台湾発サイバーセキュリティスタートアップTeamT5、日本市場へ参入——ジャフコ、伊藤忠、マクニカから資金調達

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TeamT5(杜浦数位安全)の創業者 兼 CEO Sung-ting Tsai(蔡松庭)氏
Image credit: TeamT5(杜浦数位安全)

情報セキュリティソリューションのスタートアップである TeamT5(杜浦数位安全)は14日、日本のベンチャーキャピタルであるジャフコグループ(東証:8595)、日本の総合商社である伊藤忠商事(東証:8001)、日本の情報セキュリティソリューションプロバイダのマクニカ(東証:3132)から投資を受けたと発表した。

TeamT5 は今年7月に日本法人も設立しており、アフターサービスの強化に加え、日本市場の拡大・深耕を目指し、エンドポイント検知・対応ソリューションの最適化を進め、マルウェア対策力を高めていく。

脅威のインテリジェンスレポートを提供する「TeamT5 ThreatVision」
Image credit: TeamT5(杜浦数位安全)

TeamT5は、ハッカー攻撃の分析レポートというインテリジェンス・サービスからスタートした。 しかし、2017年に TeamT5 を設立した当時、台湾企業は総じてインテリジェンスを意識しておらず、日本企業は受容的だった。TeamT5 によると、ハッカーは主に中国に集中しているため、台湾をマルウェアや APT(ターゲット型攻撃)のテストターゲットと見なすことが多いそうだ。

筆者注:APT(ターゲット型攻撃)とは、特定の組織に対するサイバー攻撃で、競合会社から企業秘密を盗むなど、1日から数カ月かけて行われることが多い。

TeamT5のエンドポイント検知・リアルタイムレスポンス(EDR)ソリューションは、アメリカ、日本、台湾の大企業のランサムウェア対策を支援し、ビジネス資産や機密文書を効果的に保護するために設計されている。

  • ThreatVision:リアルタイムアラート、悪意のある侵入指標、公開情報分析、ハッカーコミュニティの調査などを一定間隔で提供する脅威情報レポートプラットフォームだ。
  • ThreatSonar:APT ランサムウェアが仕込まれているかどうかを特定するための企業向けコンピュータのヘルスチェックサービス。
  • ThreatSonar Anti-Ransomware:ランサムウェアおよびAPT攻撃対策ソリューションで、潜在的なリスクと解決策をリアルタイムに通知する。
ハッキング攻撃を防止するためのソフトウェア「ThreatSonar Anti-Ransomware」
Image credit: TeamT5(杜浦数位安全)

今回のステイクホルダーのコメントは次の通り。

技術の発展により情報セキュリティの今後の急成長の可能性が浮き彫りになったとし、TeamT5 の技術力と研究開発力を楽観視している。(ジャフコ)

TeamT5 と協業できることを嬉しく思うと同時に、今回の提携により、より多くの企業や官公庁に TeamT5 ブランドを広めていきたい。(伊藤忠商事とマクニカ)

大手銀行や政府機関にサービスを拡大し、他の業界や分野にも積極的に進出していく。(TeamT5 の創業者 CEO のSung-ting Tsai=蔡松庭氏)

【via Meet Global by Business Next(数位時代) 】 @meet_startup

【原文】

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