出張・旅行の管理は全てこれ一枚「TripActions」がコロナ禍を生き抜けたワケ/旅行体験を革新するスタートアップ(1)

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Image credit:TripActions

新型コロナウイルス感染症の影響で大打撃を受けていた旅行業界が復活の兆しを見せている。日本では観光庁が10月11日から長く実施されていた水際対策を撤廃し、外国人の個人旅行を解禁。感染防止対策を徹底することを呼びかけながらも、徐々に人の移動が活発になることが予想されている。

欧米諸国では4月イースターホリデーをきっかけに急増。世界中でビジネス・観光を目的にした旅行熱が高まる中、パンデミックで苦境に立たされながらも耐え凌いできたトラベル系のスタートアップが再注目されている。今回は、そんなトラベル系スタートアップの中から、パンデミックを乗り越えた3社のスタートアップを紹介する。

出張・旅行の管理は全てこれ一枚で、オールインワンTripActionsが凄いワケ

シリコンバレーに拠点を置く2015年創業のTripActionsは出張、法人カード、経費管理をオールインワンで提供するスタートアップで、2020年から始まったパンデミックの影響を受けた一社だ。Crunchbaseによると、パンデミックまでに約5億ドルの調達を完了して毎年500%の順調な成長を見せていたが、一時収益が完全になくなり、従業員を300人解雇するまで追い込まれていたそうだ。

しかし、2020年6月に1億2500万ドルをデットで調達し、従業員の品物購入の支払い、出張に関する経費処理プラットフォームをローンチした。巣ごもり需要の一つだった自宅で発生した会社経費を簡単に処理できることから多くの支持を得て、窮地を脱している。

TripActionsは企業と従業員の両方がストレスなく出張を行える機能を提供している。最適価格でフライト、ホテル、レンタカーの予約ができ、旅行全体を計画することも可能だ。新型コロナによって各国の入出国に必要な手続きに煩雑さが増す中、目的地の国で新型コロナの検査を手配できるなど激しい変化に柔軟に対応している。

また、従業員向けに旅行用のクレジットカードを提供している。月末になると領収書の山に追われることが常である会社員にとってこれだけでも十分魅力的と言える。Fintech Financeによると、経費精算申請を含む報告時間を最大66%削減し、予約や調査の調整時間を最大95%削減するという。さらに従業員はこれらサービスを私的に利用して旅行することも可能だ。

同社は10月12日、出張が回復してTripActionsを通した予約数が急増していること、これに比例して経費処理プラットフォームでの扱い金額が前年四半期と比較して7.5倍以上の成長を見せていることを理由に、シリーズGでの3億ドルの資金調達を実施した。評価額は92億ドル、2020年初めのパンデミック以前の2倍以上の評価額を記録した。結果としてパンデミックの影響が一番大きくなるときにリスクを取ってサービスローンチしたことが英断となったというわけだ。

次につづく:コロナが追い風、旅行医療のSafetyWingとは(2)

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