
(前回からのつづき)2018年にノルウェーで設立され、現在サンフランシスコに本社を置くSafetyWingは旅行医療に焦点を当てたインシュアテックスタートアップだ。共同創設者でCEOのSondre Rasch氏は同社とフリーランスデザイナー向けのプラットフォームSuperSideの2社でそれぞれY Combinatorのアクセラレーションプログラムに参加したシリアルアントレプレナーとして知られる。
同社はNomad InsuranceとRemote Healthの2つのサービスを提供している。Nomad Insuranceは様々な国で働くノマドワーカーに対して旅行医療保険を提供する。月額42ドルから加入可能で、東京海上ホールディングス傘下のHCC Insurance Holdingsと提携している。一方のRemote Healthは世界各国に従業員を抱える企業向けの健康保険サービスだ。正社員や契約社員など雇用形態別にプランを編成することができる。
同社は新型コロナが追い風となった珍しいトラベル系スタートアップだろう。ノマドというワークスタイルが認知され始めた2010年前後から、各国で健康保険に入る手間と費用という課題を解決するため、同社のサービスは始まった。新型コロナによるパンデミックでリモートワークが増加し、企業は必ずしもオフィスに通える人を採用しなければならないという制約がなくなったことで、グローバルチーム編成へ舵が取りやすい状況になったとも言える。
TechCrunchの取材にSondre Rasch氏が答えた内容によると、パンデミック以前も健康保険などの社会的セーフティーネットは自国でしか利用することができず、これを解決するために煩雑な手間が必要であるため、何百万人もの人々が保険に加入していない状況だったそうだ。新型コロナ後の働き方がパンデミックを経験したことで洗練され、このままオンラインとオフラインをミックスした形へとシフトしていくとすると、同じ課題を抱える人が増えることが予想される。
同社はこれらの需要に対応するべく、今年の4月21日にKinnevikが主導したシリーズ Bで3500万ドルの資金調達を完了。Creandum、byFounders、Mundi Venturesが参加した。さらにRemote Healthのアップデートプランと世界中のどこからでも医師に相談できるRemote Doctorという新しいサービスを近日公開予定だ。
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