自動運転セキュリティAutocryptが33億円、偽造品AI画像検知MarqVisionが26億円調達——韓国スタートアップシーン週間振り返り(8月1~5日)

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Image credit: Autocrypt

8月1日~8月5日に公開された韓国スタートアップの調達のうち、調達金額を開示したのは9件で、資金総額は790.5億ウォン(約79.1億円)に達した。

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主なスタートアップ投資

  • 自動運転セキュリティプラットフォーム「Autocrypt(아우토크립트)」が325億ウォン(約33億円)を調達した。累積調達金額は500億ウォン(約50億円)に達した。カナダ、ドイツの子会社に続き、今年末にシンガポール事務所を開所し、グローバル自動車メーカー、モビリティ企業と協力し、積極的な事業拡大に乗り出す計画だ。
  • 偽造品モニタリングソリューション企業 Marq Vision(마크비전)が260億ウォン(約26億円)を調達した。グローバル e コマース、ソーシャルメディア、NFT マーケットプレイスなど100ブランドに SaaS サービスを提供している。今回調達した資金で、企業 IP を一箇所で生成・管理・保護・収益化できるワンストップ SaaS 製品を開発する計画だ。
  • STC Lab(에스티씨랩)が90億ウォン(約9億円)を調達した。トラフィック制御ソリューションとユーザモニタリング・分析ソリューションを運営する同社は、資金調達を受け、クラウド中心の IT インフラでトラフィック管理が可能になるよう R&D を強化する予定だ。
  • Binary Bridge(바이너리브릿지)が44億ウォン(約4.4億円)を調達した。 AI 物流自動化・最適化サービス「핑퐁(PingPong)」を開発する同社は、リアルタイム配送から当日配送までの物流サービス提供。今回の調達を受け、物流ソリューションを高度化する計画だ。

トレンド分析

フィンテックの中で注目の分野はどこか?

Startup Recipe스타트업레시피 の投資データによると、今年上半期に最も頭角を示し、成長した分野はフィンテックだ。7月末時点で、今年最も多い金額を調達したのも、フィンテックスタートアップの Viva Republica(비바리퍼블리카)だった。金融 DX(デジタルトランスフォーメーション)の加速に伴い、さまざまなフィンテックモデルが登場している中で、どの分野に投資が集中しているかを見てみた。

最も資金が集まっているのは、金融サービスをより簡単かつ簡単にするデジタル金融サービスだ。簡易送金で始まった「Toss(토스)」を運営する Viva Republica 最近、3,000億ウォン(約300億円)の大型資金調達を実施した。銀行、証券、保険、決済さらに通信分野まで進出し、より使いやすくする金融スーパーアプリへと成長中だ。

AI を組み込み、パーソナライズされた資産管理を支援するロボアドバイザーの分野も注目されている。Qraft Technologies(크래프트테크놀로지)、「Heybit(헤이비트)」を運営する Uprise(업라이즈)、Quarterback(쿼터백)などが代表的だ。一部の資産家にのみ許されてきた資産管理サービスが MZ 世代(ミレニアル+ Z 世代)にも容易にアクセスできるように大衆化され、人気を博した。ロボアドバイザーは今年の投資総額の上昇を牽引した主要分野でもある。税金と保険分野でも DX が進んでいる。個人税の払い戻しを容易にする Jobis & Villains(자비스앤빌런즈)は、ギグワーカーの増加とともに急速に成長し、300億ウォン(約30億円)という大型資金調達に成功した。

投資家の関心が集中した新規分野は、まさにパーツ投資部門だ。未来の成長性によって大きな注目を集める分野だ。音楽著作権を株式のように買えるようにした Musicow(뮤직카우)を筆頭に不動産、美術品共同購入など、さまざまなモデルが登場している。Musicow は今年1.000億ウォン(約100億円)以上を調達し、グローバル進出を正式表明するなど、この分野のリーダーになっている。不動産をパーツ販売する Lucent Block(루센트블록)、芸術品の共同購入プラットフォーム「ART n GUIDE」を運営する Yelomae Company(열매컴퍼니)、Tessa(테사)、現物パーツ投資の Buysell Standards(바이셀스탠다드)などが代表企業だ。

BNPL(Buy Now Pay Later)モデルも新たに登場して関心を集めている。グローバル市場では成長可能性が立証されたたモデルだが、韓国国内ではまだアーリーなスタートアップが多く、その数も少ない方だ。最近は B2B 向けの BNPL サービスを出す企業も現れた。経済危機から BNPL 関連スタートアップの評価額が落ちたとはいえ、Apple などグローバルテック企業もこの分野に参入している。

MZ 世代をターゲットにしたり、ユニークなビジネスモデルを打ち出したりして注目されているスタートアップもある。青少年向け金融プラットフォーム「Monee(모니)」を運営する MoneeLab(모니랩)や SNS を組み合わせた投資プラットフォーム「Coffee House(커피하우스)」を運営する Social Investing Lab(소셜인베스팅랩)などだ。不動産フィンテックの Dongnae(동네)は、デポジット負担を最小限に抑える不動産フィンテックモデルを披露し、アーリースタートアップにも関わらず、大型資金調達を成功させた。

韓国国内でこのように多様なフィンテックスタートアップが成長できたのは、政府の積極的な規制緩和の影響もある。貸付業に分類された P2P サービスが制度権に編入され、D-テストベッド(D-테스트베드)、規制サンドボックスなど、新しい金融サービスが生まれるよう環境を整えてくれたのだ。最近では、金融委員会が仮想資産関連業務の規制緩和など、既存の金融会社規制も緩和すると明らかにしており、より多くの新規フィンテックサービスが誕生することが期待される。

【via StartupRecipe】 @startuprecipe2

【原文】

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