今度は「既存ホテル」をNOT A HOTEL化ーー沖縄「UMITO」シリーズから開始、全国展開へ

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UMITO PLAGE The Atta Okinawa

ニュースサマリ:宮崎県・青島のお披露目から4日、今度は全国展開だ。ホテルブランドの開発・運営を手がけるNOT A HOTELは10月7日、新事業形態となる「PARTNER HOTELS」を公表した。NOT A HOTELのビジネスモデルやテクノロジーを採用したホテルと連携するもので、提携先の既存ホテルがNOT A HOTELと同様に相互利用可能になる。

第一弾となるプロジェクトは高級ホテルブランド「UMITO」シリーズの「UMITO PLAGE The Atta Okinawa」。購入の申込みは今日から開始され、価格は税込2,580万円から6,980万円。他のNOT A HOTEL同様に信託受益権での販売となり、12カ月単位のシェア購入も可能。ホテル貸し出しによる収益化や他のNOT A HOTELとの相互利用もできる。今回の物件は既存のものを販売するが、今後の提携企業については新築の物件も展開する予定。予定地は熱海や鎌倉などが候補に挙がっている。今後、同社ではパートナー事業を通じてNOT A HOTELを全国展開するとしている。

話題のポイント:NOT A HOTELのモデルを話題にすると大抵、言われるのが「金持ち案件じゃん」「天井決まってる」「リゾートトラストでしょ?」というものでした。私自身、一番最初にこの話を聞いた時、物件の新しいサブリースモデルかな〜ぐらいに思っていたのですが、全然違いました。奥が深い。現地レポートで特に心に残ったのが濵渦伸次さんの次のコメントです。

濱渦:僕らって富裕層向けビジネスじゃないんですよ。僕ら「すべての人にNOT A HOTELを」というミッションを掲げていて、今回、見ていただいたMasterPieceって7億2,000万するんです。まずはそれを12分割にして5,900万にしたら別荘を持てるという「別荘の民主化」をやったんです。そしてさらに150万円のNFTは47年間泊まれるので、1泊にすれば大体3万円ぐらいになるじゃないですか。宿泊できる場所もランダムだし日付もランダムだけど、あの場所に3万円で泊まれる可能性があるわけですよね。(僕らは別荘を民主化するーーNOT A HOTELの地域貢献インパクトと「NFT会員証」の手応え(3)

彼らは高級と思われる資産性のある「モノ」をまず複数人かつ時間軸を使って分割しました。365日の共同所有です。ここまでは既存のモデルでもあるんですが、ここに生まれる「空いた空白の利用」をNFT使ってマッチングしようとしているんですね。これは別に最初から思いついていたわけではなく、流れの中で掴んできたアイデアだと思うのですが、創業からたった2年半でそこまでマジで実装しているのがすごいなと。NFTですよ。不動産(※実際はホテルの宿泊権利)をブロックチェーンに刻むんですよ。

普通に考えてその経営判断できるの本当にすごいなと思ってます。この辺りはじゃあ高級車だったら、クルーザーだったら、はたまたキャンプ場だったら・・・という○○版NOT A HOTELが出てきそうなので週末のコラムにでも書いてみます。

NOT A HOTEL FUKUOKA(仮称)

さておき。今日の本題は全国展開です。そもそもこのモデルを発表した時から濱渦さんたちのところには山盛りの問い合わせが届いているという話を聞いていました。実際、パートナー形式については予想通りというか、既存物件をNOT A HOTEL化するアイデアは昨年末の福岡の物件で公表済みです。

ーー次の物件は福岡の集合住宅パターンがありますよね。那須と宮崎が終わって、次は福岡ですか

濱渦:そうですね、あれはフランチャイズのモデルで、僕らは土地を仕入れて建築家の方に建ててもらって運営するのですが、フランチャイズはその仕組みを一式提供するという形になります。地主やデベロッパーの方と組みながら事業を大きくしていく。利益や出資のお金で土地を買い続けると成長しないし、そろそろ怒られると思うんですよ。馬とか買ったら(笑。そこは地主さんと組んで進めていくという感じですね(月額数万円のNOT A HOTELも準備中ーー濱渦氏が語った「次の一手」【Tokyo Meetup 公開インタビュー】

今回、何が違ってインパクトがあるかというと「既存物件」なんですね。もうあるんです。ホテル自体が。だから青島や那須と違ってもう買えるわけです。すぐにNOT A HOTELを利用できる。一方、いろいろ細かい点で疑問も出てきます。特にオペレーションです。既存のホテルってチェックインカウンターあるけど、NOT A HOTELってアプリチェックインじゃなかったけ?とか。

今回販売されるUMITO

で、聞いてみました。まず、チェックインについては既存ホテルについては通常のチェックインカウンターを使うそうです。清掃などの運営も提携先のホテルが実施します。ホテルと別荘利用の切り替えで気になる私物の管理については、既存物件の場合、ない場合があるそうです。今後の新築物件については提携先の判断になるためすべて未定。この辺りの運用もパートナー毎に少しずつ変わっていくのかもしれません。

気になるビジネスモデルですが、初期の販売における売上のレベニューシェアとシステムの利用料ということで、NOT A HOTELとしては提携先が増えれば増えるほど、ストックが積み上がる理想的な内容になっているということでした。

もちろんNFT会員証も使えます。会員権を持っている人は今後、1年に一回、47年間にわたってどこかのNOT A HOTELが利用できるわけですが、このパートナー物件も当然、その対象に含まれるわけです。

訂正:記事初出時にNFT会員証に含まれると記述しましたがこのパートナーホテルは含まれないそうです。訂正してお詫びいたします。

権利を持っている人が使いたければその日を利用すればいいし、都合が悪ければOpenSeaなどのマーケットプレイスで他人に譲ることもできます。運営側はホテル利用として空いた日程をこの会員権保有者に割り当てれば空室率が緩和されます。NFTコミュニティの力でマッチングさせるアイデアです。

引き続きこの破壊力のあるスタートアップの話題をお伝えしていきたいと思います。

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