宿泊・旅行業DXのaipass、プレシリーズA最終で2億円を調達——ラウンド全体の調達額は5.1億円に

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aipass のコアメンバー
Image credit: aipass

スマートフォンを使ったチェックインをはじめ、宿泊・旅行業向けの DX(デジタルトランスフォーメーション)ソリューションを提供する aipass(旧称 CUICIN)は26日、プレシリーズ A ラウンドのファイナルクローズで、Coral Capital と栖峰投資ワークスから2億円を調達したと発表した。今回のファイナルクローズを受けて、プレシリーズ A ラウンド全体は5.1億円の調達でクローズしたことを同社は明らかにしている。創業以来の累積調達額は推定5.5億円。

aipass は2020年2月のシードラウンド(DG ベンチャーズ とインキュベイトファンドから、調達額は推定4,000万円)に引き続き、2021年1月のプレシリーズ A ラウンド 1st クローズで6,000万円(サイバーエージェント・キャピタルらから)、2021年12月に同ラウンド 2nd クローズ(調達額非開示、山口キャピタルから)、2022年4月の同ラウンドのエクステンション(サイバーエージェント・キャピタル、DG インキュベーション、グリーベンチャーズ、SMBC VC らから)で2.5億円を調達している。

aipass は2019年11月の創業。宿泊施設ではオペレーションの効率化が課題だが、その足かせの一つとなっているのが利用されているシステムの多さだ。このシステムの多さが宿泊業界の非効率、コスト高、レガシーさを招いていると考えた aipass は、宿泊施設の一連のオペレーションを単一 SaaS で一気通貫に処理できる仕組みを目指す。

ホテル向け aipass
Image credit: aipass

創業からまもなく3年を迎えるのを目前に、aipass がターゲットとするのは、以前より広範な領域となっている。元々は宿泊施設の DX にフォーカスしたものだったが、最近ではアクティビティやエンターテイメント事業を営む施設からの問い合わせも増え、宿泊客の有効度・効率度・満足度、施設従業員の業務・集客・接客の効率向上に向けた包括的なソリューションも提供するまでに成長した。

aipass を PMF(プロダクトマーケットフィット)成功に導いた理由の一つとして考えられるのが、プラグイン機能だろう。システム全体をいきなり丸ごと SaaS へのリプレイスを求めるのではなく、必要に応じて、宿泊施設などの既存のシステムと連携させながら、アラカルト料理のように必要な機能を追加できるというものだ。ホテル管理システム(PMS)やサイトコントローラ連携をはじめ、現在20の機能を提供しているほか、最近では、入退室を制御するスマートキーや料金精算のキオスクマシンとの連携もできる。

コロナの感染拡大が沈静化する中、旅行需要の急激な回復や業界を離職する人の増加により、この業界は深刻な人材難に悩まされつつある。沖縄の観光業の実情が報じられることが多いが、遅番、この流れは全国に波及するだろう。円安という一過性の要因に左右されずにインバウンド需要を掘り起こすのが中長期的な国の施策なら、業界全体に DX を浸透させるのは必須条件となる。aipass を採用する施設では、すでに20%程度が事前チェックインしているケースもあり、客の側の DX 対応は着々と進んできているようだ。

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