的に参加するよう人々に呼びかける方法について問われ、「子どもたちを怖がらせることから、政治家を怖がらせることへと移行しなければならない」と述べた。

Wu 氏は、Carbon Engineering や BrainBox といったスタートアップの活動にも触れ、気候変動対策における技術の重要性を訴えた。「イノベーションを組み込まずに、ネットゼロ(排出量から吸収量と除去量を差し引いた合計をゼロにすること)への道はない」と述べた。

会場の入口で開場を待つ人々。
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会場近くのプールサイドレストランを借り切っての初日のアフターアワーズ・パーティー。
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会場最寄りの駅前に置かれたサイン。
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