シンガポールで「Femtech Fes!」が開催、世界各国から50以上のフェムテック製品が集結

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Image credit: Risako Taira

シンガポールで1日、fermata Singapore 主催の「Femtech Fes!」が開催された。fermata Singapore は日本のフェムテックプラットフォーム「fermata」のシンガポール支社である。

Femtech Fes! は2021年10月22日〜24日に東京・六本木でも開催され、3日間で約1,400名が来場した。今回のシンガポールでの Femtech Fes! は主にメディア向けに公開された。

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展示では「Period Health(生理)」「Menopause(更年期)」「Fertility(不妊・妊活)」「Pregnancy & Postpatrum(妊娠・産後)」「Sexual Wellness(セクシャルウェルネス)」「General Health(健康全般)」など、フェムテックの各カテゴリごとに世界各国から集まった50以上のプロダクトが並んだ。

なかでも筆者が興味を持ったプロダクトは次の通り。

神経に刺激を与えることで、脳に伝わる痛みの信号をブロックし、生理痛を和らげるオーストラリア発のデバイス「Noha
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妊娠中の母体や胎児の心動、陣痛を計測できるアメリカ発の妊婦用ウェアラブルデバイス「Bloomlife
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更年期障害に多くあるほてりの症状を和らげるデバイス「menopod」とブレスレット型ウェアラブルデバイス「Embr Wave2
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今回の Femtech Fes! ではフェムテック製品の展示とともに、パネルディスカッションも二部制で開催された。「Femtech in Singapore(シンガポールのフェムテック)」と題された第一部のパネルディスカッションには、ゲスト3名が登壇した。

左から2人目から右へ:Amina Sugimoto 氏(fermata CEO 兼共同設立者)、Nandhini Gopal 氏(EVE World Female Health & Wellness オーナー)、Lindsay Davis 氏(Femtech Association of Asia 共同設立者)
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ディスカッションでは、「2021年頃から、シンガポールは〝東南アジアのフェムテックのハブ〟であることが認識され始めている」との指摘がなされた。fermata Singapore が2021年5月にまとめたマーケットマップによると、東南アジアのフェムテック企業41社のうち24社がシンガポールを拠点としている。

その理由としてはシンガポールが「常に世界のハイテク産業の中心地として知られ、市場参入のための規制のハードルが低い」ことが挙げられており、今後も成長が期待される。

一方、日本のフェムテックの現状について、fermata CEO の Amina Sugimoto 氏は次のようにコメントした。

医療機器の申請等に高いハードルがありつつも、経済産業省からのフェムテック事業に対する補助金が立ち上がるなど、政府による後押しも進んでいる。

第二部のパネルディスカッションは「Future of Fertility(妊娠の未来)」と題され、ゲスト2名が登壇した。

中央から右へ:Prusothman Sina Raja 氏(Hannah Life Technologies 共同設立者)、Sihem Tedjar 氏(Biorithm Business Development)
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Hannah Life Technologies は既報のとおり、5月10日にプレシリーズ  A ラウンドで515万米ドルを調達したばかり。自身とパートナーの不妊治療の経験が、創業のきっかけとなったという。

家庭用の妊産婦モニター機器を開発する Biorithm  の Tedjar 氏は、東南アジアのフェムテックについて次のようにコメントした。

どこに住んでいてもタクシーで20分ほどで病院に行けるシンガポールと違い、他のアジアの国では病院までのアクセスが困難な場合もあったり、性教育が進んでいなかったりする国もあります。フェムテックの進化を通じて、基本的な女性の健康がもっと手に入りやすい未来を創っていきたいです。

Femtech Fes! は、東京・六本木でも2022年10月14日〜16日に開催される予定だ。

執筆・撮影:平理沙子(Risako Taira)/編集:池田 将

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