中国でCM出演やイメキャラ活躍、バーチャルヒューマン「AYAYI」は日本生まれ

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Image credit:Ranmai Technology

ピックアップ:虚拟人AYAYI背后运营商燃麦科技获数千万元Pre-A轮融资,投资方为SIG

ニュースサマリ:リアルなバーチャルヒューマンンおよびデジタルアセット管理を手がける Shanghai Ranmai Network Technology(燃麦科技)は今年1月、プレシリーズ A ラウンドで SIG Asia Investments(海納亜洲創投)から数億円に上る調達を実施している。

話題のポイント:日本にいると映画の中以外でバーチャルヒューマンを見る機会は多くありません。どちらかというと ANYCOLOR のにじさんじやカバーのホロライブなど、Vtuber が芸能人同様にタレントとしての実力を発揮することで活躍するバーチャルタレントの方が馴染みがあるかと思います。

それに対して中国ではバーチャルヒューマンがイメージキャラクターや CM 出演など広告塔として活躍する事例が増えています。ここでは代表的な事例を紹介します。

2021年5月、Ranmai Technology は中国初の超フォトリアルなバーチャルヒューマン「AYAYI」を中国版 Instagram「RED(小紅書)」でデビューさせました。初回投稿ですでに4万人のフォロワー3000万回の閲覧を達成。中国版Twitter の Weibo(微博)で話題になり、現在のWeiboでのフォロワー数は62.7万人です。

タレントが築き上げたイメージを利用して企業イメージに見せかけるこれまでの多くの広告と違い、消費者行動にもエリート思考が反映される現在の中国ではいかにして広告を通じて「憧れ」を抱かせられるかが重要になっています。少々表現は陳腐になりますが、イケてる人が使うもの、という打ち出し方が強く刺さるのです。そのような背景があるため、AYAYI が初日にして多くのフォロワーを付けたことは大きな宣伝効果を生みました。

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AYAYI は同年10月、Alibaba Group(阿里巴巴集団)に就職したことを発表しました。同社が運営するECモール「Tmall(天猫)」イベントのナビゲーターに就任し、メタバースにおけるマーケティングに挑戦しています。さらに化粧品ブランド Guerlain、音楽レーベル「Modern Sky(摩登天空)」とのタイアップに加えて、今年8月には北京で行われた PRADA のファッションショーにも参加しており、益々活躍の場を広げています。

Image credit:Aww

実は中国で活躍する AYAYI の開発を手掛けたのは日本のスタートアップ「Aww」です。Aww は日本初のバーチャルヒューマンカンパニーとして、会社設立前に先立って開発されたバーチャルヒューマン「imma」の公開をきっかけに、2020年9月にCoral Capitalからシードファイナンスを実施しています。

imma も AYAYI 同様、東京パラリンピック閉会式登場レノボ PC「YOGA」のブランドアンバサダーと国内の活躍に留まらず、タイの携帯通信業者 True Corporation のブランドアンバサダー中国家電メーカー Midea Group(美的集団)のポータブル冷風扇「Carry Cool」のキャンペーンキャラクターを務めるなど海外でも活躍しているバーチャルヒューマンです。

このバーチャルヒューマンは、Aww が所有するテクノロジー「MASTER MODEL」によって生み出されるわけですが、これらの根幹を支える3Dスキャンにも技術革新の動きが各国で高まっているようです。次回は、そんな3Dスキャンで面白い取り組みをするスタートアップを紹介いたします。

via Sohu(捜狐/猪雲網)

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