長い待ち時間に高いガス代「面白くない」状況を変える:スクウェア・エニックス、ブロックチェーンゲームOasysのバリデーターに(3)

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Oasysでディレクターを務める森山大器氏

(前回からのつづき)Oasysは、ブロックチェーンゲームを「詐欺(スキャム)だらけ」と見なすゲーマーや開発者の懸念に対処している。ブロックチェーンゲームの成功は単独では不可能だ。むしろその限界を認識し、従来のゲームブランドが提供できる価値と専門知識を取り入れる必要がある。従来のゲーム開発者やゲーム会社からの賛同が増えていることは心強いことだが、これらのトリプルAゲーム開発者から関心を引き付けるほどの信頼と正当性を備えている企業は数少ない。森山氏は本誌GamesBeatへのメールインタビューにて次のように答えている。

「大規模なゲーム会社は従来のゲーマーだけでなく、ブロックチェーンとNFTの最良のユースケースの1つでもあるゲームのユーザーを獲得する価値を認識しています。ゲーム開発者には現在のプロダクトから一旦離れ、テクノロジーを活用してコミュニティを作成するチャンスが与えられることになるでしょう。事実、バンダイナムコとスクウェア・エニックスはどちらも最新情報で、これをビジネスの長期的なビジョンとして強調しています」。

森山氏はまた、現在の状況ではブロックチェーン上のゲームは一般的に面白くないとも語っている。これは主に、現在のブロックチェーンアーキテクチャの制限によるものだ。ブロックチェーンでゲームが「楽しい」または「良い」と判断される方法について考えてみてほしい。ーーゲームのメタバース内でアクションを実行するために高額のガス料金を支払いたい人や、トランザクションが実行されるまで15秒から5分も待ちたい人はいないはずだ。

現在のコンセンサスメカニズムは、分散化、セキュリティ、およびプライバシーに重点を置いているため、速度、パフォーマンス、およびコストが犠牲になる可能性がある。ブロックチェーンを利用したゲームソリューションがゲーム開発者にとって魅力的かつ、プレイヤーの心を掴むことに成功するためには、トランザクション速度を速くし、ユーザーのガス料金が低い、またはゼロである上、高度にスケーラブルである必要があると同社は指摘している。

このためには適切に設計されたユーザーインターフェイスを備え、パフォーマンスが完全に最適化され、マルチバース間で相互運用が可能でなければならない。それがOasysがやろうとしていることなのだ。

「Oasysチームは最近、ソウルで開催された韓国ブロックチェーンウィークに参加し、バリデータパートナーと会い、韓国の優秀なゲーム開発者のために『Game Pitch Day』イベントを開催しました。そこで私たちは新しく革新的なWeb3ゲームと出会っています。バンダイナムコ、Arriba Studio、Double jump.tokyoと並んで、100万以上のOASトークンと20万ドル相当の投資機会が、参加してくれた韓国のWeb3ゲーム開発者に提供されました。彼らはゲームをグローバルに展開するためのサポートを模索しているプレーヤーたちです」。

韓国では「Play to Earn(遊んで稼ぐ)」ゲームは現在禁止されているため、ブロックチェーンゲームのユーザーベースや市場規模はさほど大きくない。しかしそのことによって韓国のゲーム開発者たちは「初日からグローバル」展開を目指すことになったと森山氏は指摘していた。

基本的にブロックチェーンゲームはボーダレスかつリージョンレスになるように設計されている。そしてこのことは、韓国市場が高品質なゲームをグローバル展開できるという利点に加え、Oasysのようなプロジェクトが韓国のゲーム開発者と協力して他の市場に進出する際の摩擦を軽減できることに繋がる。

韓国はゲーム開発者とプレーヤーの両方において大きな市場を持っており、ゲーマーにとっては精神的な拠り所のひとつとして世界的に評価されているため、多くの可能性を秘めていると森山氏は語った。

次:「「稼ぐモデル」への懸念と課題」につづく

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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