インバウンド需要復活を見越し、飲食店向け送客・決済サービスのTakeMeが2.6億円調達

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Image credit: TakeMe

インバウンド観光客を対象とした飲食店向けマーケティング支援やグローバルマルチ決済サービスなどを展開する TakeMe は26日、直近のラウンドで2.6億円を調達していたことを発表した。調達時期は今年3月。このラウンドに参加したのは、台湾を拠点とする New Economy Ventures(新経済資本)と個人投資家複数。ラウンドステージは不明だが、公開されている情報によれば、同社が2018年7月に実施した10.1億円の調達(農林中央金庫がリード、シリーズ A ラウンド相当と推定)に続くものだ。

New Economy Ventures はこれまでに、台湾の仮想通貨インフラプラットフォーム「CYBAVO」(2022年、アメリカのフィンテックユニコーンの Circle が買収)、エネルギーのインターネット(IoE)サービスを提供する NextDrive、仮想通貨の事業者向け SaaS / PaaS を展開する XREX(阿碼科技)などに投資する新興系 VC だ。東アジアにおける、スタートアップの越境市場進出などを支援している。

TakeMe は2015年12月、中国・北京出身の Dong Lu(董路)氏により設立(創業時の社名は日本美食)。Lu 氏は20歳で日本に留学し、その後、ゴールドマン・サックス証券、スタンフォード MBA、外資系コンサル、ベンチャーキャピタルを経て、2社のベンチャーを立ち上げ、2014年に事業売却した連続起業家だ。TakeMe はこれまでに、西岡郁夫氏、袁小航氏、千葉功太郎氏、島田直樹氏、田中祐介氏、レジェンド・パートナーズ(海老根智仁氏のファンド)など、錚々たる日本の個人投資家からも支援を受けている。

新型コロナウイルス感染拡大以降、日本のインバウンドビジネスの売上はほぼ皆無になったのは言うまでもない。TakeMe もその影響をまともに食らったスタートアップの一つだ。TakeMe はコロナ禍が始まってからの約3年半以上の間、飲食店のデジタルトランフォーメーション (DX)に注力してきた。具体的には、Shopify のように飲食店がテイクアウトやデリバリ専用サイトを簡単に構築できるようにしたり、OTA(オンライン旅行代理店)や飲食店予約サービスらと API 連携できるようにしたりなどだ。

「TakeMe Order」を導入している飲食店ブランド(一部)
Image credit: TakeMe

日本人やインバウンド客が使う、ほとんどの決済手段を飲食店に提供するだけでなく、OTA と飲食店予約サービスの中間に位置する形で、客が望む最適な飲食店へ誘導できることができるのが TakeMe の強みだ。OTA 側は Alibaba(阿里巴巴)のグループの旅行サイト「Fliggy(飛猪)」、香港に拠点を置く旅行・レジャー予約プラットフォーム「Klook(客路)」、飲食店予約側は TakeMe が自己開拓した飲食店に加え、飲食店予約顧客管理システムの TableCheck とも連携している。

7月には、UberEats、menu、Wolt、出前館など、各種フードデリバリサービスの注文を一元管理できる「Camel」と連携を果たし、事実上、飲食店は TakeMe 一本で、地元消費者やインバウンドの送客来店から、フードデリバリのオーダーまで一元管理できるようになった。一部の飲食店では、店頭での注文についてもモバイルオーダーでの注文へ誘導したり、ケータイ電話からの注文には誤りを防ぐために SMS で TakeMe の予約画面を案内したりするなど、注文管理の全てを TakeMe へ寄せるところも現れているそうだ。

岸田総理は先週、10月11日から「訪日外国人観光客の観光での個人旅行の入国のビザ免除する」と発表した。このところの円安も手伝って、インバウンド需要の復活に向けた、観光業や飲食業の期待は大きい。TakeMe では調達した資金を使って、店舗運営効率を高めるオーダー管理システム「TakeMe Order」をエンハンスし、インバウンド需要に対応した「TakeMe Order for Inbound」の開発を急ぐ計画だ。

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