送金アプリ「Toss」が250億円シリーズG、農水産貿易Tridgeが50億円シリーズD調達——韓国スタートアップシーン週間振り返り(8月22~26日)

SHARE:
「Toss(토스)」
Image credit: Viva Republica

8月22日~8月26日に公開された韓国スタートアップの調達のうち、調達金額を開示したのは12件で、資金総額は3,795億ウォン(約380億円)に達した。

(クリックして拡大)

主なスタートアップ投資

  • P2P 送金アプリ「Toss(토스)」を運営する Viva Republica(비바리퍼블리카)が2,500億ウォン(約250億円)の追加調達を実施し、5,300億ウォン(約530億円)の調達でシリーズ G ラウンドをクローズした。
  • 農業データスタートアップ Tridge(트릿지)が500億ウォン(約50億円)を調達した。時価総額は3兆6,000億ウォン(約3,600億円)となり、業界初のユニコーンに。 農産物貿易プラットフォームとしてグローバル事業を推進し、調達した資金を使って、製品の高度化や海外法人の拡大などを推進する。
  • 半導体回路検査企業 Gigavis(기가비스)がプレ IPO ラウンドで400億ウォン(約40億円)を調達した。時価総額は3,500億ウォン(約350億円)に達した。
  • ブランドアグリゲーター Wholesum Brands(홀썸브랜드)が200億ウォン(約20億円)をベンチャーデットで調達した。 今回調達した資金で、ブランド買収とコンサルティングを拡大する計画だ。
  • AI 学習データプラットフォーム Selectstar(셀렉트스타)が90億ウォン(約9億円)を追加調達し、シリーズ A ラウンドをクローズした。AI に必要な学習データをクラウドソーシングを通じて収集・加工し、調達した資金を使ってアメリカ現地法人によるグローバルブランド拡張を推進する計画だ。

トレンド分析

投資萎縮? 自動運転スタートアップに投資殺到

モビリティ産業が、移動分野から複雑なサービスなどに拡大、関連スタートアップが増加し、投資会社もモビリティ市場に注目している。モビリティ分野でも最も多く資金が集まっているのは、自動運転技術のスタートアップだ。先月は Hyundai が何度も投資した自動運転スタートアップ 42dot(포티투닷)を4,276億ウォン(約430億円)で買収した。

Startup Recipe のデータよると、8月時点で自動運転スタートアップ18社が調達した資金は4,098億ウォン(約410億円)だ。 2021年の自動運転技術スタートアップを含む全車両・モビリティ分野の合計調達金額が2,876億ウォン(約290億円)だったのと比べると、すでに上半期だけで昨年一年の調達金額を超えた。投資萎縮の雰囲気にも関わらず、自動運転分野では高い成長性にシリーズ A ラウンドで100億ウォン(約10億円)を超える金額を調達した企業も多数出ている。自動運転企業は海外でも技術力を認められ、グローバル VC から資金を調達しており、本社や支社を海外各地においてグローバルパートナーと海外市場を狙うのが特徴だ。

今年最も多くの資金を調達したのは1,076億ウォン(約108億円)を誘致した StradVision(스트라드비젼)だ。世界的主要モビリティ企業が戦略的投資家として参加し、競争力を認められた。ラストマイルデリバリに特化した自動運転ロボットスタートアップにも VC からの投資が続いている。自動運転給仕ロボットを開発する Bear Robotics(베어로보틱스)は、サービスロボット開発会社としては最大となる1,000億ウォン(約100億円)を調達した。StradVision と Bear Robotics は共にアメリカに本社を置き、海外事業の拡大に注力している。

他にも、シミュレーション、LiDAR 分野のスタートアップに加え、海洋、ドローンなどで自動運転技術を搭載したスタートアップなど多様な企業が上半期には調達に成功した。自動運転技術は、未来自動車時代をリードする核心軸であり、国家レベルでも育成を推進しているため、投資家には持続的に関心を向けてもらえると見られる。

【via StartupRecipe】 @startuprecipe2

【原文】

BRIDGE Members

BRIDGEでは会員制度の「Members」を運営しています。登録いただくと会員限定の記事が毎月3本まで読めるほか、Discordの招待リンクをお送りしています。登録は無料で、有料会員の方は会員限定記事が全て読めるようになります(初回登録時1週間無料)。
  • 会員限定記事・毎月3本
  • コミュニティDiscord招待
無料メンバー登録