スタートアップによるスタートアップのための団体「スタートアップ協会」が発足

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スタートアップ協会の理事や監事のみなさん。左上から時計回りに、砂川大氏、玉木諒氏、矢野健太氏、小名木俊太郎氏、髙原幸一郎氏

1日、一般社団法人スタートアップ協会が発足した。「スタートアップの互助により日本を『スタートアップのための世界最高の環境』に進化させる」をミッションに掲げ、スタートアップによるスタートアップの利益を代表する非営利団体として、スタートアップに関する法律や規制の勉強会の開催や、スタートアップの声を直接、国や自治体に届け、政策に反映してもらえるよう働きかけていくとしている。

発起人兼理事、および、監事は、次の通り。

  • 代表理事  砂川大氏(スマートラウンド 代表取締役社長)
  • 理事   髙原幸一郎氏(NearMe 代表取締役社長)
  • 理事   矢野健太氏(パンフォーユー 代表取締役)
  • 理事   玉木諒氏(SmartHR 取締役 CFO)
  • 監事   小名木俊太郎氏(弁護士法人 GVA 法律事務所)

発起人の一人であり、代表理事を務める砂川氏によれば、スタートアップ協会を立ち上げたのは、近年、政府省庁や関係機関から、スタートアップ支援について、しばしば相談を受けるようになったことに端を発しているという。政府はここ数年、政権を跨いでスタートアップ支援の充実を重点政策に掲げており、それを反映し、霞ヶ関周辺でも支援に向けた具体的な活動が活発化している。

政府省庁や関係機関の担当者は、具体的にどのような施策がスタートアップエコシステムの醸成にとって有効か、エコシステムを構成するさまざまなグループに意見を求めるようになった。そんなグループの一つとして、投資家やベンチャーキャピタルの意見を代表する存在としては日本ベンチャーキャピタル協会(JVCA)があるが、起業家の意見を集約するような同様の存在がこれまで無かった。

また、社会を変革しようとするスタートアップの事業展開においては、しばしば、時代遅れの法令が成長の阻害要因となる場合もある。法令改正やサンドボックスの整備には、国会議員へのロビー活動・政策提言、担当省庁へのパブリックコメントの提出などを継続的に行なっていく必要があるが、この種の活動は、スタートアップや起業家が単独で行なうには荷が重い。

比較的特定の目標に特化して、ロビー活動や提言を行ってきたスタートアップの業種別任意団体は存在するが、業種・分野を横断してのスタートアップの組織としては、スタートアップ協会が初めてかもしれない。短いライフサイクルで進むスタートアップの世界で、長期スパンの視野を持ちながら、業界を俯瞰しながら政府などに意見を述べていくのは、こういう業界団体でこそ為せるものなのだろう。

理事には、VC の経験や個人投資家としての顔を併せ持つ起業家、事業売却やイグジットの経験者などもいるため、後進の起業家に対して、同じ轍を踏まないで済むよう促せるアドバイスも提供できるだろう。スタートアップ協会では今後イベントの開催などを通じて、知見やネットワークを会員と共有できる機会を積極的に提供していきたいとしている。

スタートアップ協会の会員は、未上場会員(法人)、上場会員(法人)、賛助会員(企業や組織)、個人会員(個人)で構成される。会は発足したばかりで今日から募集が始まるため、会員スタートアップや起業家の顔ぶれはこれから明らかになっていくが、すでに20名以上のスタートアップ経営者などが、この活動への賛同の意思を表明していることが明らかになっている。

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