スマートコンタクトレンズのMojo Vision、目に装着可能なプロトタイプとAR体験を公開

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Mojo Vision プロダクトおよびマーケティング担当シニアバイスプレジデント Steve Sinclair 氏(右)、プロダクトマネジメント担当シニアディレクタ Adam Koniak 氏(左)

本稿はKDDIが運営するサイト「MUGENLABO Magazine」掲載された記事からの転載

スマートコンタクトレンズ「Mojo Lens」の開発・生産を行う Mojo Vision は先ごろ、開発中の目に装着可能なプロトタイプと、このプロトタイプが実現する AR(拡張現実)の体験を日本メディア向けに公開した。Mojo Vision はかねてから、商品を市場に出すまでのステップと時期を記したタイムラインを公開しているが、今年3月の更新版では、高解像度マイクロ LED ディスプレイ、無線データ通信、電源供給、視線捕捉、視線で操作できる UX(ユーザ体験)といった機能の実現達成を表明していた。

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「Mojo Lens」開発のタイムライン

この Mojo Lens は、コンタクトレンズの上に1辺約0.48mmのマイクロ LED ディスプレイを備えたものだ。3月に公開されたプロトタイプでは有線で電源が供給されていたが、今回のモデルでは超小型2次電池が実装されていた。なお、公開された CEO Drew Perkins 氏が試験装着している写真で氏は帽子を被っているが、この帽子の庇の部分からレンズと無線通信する信号(5GHz 帯)が出ているそうだ。将来的には、帽子を被らなくても、身につけているスマートフォンなどと連携できるようになるだろう。

Mojo Lens のプロトタイプを目に装着した、CEO Drew Perkins 氏
Image credit: Mojo Vision

ところで、Mojo Lens を目に装着することは現実的なのだろうか(Perkins 氏はデモのために、痛みをこらえていたりしないだろうか)。コンタクトレンズを装着したことがある人ならわかるように、ソフトコンタクトレンズならまだしも、ハードコンタクトレンズは慣れていないと異物感がある。Mojo Lens のように基盤を実装するにはレンズにある程度の硬さが必要になるが、スクレラルレンズ(強膜レンズ)を採用しており、角膜ではなく強膜(しろ目の部分)に固定され、違和感や痛みは感じにくいとのことだった。

公開されている最新のプロトタイプ

プロトタイプは FDA(アメリカ食品医薬品局)が認証しているものではないので、我々が装着して試すことはできない。どのような世界が待っているかについては、棒のついたデモデバイスを目の前にかざしたり、市販の HMD(ヘッドマウントディスプレイ)を装着したりして体験させてもらった。この UI は現時点で企業機密のため写真では公開できないのが、視線でメニューを選ぶことで、テキストのプロンプター、スライドショー、スケジュール表など複数のアプリケーションが利用できるようになっていた。

Mojo Vision では、アスリートや弱視の人など、さまざまなユースケースにあわせ、視線で操作できるアプリケーションを開発する計画だ。将来的には、API やインターフェイス仕様の公開により、サードパーティーのデベロッパも参加できるアプリケーションのエコシステムが実現するだろう。現在はモノクロディスプレイだが、市場投入時には高解像度化・フルカラー化し、視力矯正機能を伴ったスマートコンタクトレンズ1対を、ハイエンドスマホ並みの価格での販売できるようにしたい、とのことだった。

KDDI は、Mojo Vision に対し、KDDI Open Innovation Fund(KOIF)を通じて、複数回にわたり出資している。出資総額など詳細については、両社の意向により明らかにしていない。日本のコンタクトレンズ大手メニコンとは資本関係を締結しており、Mojo Lens の技術開発において支援を得ている。

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