投資で脱炭素に貢献「樹木サブスク」で持続可能な林業を支えるEcoTree

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EcoTree

ピックアップ:EcoTree raises €12 million in funding

ニュースサマリー:2016年創業、フランス拠点のグリーンテクノロジースタートアップ「EcoTree」は6月に1,200万ユーロの資金調達を公表している。出資したのはSociété Générale Ventures、Financière Fonds Privés、およびFamae Impactで、既存投資家のAccurafy fundとÉpopée Gestionもラウンドに参加した一方、シード期に出資したFinistère Angelsはこの機会にイグジットしたことも伝えている。

また、同社は7月に開催されたカンファレンス「Webit Summer Impact Forum」で実施された持続可能な社会を作るスタートアップを集めたスタートアップ・チャレンジ「Webit’s Founders Games」にてファイナリストの5社に選ばれた。これは全世界140カ国・3,000名を超える応募者から準決勝に進出した60社から選ばれたもので、審査員にはDraper Venture NetworkのTim Draper氏らが参加した。

話題のポイント:EcoTreeは樹木のオーナーを募ることで、環境保全と林業の持続的な事業活動を支援しようという意欲的なモデルを提案するスタートアップです。彼らのショップで樹木を購入する(オーナーになる)と、伐採時に製材所から得られる樹木の利益を受け取ることができるだけでなく、楓によるCO2削減にも貢献できる、という具合です。

例えば楓は22ユーロで購入できるのですが、これによる伐採時までのCO2の推定吸収量は800kgで、予想収益は88ユーロになっています。伐採までにかかる時間は70年と長期間(年率にすると2%ほどのリターン期待になるそう)なので、投資商品というよりは環境に対するポジティブな行動証明的な役割が大きいと言えるでしょう。

興味深いモデルがサブスクリプションで、オーナーはどの樹木を購入するかを選ぶことなく、月額課金すると樹木購入と同様に投資リターン期待とCO2削減効果が見込めます。イメージとしては毎月定額の貯金をして環境に貢献するような感じでしょうか。もらえる樹木を友人にギフトで送る(実際の樹木ではなく権利ですが)こともできます。

一方の林業を営む事業者や林業に適した土地所有者の側から見ると、EcoTreeは持続可能な経営を支える資金源になります。

というのもユーザーが木を購入する際の条件のひとつに、土地所有者が集まった資金を使って新たな土地を購入することへの承諾を求められるからです。植えた樹木のメンテナンスだけでなく、規模拡大に資金を使用できる点がEcoTreeを導入する大きなメリットです。

カーボン・オフセットを実現するために樹木の所有権を販売するスタートアップは増えていますが、EcoTreeのような金融のモデルを作り、林業経営の健全化にまでフォーカスしているサービスはほとんど見かけません。経済的なメリットと環境保全への活動がバランスを取れればさらに活動は広がりを見せるのではないでしょうか。

共同編集:平野武士

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