治験被験者と製薬会社を結ぶBuzzreach、6.6億円をシリーズA調達——国産コロナ治療薬の治験にも大きく寄与

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Image credit: Buzzreach

<21日18時更新> 赤字部を訂正。

治験被験者と製薬会社のマッチングを効率化するプラットフォーム「puzz(パズ)」や情報提供メディア「smt(エス・エム・ティー)」などを提供する Buzzreach は21日、シリーズ A ラウンドで6.6億円を調達した。このラウンドのリードインベスターはグロービス・キャピタル・パートナーズ(GCP)で、モバイル・インターネットキャピタル(MIC)と ANOBAKA が参加した。

MIC はプレシリーズ A ラウンドに続くフォローオン、ANOBAKA はシードラウンドとプレシリーズ A ラウンド(それぞれ、当時の社名は KLab Venture Partners、KVP)に続くフォローオンでの参加。今回ラウンドを受けて、Buzzreach の創業以来の調達金額は10億円を超えた。

Buzzreach は、グロービスが主催するアクセラレータプログラム「G-STARTUP」の第1期のデモデイで最優秀賞とオーディエンス賞を獲得しており、今回、GCP をリードインベスターに迎えたのは、この時のつながりがきっかけになっているようだ。創業者で代表取締役の猪川崇輝氏は。売上が伸び(昨年度比売上500%アップ)、ランウェイも伸びていることから、今回の調達は現実的な金額に抑えたという。

Buzzreach が提供する puzz は、治験を実施したい製薬会社、治験のプロセスをモニタする CRO(受託臨床試験実施機関)、治験が実施できる医療機関情報を有する SMO(治験実施施設管理機関)らが参加できるプラットフォーム。治験希望者データベース、ヘルスケア関連媒体メディア、患者会や患者団体への治験情報拡散が可能で、新薬開発から市場投入を行う製薬会社の活動を支援する。

Image credit: Buzzreach

puzz は複数の機能で構成されるが、今回の調達を受けて、Buzzreach では、CRO 製薬会社の治験情報公開、治験に参加する候補患者のいる病院の患者情報管理などを強化する「Study Works 機能」を充実させる。製薬会社にとってブラックボックスになりがちな治験現場の状況について、候補者の情報、どの程度で規模(治験人数)で治験が可能か散ったデータを見える化する。

また、CRO は全国に約130ほどある国公立大学の病院や中核病院などがその役目を担うことが多いが、症例の少ない疾病の治験の場合、治験者を十分に集めることが難しいこともある。Buzzreach では、地域密着の医療施設や医師らにも puzz のサブアカウントを持ってもあることで、CRO 製薬会社の治験情報を共有し、より効率的に治験候補者を集められるよう支援する。

新型コロナウイルスを対象とした国産薬として注目を集める塩野義製薬の経口抗ウイルス薬「ゾコーバ(エンシトレルビル)」は現在、国内での緊急承認が待たれているところだ。こういった薬の治験候補者の募集においても、puzz は力を発揮した。Buzzreach によれば、発熱外来を持つ病院から候補者を CRO 製薬会社に紹介し、うち条件の合った対象者が治験に参加したそうだ。

Buzzreach はプラットフォームである puzz の提供する機能として、患者の声を SNS で収集する「ミライク」、患者日常的に利用できる ePRO(患者報告アプリ)、患者の声を集める「VOICE」といった Web サービスやアプリを提供しており、これらの情報を集約しフィードバックすることで、製薬会社は新薬が承認された後のマーケティング活動にも有効に活用できるようになる。

Buzzreach では今回調達した資金を使って、Study Works の開発および営業・採用・サポート体制の強化、これまでの既存プロダクトとの連続性を持ったプラットフォーム事業への拡大に合わせた開発・採用・組織体制の強化を図るとしている。

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