創業者・雷軍氏の野心が原動力か——後発ながらもEV競争に参戦、Xiaomi(小米)が見出す世界的商機

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Image credit: news.mydrivers.com(快科技)

Xiaomi(小米)もまた活況の中国の EV 市場に繰り出そうとしている。世界3位のスマートフォンメーカーである同社は、2024年に業界リーダーになることを目標にモバイルエコシステムを拡大する自社ブランドのスマートEVを構築する。数年前、共通する技術や部品が多いなどの理由から、スマホメーカーがドローンメーカーに転身する例は見られたが、それが  EV へと波及してきた形だ。

Xiaomi は自動運転技術(ドライバーレス)を搭載した EV の量産を目指している。基幹技術となる自動運転向けデジタルマッピング技術を持つ Deepmotion(深動科技)を2021年8月に買収。EV プロジェクトを発足させ500人規模の自動運転チームを設立し、さらに33億人民元(約675億円)を投資する予定だ。最近では国有自動車メーカー BAIC Motor(北京汽車)の幹部を迎え入れた。

さらに自社開発だけなく、EV サプライチェーンへの投資活動も行っている。最近では高電圧バッテリシステムを開発する Chilye(智緑)に約1億人民元(約18億円)の投資を実施した。Chilye の強みは、高電圧車載バッテリシステムによるエネルギー密度(単位体積あたりの蓄電量)の向上と急速充電技術だ。これらの技術によって航続距離が伸び、オーナーは充電時のストレスを軽減できる。

Xiaomi が正式に EV  市場参入を発表したのは今年に入ってからのことだが、EV に関わり始めたのはこれが初めてではない。中国 EV メーカー3位(以前は2位だった)の Xpeng Motors(小鵬汽車)が2020年に実施したシリーズ Cラウンド(4億米ドル)には、Xiaomi が出資者として参加していたからだ。Chilye の高電圧車載バッテリシステムや急速充電技術は Xpeng も採用する見通しだ。

出資したサプライヤーが、出資先の潜在的競合にも部品や技術を提供するという、ある種の「ねじれ現象」が起きているのだが、この現象を理解するには、中国の Steve Jobs の異名を持つ Xiaomi 創業者Lei Jun(雷軍)氏の行動を見るとわかりやすい。Lei 氏が、Xpeng、Nio(蔚来)、BYD(比亜迪)、Leading Ideal(理想汽車)らとEV メーカー連盟を発足するとの話も出たほどだ。

この連盟の目指すところは、これまで日米欧が主導してきたガソリン車のエコシステムとは対照的に、オール中国体制で世界の EV 市場を席巻しようとする Xiaomi、というより Lei Jun 氏の野心の表れと言ってもいいだろう。無論、中国政府の後押しがあることも否定できない。日本の自動車産業界で100年前に起きていたことが、今、中国の EV 界で起きているわけだ。

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