マイアミ市、そして、フロリダ州を仮想通貨の街にしようとするBlockchain.com

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Image credit: Blockchain.com

Blockchain.com はロンドンに世界本社を置く拠点を置いているが、2021年6月、アメリカ本社をニューヨークからマイアミ市のブリッケル金融街に移転した。マイアミでは、2022年末までに最大300人の現地従業員を雇用する予定だ。Blockchain.com がマイアミに魅せられた理由の一つは、市長の Francis Suarez 氏が仮想通貨業界の提唱者であること(市職員への給与や納税にビットコインの導入を検討している)、そして、マイアミ市をスタートアップハブにしたいと声高に叫んだことに触発されてのことだろう。

Blockchain.com は2021年、フロリダ州から送金ライセンスを取得したことで、フロリダ州の州民は Blockchain.com を経由し、合法的にデジタル通貨を売買できるようになった。ただ、今年6月中旬からアメリカ連邦準備制度が攻撃的な金利引き上げに乗り出したことがきっかけで、ビットコインやイーサリアムをはじめ、仮想通貨は軒並み価格を下げた。仮想通貨ヘッジファンド Three Arrows Capital(3AC)に多額を融資していた Blockchain.com は最大で2.7億米ドルの貸し倒れに遭う可能性がある。

7月1日に Bloomberg が報じたところでは、Blockchain.com は 3AC の全ての即時清算を実施したことから、同社への被害は限定的との報道もある。Blockchain.com は今年3月にシリーズ D ラウンドで非開示額を調達しており、この際の時価総額は140億米ドル、すなわち、デカコーン相当以上だったことが明らかになっている。同社のサイトによれば、Blockchain.com の仮想通貨ウォレットダウンロード数はこれまでに8,200件を超え、KYC(本人認証)を終えたユーザは3,700万人以上に上る。

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