理系人材DB「LabBase」が研究エンパワーメント基盤にリブランド、JIC-VGIや研究者らから5.9億円を調達

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Image credit: LabBase

理系人材データベース「LabBase(ラボベース)」などを運営する POL(ポル)は、社名を LabBase に改称したことを明らかにした。LabBase を「研究エンパワーメントプッラットフォーム」と位置付け、理系人材の就職、転職以外にも、インターン、パートナーマッチング、研究室サーチなどを通じ、これまでのヒトだけでなく、モノ、情報、カネといった、研究エコシステムに関わるさまざまな課題を包括的に解決支援できる体制を目指す。結果的に、LabBase が関与するステイクホルダーも裾野が広がりそうだ。

なお、LabBasse は、シリーズ B ラウンドで約5.9億円を資金調達したことも明らかにした。これは同社にとって、2019年9月に実施したシリーズ A ラウンドに続くものだ。今回の調達に参加したのは、産業革新投資機構傘下の JIC ベンチャー・グロース・インベストメンツ(JIC-VGI)、久能祐子氏(元 内閣府 総合科学技術・イノベーション会議 アドバイザー)、高橋祥子氏(ジーンクエスト代表取締役)ほか、複数の研究者など。投資家のみならず、ユーザが株主になるエコシステム型のファイナンスはユニークだ。

JIC-VGI が出資参加しているのは、日本の研究系人材の創出や産業エコシステムの底上げに、政府も間接的ながら支援したいということだろうが、バイオ系、ライフサイエンス系、エンジニアリング系など、多分野の理系研究者から出資を受けたのは、そうした人々からの意見を取り込みながら、エコシステムの醸成に深くコミットしていくという LabBase の意気込みの表れだ。研究者は、立場は変われど生涯にわたって研究者であり続けることが多く、彼らの一生を通して支援できる存在を目指す、とも言い換えられる。

Image credit: LabBase

LabBase は2016年9月、東京大学理科二類の学生だった加茂倫明氏らが設立。加茂氏は LabBase を設立する前、エス・エム・エス創業者の諸藤周平氏率いる、シンガポールの REAPRA グループ傘下の HealthBank で、オンラインダイエットサービス「BIVIE」の立ち上げに携わったシリアルアントレプレナーだ。また、LabBase の創業には、元ガリバーインターナショナル(現在の IDOM)常務取締役で、エンジェル投資家の吉田行宏氏が共同創業者として参画している。

LabBase は2017年に理系人材データベースをローンチ。サービス開始からのべ5万名以上の学生が利用しており、理系大学院生の約4割が LabBase に登録しているという。さまざまな統計があるのだが、政府機関やシンクタンクが出している数値によれば、日本の研究者人口は60万〜90万人で、全労働者人口の1%ほどだ。ただ、前述したように、生涯を通じて研究者は業界を〝回遊〟することを考慮し、ヒト以外のサービスも提供することができれば、LabBase の TAM(獲得可能な最大市場規模)は大きいものとなる。

事業を多角化していく上で、チームも大きくしていく必要がある。LabBase の社員数はもうすぐ100名。3桁の大台に乗ってくると、経営サイドとしては、全社員との意思疎通の仕組みを、今までよりもステップアップして考える必要が生じる。LabBase が今回のリブランドとあわせ、パーパスを「研究の力を、人類の力に。」を定めたのには、ユーザやエコシステムへのメッセージはもとより、社員に対して LabBase の向かう方向を明確に示したいという、加茂氏らの思いがあったようだ。

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