トークンエコノミクスとスポーツが叶える「地域貢献」とは【フィナンシェ放送局 #18】

本稿はトークンを使ったクラウドファンディング2.0「フィナンシェ」が配信するポッドキャスト「フィナンシェ放送局」の記事からの転載

フィナンシェ放送局はトークンを使ったクラウドファンディング2.0「フィナンシェ」で巻き起こる、ファンとプロジェクトの話題をお届けするポッドキャストです。プロジェクトの最新ニュースやここだけでしか聞けない中の人の話題をお送りします。

前半に引き続いてマイネット代表取締役の上原仁さんのお話をお届けします。エンターテインメント関連のテクノロジー事業を中心に、近年ではスポーツテックの分野に進出しているマイネット。昨年には滋賀県を拠点に活動をするB1リーグ「滋賀レイクス」のオーナーとしても存在感を出されています。

トークンエコノミクスでスポーツはどう変わるのか、また、地域に根差したクラブチームのオーナーとして地域経済やそこに携わるファンとの関わりをどう考えているのか、今回もフィナンシェCOO、田中隆一を交えてお話をお伺いしました(太字の質問はフィナンシェ放送局、文中のお名前はすべて敬称を略させていただいています)。

ポッドキャストはこちら↓

対談の前半はこちら

トークンはスポーツビジネスの何を変える

ーー前半のポッドキャストでは、上原さんになぜ滋賀レイクスのオーナーになったのか、スポーツビジネスがなぜ事業として魅力的なのかをお聞きしました。後半では上原さんたちも研究を進めるトークノミクス、トークンを活用したスポーツ・ファンビジネスの可能性についてお聞きしています。

トークンを使うと従来型のファンクラブと何が違ってくるんでしょうか?

仁:ファンクラブはお金を払って(得られる)1年間という権利です。(一方のトークンは)ゴルフの会員権に近い。(この二次流通があることを前提に)すごく重要になってくるのが「イベント」と「ユーティリティ」と「コミュニティ」です。

ユーティリティはスポーツに関して言えば、ファンクラブの特典に随分と近い存在なので、別にファンクラブとそこまで変わらないと思うんです。グッズもらえるとか、特別な招待券もらえるとか、まあそんな話題です。

イベントはトークンの需要がグッと高まる何かのタイミングです。(例えばトークン発行しているチームに有名な選手が加入するなど)そういうイベントがポイント・ポイントで入ってきて2次流通の価格が変動する。コミュニティはファンクラブにも存在しているんですが、トークンの場合はやはりデジタルに可視化されていることが大きいかなと思います。

ーー仮にクラブチームが発行したトークン(FT・ERC20の交換可能なトークン)が流通したとして、チームの勝敗や新しい選手の加盟で価格に変動性が出たとします。参加しているファンにしてみると、ひいきチームへの思い入れが経済的な価値につながるので、これまでにない新しい体験を提供できるかもしれません。また、クラブチームに流入する資金は新たな活動原資にもなり得ます。

一方、全てのファンが「お金儲け」をしたいわけではありません。実際、VR Chatなどの一部コミュニティではNFTやブロックチェーンに対して一定の距離を置くケースもあります。ファンをめぐる分断を上原さんはどのように考えているのでしょうか?

相場やお金設けに関心が強い傾向がある、トークンを求めるユーザーと熱心な長年のファンとの間でハレーションが起きるのでは?

仁:まずペルソナに違いはあるとは思ってます。(地域クラブの)コアサポーターでいらっしゃる方々というのは、本当に地域とスポーツのことが好き(でいらっしゃる)。(そこまでではないけど)興味はあるよ、という方々の輪がもうひとつ外側にある。元々、スポーツとクラブに興味があるわけじゃないけど、お金が関わってくるとちょっと興味持っちゃうよ、という。お金が関わることで興味を持つ人たちをファンに取り込んでいくことができれば、ショービジネス全体としても拡大の機会になっていくのではというのがあります。

トークンしかりだし、ベッティングしかり。確かにスポーツにお金が関わることについて日本では避けられていたんですが、ようやく踏み込んでそれが議論されたりするようになりました。

トークンが実現する地域への還元

Credit:滋賀レイクス

ーースポーツビジネスのもうひとつの顔、それが地域との連携です。地域に根差したファンがチームの原動力となり、その活動の力を地域に還元することは、広い意味でESG/SDGsへの関与を求められる社会的な要請のひとつにもなっています。

特にトークンで得られるであろう、新しい経済活動・経済の流れをどのように還元するのか、上原さんは次のようにコメントしていました。

トークンによる新しい資金の流れをどのように地域に還元しますか

仁:ここはまさに、ですね。例えば滋賀レイクスは今、こうですというのを言うと、滋賀県って昔から環境先進県と言われていて、琵琶湖があるので例えば水質汚染の課題に対して環境条例で対策を訴えた日本で最初の県だったりして環境に向けた意識が県民全体として高いという感じなんです。

そんな県で唯一のプロスポーツクラブである滋賀レイクスでは環境、もう少し広げてSDGsに向けた活動を全てにおいて一貫させようという考え方を持っています。そして環境や教育などのテーマ毎に貢献したいという企業にパートナーとなってもらい活動を行っている、そんなクラブなんですよ。

例えば(トークンなどの経済活動による)新しいエコシステムができたとして、そこから一度、クラブに収入として入ってくるとこれはもう自ずとですね、クラブが地域に向けた課題解決の活動に活かしていくことになると思っています。

田中:本当にその通りだと思っていて、どこかバランスだと思っていて、先ほど仁さんがおっしゃっておられたように、イベント、ユーティリティ、コミュニティですか。そのひとつだけに特化してもあまりよくなくて、それがこうバランスよく設計されていくと、じゃあ企業を巻き込んでいこうかとか、地域の方にも入っていこうとなる。

さらに今後、我々のトークンだけじゃなくて、ブロックチェーンのNFTやファンジブルトークン(FT)を介して経済圏を作っていけるとなれば、ファンがさらにファンを連れてきてくれて大きくなっていくことでチームにも最終的にメリットがあるっていうことが、うまくストーリーとして描けるようになるんじゃないかなと、大きな可能性を感じましたね。

ーーということで、前後編に渡ってお送りしたポッドキャストいかがだったでしょうか?スポーツビジネスとトークン、ファンビジネスの相性の良さは、海外でもデジタルトレカやスポーツ選手への報酬、FTXなどの大手取引所がイメージキャラクターに採用するなど、多岐に渡っています。

国内ではまだ黎明期ですが、今後もこの可能性を求めて参入してくるスポーツチーム、テクノロジーカンパニーは増えることが予想されそうです。引き続きフィナンシェ放送局では、トークンを活用したクラブチームの活動を応援して参ります。

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