IVS 2022 NAHAのピッチコンペティション「LaunchPad」の優勝は、安心・安全なペットブランドを目指す「PETOKOTO」が獲得

SHARE:
Image credit: Masaru Ikeda

本稿は、7月6〜8日に開催された、IVS 2022 NAHA の一部。

8日夕、IVS では恒例となっているスタートアップ・ピッチコンペティション「LaunchPad」が実施され、安心・安全なペットフードで、総合ペットブランドを目指す「PETOKOTO」が優勝を獲得した。

LaunchPad の審査員を務めたのは、

  • 赤浦徹氏 インキュベイトファンド 代表パートナー
  • 金子剛士氏 East Ventures Partner
  • 木村新司氏 Das Capital SG Pte. Ltd. Chairman
  • 倉橋健太氏 プレイド CEO
  • 清明祐子氏 マネックスグループ 代表執行役 Co-CEO 兼 CFO
  • 竹葉聖氏 日本 M&A センター チーフマネージャー
  • 田島聡一氏 ジェネシアベンチャーズ 代表取締役/General Partner
  • 田中邦裕氏 さくらインターネット代表取締役社長
  • 千葉功太郎氏 千葉道場 代表取締役
  • 堤達生氏 STRIVE 代表パートナー
  • 丹羽功氏 大和証券 企業公開担当 常務執行役員
  • キャシー松井氏 MPower Partners ゼネラルパートナー
  • 松本真尚氏 WiL GP
  • 持田昌幸氏 Tybourne Capital Management Managing Director
  • 原田明典氏 DeNA CSO
  • 平尾丈氏 じげん代表取締役 社長執行役員 CEO
  • 吉田浩一郎氏 クラウドワークス 代表取締役社長 CEO

副賞については追って記述。

今回の LaunchPad には、史上最高となる250社からエントリがあった。登壇したファイナリストは、以下の14社。

【優勝】PETOKTO by PETOKOTO

Image credit: Masaru Ikeda

PETOKOTO は、ペットに家族品質の暮らしを提供するペットウェルネスブランド。迎える家族品質化として保護犬猫マッチングサイト「OMUSUBI」、育てる家族品質化としてペットライフメディア「PETOKOTO」、食事の家族品質化としてフレッシュペットフード「PETOKOTO FOODS」を展開。国産食材をメインにスチーム加熱・急速冷凍製法により高い食いつきと保存料無添加を実現した。

Image credit: Masaru Ikeda

PETOKOTO FOODS は、市販のドライのドッグフードとは異なり、新鮮な生の状態の食材が使われているのが特徴だ。ドライのドッグフードは、素材の調達、加工・製造工程、運搬・流通などが比較的シンプルで済むが、栄養学的見地からペットにとって最良とは限らない。PETOKOTO では、福岡にある製造工場に委託してフレッシュドッグフードを製造、ユーザからの注文に応じて冷凍倉庫から届ける。さつまいもの規格外品を使うなど、フードロス解消にも一役買っているという。

<関連記事>

【2位】Farmers Textile by Food Reborn

Image credit: Masaru Ikeda

フードリボンは、パイナップルの収穫時に畑に捨てられる葉(残渣)を使ったサステナブルなテキスタイルブランド「Farmers Textile」を開発している。パイナップルの残渣からは、ファッションに利用可能な繊維を開発したり、パイオブラスチックからストローを生産したりできる。

Image credit: Masaru Ikeda

この残渣から糸・布を量産できる技術を開発し、フードリボンでは現在特許を申請中だ。同社ではまず、インドネシアに進出し、現地農家らと協力して、Farmers Textile の糸・布を生産し、最終完成品(浴衣、洋服など)を世界のテキスタイル市場に向けた流通に載せる計画だ。

【3位】アスゼロ by アスエネ

Image credit: Masaru Ikeda

アスエネの CO₂ 排出量管理クラウドサービス「アスゼロ」は、企業・自治体の CO₂ ガス排出量、カーボンフットプリントの算定・報告・削減・オフセットなどを一気通貫で支援できるシステムだ。脱炭素に取り組む自社だけではなく、サプライチェーン全体の Scope 1-3 の CO₂ 排出量のデータを回収・算出できる。

Image credit: Masaru Ikeda

AI の画像認識活用により業務工数を削減し、コストを抑えながら簡単に CO₂ 排出量の見える化ができるのが特徴。このほか、アスエネでは、CO₂ ゼロ × 地産地消のクリーン電力サービス「アスエネ」も提供している。アスエネは先ごろシリーズ B ラウンドを実施し、累積調達額は22億円に達した。

<関連記事>

【4位】Yay! by ナナメウエ

Image credit: Masaru Ikeda

従来の SNS は、他の人が見ていることが気になり、気軽な投稿ができなくなってしまった。その結果、ユーザは自ら投稿せず、インフルエンサーが投稿したものを閲覧するだけになってしまった。この状態を我々は「メディア化した」と表現するが、SNS の本質である承認が得られなくなってしまう。Meta の株価が30%近く下げるなど、SNS がピークを過ぎたと言われるのはそのせいだ。

Image credit: Masaru Ikeda

Yay! は匿名で投稿できるため、他人の投稿に寛容になることができ、ユーザが皆、素を出すことができるプラットフォームだ。オープンとフォロー中の2つのタイムラインがあり、趣味志向に合わせたコミュニティ(DAO)を作成可能だ。ローンチから2年半でユーザは540万人。今後、LOBI を合併し、さらに大きな匿名投稿可能なメタバース空間を目指す。今冬以降、NFTセールと IEO を計画。

<関連記事>

【5位】OPTEMO by J-TAMA’S

Image credit: Masaru Ikeda

Web サイトを訪れた潜在顧客のうち、お問合せをしてくれる人はたった1%だ。ジェイタマズの「OPTEMO」 を使えば、Web サイトを訪れた潜在顧客に対し、その画面でそのまま、ボイスコールまたはチャットで営業活動ができてしまう。Web サイトには、コードを一行追加するだけで実装が可能だ。

Image credit: Masaru Ikeda

Web サイトオーナー(企業)は予め、どのページのユーザがどのくらい滞在したかを設定しておき、その条件に合った潜在顧客が Web サイトを訪れた時に、担当者にメッセージツール経由で通知する。担当者は特定の URL をクリックするだけで、潜在顧客が見ている画面を確認し、ボイスコールやチャットで営業ができる。インサイドセールスと違い、通常業務の間に新規商談ができる。


以下は、惜しくも入賞しなかったが、ファイナリストとして優秀な成績を収められた方々。

Tensorクラウド by Tensor Energy

Image credit: Masaru Ikeda

今年、再エネ発電された電力の価格制度が FIT から FIP に移行する。FIT とは価格固定で電力が買い取られる制度のことで発電者の収入が一定だったが、FIP とは補助額(プレミアム)が一定で発電事業者の収入が市場価格に合わせて連動するようになる。

Image credit: Masaru Ikeda

電力市場では、需要の大きい時間帯には高い単価で、そうでない時間帯には低い単価で取引される。再エネ発電は自然由来のエネルギー源を元にするものが多く、需要増減にあわせ発電量を調整することが難しい。Tensor Energy は蓄電池などを活用、取引所・需要家などに売られる電力量とタイミング的最適化を行う。

<関連記事>

pippin by EC-GAIN

Image credit: Masaru Ikeda

沖縄のスタートアップ EC-GAIN が運営する「pippin(ピッピン)」は、国内向けのソーシャルコマースプラットフォームだ。ソーシャルコマースでは、商品に対する知識を持つ人と持たない人(情報の非対称性)がいる中で、持つ人が持たない人に商品を紹介することで成立する。

Image credit: Masaru Ikeda

pippin では、カテゴリインフルエンサー(サービス上では「プロ」と呼んでいる)と呼ばれる、特定分野に抜群の商品知識を持つ人が、それを求めるフォロワーに対して販売する形を取る。スポーツギア、アウトドアギア、コスメ、ファッション、知育玩具などがホットだ。2019年12月2021年8月に資金調達している。

Recustomer by Recosstomer

Image credit: Masaru Ikeda

Recustomer は e コマース事業者向けの返品・交換業務の効率化を支援する SaaS だ。購入前に商品を試すことができない e コマースサイトでは返品や交換を受け付けていることが多いが、販売や出荷が半自動化されているのに対し、返品や交換は人海戦術に頼っていることが多く、直接的には売上に結びつかないのにオペレーションコストがかさむ。これを半自動化しようというものだ。

Image credit: Masaru Ikeda

Recustomer は Shopify に代表される自前 EC 型のストアフロントとデータ連携でき、ストアフロントから得た注文情報や顧客情報をもとに、運送会社へ回収指示をするための返品伝票の発行も可能。また、ローソンに設置されている返品や返却のための専用ボックス「SUMARI」との連携をテスト中で、返金の振込のデータを全銀フォーマットでファイル出力する機能も開発中だ。

<関連記事>

PLUG by STRACT

Image credit: Masaru Ikeda

STRACT の PLUG は、iOS 15 以上の iPhone の Safari の拡張機能として動作。ショッピングサイトを訪れる都度、当該サイトで利用可能なポイントやクーポンなどの情報が自動的に表示される。Amazon などで商品を見ていたら、バックグラウンドで自動的に価格比較し、当該商品をより安く買えるサイトを提示することも可能だ。

Image credit: Masaru Ikeda

これは、ユーザが PLUG をインストールする際、PLUG に対しログデータの収集を承諾していることが可能になる。いわゆるゼロパーティーデータだ。今後 Cookie が規制される中で EC 事業者は広告トラッキングが困難になるが、PLUG はサイト横断で EC 事業者とユーザをマッチングできる。ネイティブアプリと連動するため、カゴ落ち後のプッシュ通知も可能だ。

smeta クラウド by リース

Image credit: Masaru Ikeda

リースは、不動産×金融を切り口に、信用経済社会(評価経済社会)における与信プラットフォームを目指すスタートアップとして、家賃保証付きお部屋探しアプリ「smeta/スメタ」、家賃保証業界向け SaaS「smeta クラウド」を開発・運営。

Image credit: Masaru Ikeda

フリーランスや兼業・兼職者などの信用を適切に測り、育むための AI 与信を独自開発しており、そのアルゴリズムを搭載した業務支援 SaaS を家賃保証会社向けに提供することで不動産賃貸業界の与信モデルをアップデートする。

<関連記事>

IssueHunt by BoostIO

Image credit: Masaru Ikeda

IssueHunt」は、2018年6月に BoostIO がローンチしたオープンソースのバグ修正をクラウドソーシング的に依頼できるプラットフォームだ。オープンソース開発者が GitHub 上のレポジトリを IssueHunt に登録し、ユーザからバグ報告をもらってバグ修正を効率化できるこのサービスは、開始から4年を経てユーザ数は70万人を超えた(海外ユーザが9割超)。

Image credit: Masaru Ikeda

BoostIO はこれまで、オープンソースを対象にのみ IssueHunt を提供してきたが、今日新たに、企業向けにもこのサービスを立ち上げたことを明らかにした。ホワイトハッカーの力を企業のシステム開発に借りることで、エンタープライズセキュリティの向上と作業効率化を狙う。企業はバグを見つけてくれたユーザ(コントリビューター)に対し、IssueHunt を通して報奨金を支払う。

<関連記事>

IVRy by IVRy

Image credit: Masaru Ikeda

突然の電話で業務の中断を余儀なくされるのは、スモールビジネスや中小企業の悩みの種だ。電話自動応答サービス(IVR)は SI-er への開発依頼が必要であるため高価で、スモールビジネスや中小企業が導入することは難しい。IVRy(アイブリー)は月額3,000円から使える SaaS ベースの IVR だ。

Image credit: Masaru Ikeda

予約、店舗情報の案内などレスポンス内容は、店主やビジネスオーナーが予め Web ベースで条件を設定しておくことで、電話をかけてきたユーザの選んだ選択肢に基づいて自動対応させることができる。受電内容の音声録音ができるのに加え、話した内容を AI ににより自動的に文字起こしすることも可能だ。

PartnerSuccess by PartnerSuccess

Image credit: Masaru Ikeda

日本においてはパートナーセールス(代理店販売)は一定の市場シェアを担っている。メーカーや商社は営業活動を効率化するために代理店に対して情報提供を行なっているが、代理店はそれらを十分に活用できているとは限らない。一方、代理店は案件管理や契約管理、メーカーや商社へのレポーティングといった事務作業に就労時間の約半分を取られ、営業先開拓や商談といった売上を最大化するため以外のことに忙殺されていた。

Image credit: Masaru Ikeda

PartnerSuccess」を使えば、メーカーや商社⇄代理店の管理業務が削減され、代理店の営業担当者は本来の営業活動に専念できるようになる。またメーカーや商社も創出できた時間で販売代理店の開拓やパートナーサポートに注力できるようになる。提供される商品やサービスが複雑かつ高度になっていることから、メーカーや商社と代理店はより密接にタッグを組んで営業活動に臨む局面が増えていて、パートナーサクセスではパートナーサポートの戦略立案なども支援していく。

<関連記事>

SOLLECTIVE by SOLLECTIVE

Image credit: Masaru Ikeda

SOLLECTIVE は、フリーランスと企業のマッチングプッラットフォームだ。ここでいうフリーランスは従来のタスク型のフリーarンスではなく、ハイスキルのフリーランスで、企業内のプロジェクトのコアの部分に深く関わることができるフリーランスを指している。SOLLECTIVE では、多様性・即戦力・専門性に主眼を置き、包括的な HR 審査と専門性の審査でフリーランスを集めている。

Image credit: Masaru Ikeda

フリーランスにとっては、企画書・提案書・契約書・時間管理・請求書・支払・経理など付随業務が必要になる。これらのタスクを処理するツールがアメリカでは十分に提供されているが、日本ではまだ十分ではない。SOLLECTIVE では今後、これらの付随業務を一元管理できるプラットフォームを構築する計画だ。その皮切りとして、業務委託契約ツール「契ラク」をローンチした。

BRIDGE Members

BRIDGEでは会員制度「BRIDGE Members」を運営しています。会員向けコミュニティ「BRIDGE Tokyo」ではテックニュースやトレンド情報のまとめ、Discord、イベントなどを通じて、スタートアップと読者のみなさんが繋がる場所を提供いたします。登録は無料です。
  • テックニュース全文購読
  • 月次・テーマまとめ「Canvas」
  • コミュニティDiscord
  • イベント「BRIDGE Tokyo」
無料メンバー登録