ロッテ七星飲料がサプリ開発Bigsomeを買収、高齢者ケアCaringが30億円調達——韓国スタートアップシーン週間振り返り(8月29~9月2日)

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Image credit: Caring(케어링)

8月29日~9月2日に公開された韓国スタートアップの調達のうち、調達金額を開示したのは12件で、資金総額は3,763億ウォン(約376億円)に達した。

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主なスタートアップ投資

  • メタバース SaaS プラットフォーム「oVice(오비스)」が440億ウォン(約44億円)を資金調達した。同社は、日本で設立された仮想業務空間開発会社で、コーディングなしで空間構築が可能。今回の調達により、ハイブリッドソリューションを高度化、アメリカを中心に顧客を拡大する計画だ。
  • シニアテックの Caring(케어링)が300億ウォン(約30億円)を資金調達した。トータルシニアケアプラットフォームに飛躍する。介護産業 DX を目指し、介護サービスだけでなく、健康な老後を送るための住宅、保健、医療、ケアなどを提供する計画だ。
  • 宿泊委託運営の Handys(핸디즈)が120億ウォン(約12億円)を資金調達した。同社は、ワンルーム型宿泊サービス「Urban Stay(어반스테이)」、プレミアムブランド「Le Collective(르컬렉티브)」などを構築しサービスを提供。2024年までに2万件の委託運営契約完了を目指す。
  • ブロックチェーン企業 Fairsquarelab(페어스퀘어랩)が100億ウォン(約10億円)を資金調達した。同社は、Korbit(코빗)Blocko(블로코)と共に韓国デジタル資産カストディ(한국디지털자산수탁)を設立。今回の調達でブロックチェーン分野の新事業を推進する予定だ。

トレンド分析

メンタルケアスタートアップはどのように進化するのか

コロナ禍ではメンタルヘルス管理のためのメンタルケアサービスがより注目され始め、国内でも関連分野が成長している。海外ではユニコーンとなった瞑想アプリ「Calm」をはじめ、Lyra HealthMindstrong といったユニコーンを超え、IPO に成功する企業も出ている。

国内は海外ほど市場は大きくないが、毎年メンタルヘルスへの関心が大きくなり、人々の認識も肯定的になり、関連スタートアップの数が少しずつ増加している。主なメンタルケアサービス、そして彼らはどのような戦略で成長しているのかを見てみた。

メンタルケアスタートアップは主に心理カウンセラーマッチングなどの B2C サービスで始まり、企業役員のための B2B へとサービスを拡張している。これにより、安定した収益構造を作り、さらに医療に基づくメンタルヘルスケアを統合的に管理できるサービスに成長する戦略を広げている。

また、精神疾患に特化したデジタル治療薬(アプリ)開発に参入するなど、段階的に事業を拡大している。近年、多くの企業がメンタルマネジメントを従業員の福祉レベルでアプローチしつつ、メンタルケアスタートアップの需要も増加しており、成長傾向は続いている。

国内で最も多くのユーザを保有した「MindCafe(마인드카페)」を運営する Atommerce(아토머스)もコミュニティで始まり、従業員メンタルヘルス管理プログラム(EAP)を運営するメンタルヘルスケア統合プラットフォーム構築を目指している。Atommerce は今年200億ウォン(約20億円)を調達し累積調達金額は300億ウォン(約30億円)に到達、国内では最も多くの資金を調達したスタートアップだ。

心理相談アプリ「Trost(트로스트)」を運営する Humart Company(휴마트컴퍼니)も一般人を対象に心理相談を始め、最近は9,900ウォン(約990億円)で心理相談チャットなどを無制限に利用できる企業役員対象メンタル購読サービス「Trostcare(트로스트케어)」をローンチした。

専門性に基づいて医師が設立したメンタルケアサービスも登場中だ。ソウル大学の医師と心理学者が設立した Orwell Health(오웰헬스)は、医学と科学ベースの認知行動治療プログラムで心の管理を助ける「Inside(인사이드)」を運営している。

Fortify(포티파이)も精神科専門医が設立したメンタルケアサービスの「Mindling(마인들링)」を運営する。心理学理論に基づくオンラインテストにより、B2B ターゲットソリューションも提供し、企業の顧客を増やしている。

BlueSignum(블루시그넘)は国内を越え、グローバル市場を狙う。同社が提供する、一日の感情を記録するサービス「Harukong(하루콩、英語名:Simplest Journal、 AndroidiOS )」は、全体の80%が海外ユーザだ。

このほか、瞑想に基づいてサービスする Mabo(마보)ToEasy(투이지)、組織を介さず他人と感情を共有する形でメンタルヘルスを守れるようにした Peer(피어)なども初期調達に成功し、ユーザを拡大している。

【via StartupRecipe】 @startuprecipe2

【原文】

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