AI誤り検知のCitadel AI、画像AIの弱点を自動耐性テストする「Citadel Lens画像版」をローンチ

SHARE:
Citadel Lens 画像版を使い、環境変化に即して補正加工した、さまざまな画像データに対する自動耐性テスト
Image credit: Citadel AI

AI の品質保守自動化ツールを開発する Citadel AI は13日、今年3月にβローンチした AI 自動耐性テストツール「Citadel Lens」の画像版をローンチした。これまでの数値や文字データに基づいて推論する AI に加え、画像診断、不良品検査・安全管理、事故査定など、画像データを活用した AI の AI 自動耐性テストが可能になるという。Citadel AI では、AI 導入前の開発段階における PoC の加速に寄与できるとしている。

Citadel AI は、企業向けに AI の自動耐性テストツール Citadel Lens、AI を自動モニタリングするツール「Citadel Rader」を開発・提供している。Citadel Lens は、開発時の AI に潜む、人手作業では検出が難しいバイアスや精度のばらつき、アタック体制などの AI の弱点を自動テストし、ユーザが安心して運用ステージに移行できる環境を提供する。一方、Citadel Rader は、AI が実環境に晒され精度や品質が劣化してゆく中で、AI の入出力の異常を自動検知・ブロックし可視化する。

画像認識 AI は製造工程や安全管理で多用されるようになっているが、例えば明るい実験環境で撮影した映像では、不良品を正確に検出できたとしても、照明環境の異なる工場の現場環境では見逃してしまったり、製造ラインの配置換えに伴って、カメラと被写体の距離や角度が変わった場合、AI が正常に機能しなくなるリスクが発生する。

Citadel Lens 画像版では、カメラの性能、外部環境、被写体との位置関係など、環境変化に即した補正加工画像(オーグメンテッド・データ)を元データから自動生成、顧客 AIの「ノイズ耐性テスト」を即座に実行することが可能だ。製造業における不良品検査、保険業における事故査定、医療における画像診断など、さまざまな画像認識 AI の検証作業時間が大幅に削減できるという。

Citadel AI は2020年12月、三菱商事傘下のロイヤリティマーケティング(Ponta 運営)社長、北米三菱商事会社 SVP、米食肉加工大手 Indiana Packers Corporation CEO などを務めた小林裕宜氏(現 CEO)と、Google の AI 中枢研究開発機関 Google Brain のプロダクトマネージャーとして TensorFlow や AutoML などの開発をリードしてきた Kenny Song 氏(現 CTO)により共同創業した。

Citadel AI は昨年10月、シードラウンドで東大協創プラットフォーム開発(東大 IPC)と ANRI から1億円を調達した。今年4月には、サントリーホールディングス傘下のシステムインテグレータであるサントリーシステムテクノロジーと資本提携した

BRIDGE Members

BRIDGEでは会員制度の「Members」を運営しています。登録いただくと会員限定の記事が毎月3本まで読めるほか、Discordの招待リンクをお送りしています。登録は無料で、有料会員の方は会員限定記事が全て読めるようになります(初回登録時1週間無料)。
  • 会員限定記事・毎月3本
  • コミュニティDiscord招待
無料メンバー登録