RFIDで面倒な「棚卸し」の手間を大幅削減、Locus Mappingを提供 #MUGENLABOココに注目

SHARE:

本稿はKDDIが運営するサイト「MUGENLABO Magazine」掲載された記事からの転載。MUGENLABO Magazine編集部がピックアップしたスタートアップとオープンイノベーションに取り組む企業の中からいくつかの注目企業をご紹介する。

KDDI ∞ Laboの月次全体会ではスタートアップが大企業に向けてピッチを実施しています。登壇した一社、RFルーカスはRFIDを活用した位置特定技術の研究開発を行うスタートアップです。提供しているサービス「Locus Mapping」は、RFID(ICタグ)でモノの位置を可視化する新たな在庫・物品管理知システムです。商品にRFIDを貼り付け、専用の端末で一気に大量読み取りすることで棚卸・入出荷検品の作業時間を最大80%削減できるそうです。

本稿ではRFルーカス代表取締役社長の浅野友行氏に創業のきっかけやRFIDの可能性についてお聞きしました。

何をしている会社ですか?

浅野:透明な社会の実現をミッションとして、実世界の情報化に取り組んでいます。具体的には、商品、在庫、固定資産、備品など、デジタル化が進まずアナログな管理がされているモノに対して、RFID x テクノロジーで情報を可視化するスタートアップです。

RFIDタグ(ICタグ)は一枚10円以下に価格が下がったことから、ユニクロなどアパレルを中心に急速に普及し、その他産業にも広まり始めています。バーコードと違い、5m程の距離から数百個でも一瞬で読み取ることができ、ダンボール箱を開けずに中を読み取れますので、棚卸・入出荷検品などの作業を概ね80%削減できます。

読み取ったRFIDタグの位置を特定することは難しかったのですが、当社の電波位相解析という特許技術が正確な位置特定を実現しました。これによって、RFIDを活用してロケーション管理まで可能になりました。この技術を活用して、「Locus Mapping」というモノの位置をデジタルマップに可視化できる、RFIDの在庫・物品管理システムなどを提供しています。

正確な位置特定を実現する「Locus Mapping」

なぜ会社を立ち上げたのですか?

浅野:モノの情報が不十分なために、小売・製造・物流の現場で様々な非効率や機会損失が発生し、人手不足や低い生産性など深刻な社会課題につながっています。例えば、在庫情報が不確かだと販売機会の損失や過剰在庫になりますし、アナログな管理は作業の負担になります。また、所在がわからず物探しに多大な時間を費やし、サプライチェーンや生産・作業工程の情報はブラックボックスです。

創業者であり、会長兼CTOの上谷は、2015年に当社を創業する前からRFIDのエンジニアとして技術に長年携わっており、東日本大震災で効率的に配給されない救援物資や、復旧の現場でメンテナンスパーツが見つからないなどの混乱を見て、テクノロジーの力で社会課題を解決すべく創業しました。

これからの目標はありますか?

浅野:ミッションに掲げている透明な社会を実現するためには、必ずしもRFIDだけが万能な技術とは限りません。位置特定技術に加えて、RFIDと他テクノロジーを組み合わせるアプローチも当社の特長です。例えば、RFIDリーダー・アンテナを自動搬送ロボットやフォークリフトに搭載して、倉庫を巡回しながら自動で在庫管理することで、広い倉庫でもハンディリーダーを持って歩き回る手間をなくすことができます。また、他の取り組みでは、ヒトの位置情報はビーコンを活用した事例もあります。

今後はRFIDとテクノロジーと組み合わせることで、作業者やフォークリフトの動線など取得できるデータの幅を広げ、RFIDで取得した在庫情報と合わせて分析し庫内レイアウトを最適化するなど、より付加価値の高いサービスを目指します。

最後に一言お願いします

浅野:実世界の情報化を進化させる上で、RFIDや自社だけでは限界がありますので、共創パートナーとの協業は重要と考えています。パートナーの皆様と一緒に、現場の効率化や生産性向上に取り組んで参ります。

BRIDGE Members

BRIDGEでは会員制度の「Members」を運営しています。登録いただくと会員限定の記事が毎月3本まで読めるほか、Discordの招待リンクをお送りしています。登録は無料で、有料会員の方は会員限定記事が全て読めるようになります(初回登録時1週間無料)。
  • 会員限定記事・毎月3本
  • コミュニティDiscord招待
無料メンバー登録