犬や猫の健康を見守る活動量計測デバイス開発PetVoice、フューチャーVCやT&Dらから1.5億円をプレシリーズA調達

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Image credit: PetVoice

犬や猫に特化した活量量計測デバイス「PetVoice」を開発する PetVoice は12日、プレシリーズ A ラウンドで1.5億円を調達したと発表した。このラウンドは、フューチャーベンチャーキャピタル(東証:8462)と T&D Innovation Fund(T&D ホールディングス=東証:8795 と Spiral Capital のオープンイノベーション特化子会社 Spiral Innovation Partners が運営)が共同リードし、セゾン・ベンチャーズと SMBC ベンチャーキャピタルが参加した。

PetVoice はウエアラブルデバイス「PetVoice CORE」と据え置き型「PetVoice HOME」の2つで構成され、システムは BLE(BlueTooth)で接続されており、CORE で取得されたデータは HOME から WiFi 経由でクラウド上にアップロードされる。クラウドに上がったデータは、飼い主やかかりつけ獣医がダッシュボードで確認することができる。HOME は CORE の充電の機能を持っているほか、室温や湿度のモニタ、エアコンのリモコン制御もでき、留守中のペットのために遠隔操作も可能だ。

PetVoice で特徴的なのは、首回りにつけたデバイスから直腸温度を恒常的に推定・記録できる機能だ。動物の健康状態を見るには直腸温度を測るとわかりやすいが、肛門に温度計を刺す必要があり、獣医でない限り、このオペレーションは難しい。PetVoice では、首回りの体温や室温から直腸温度を高い精度で推定する技術を開発、特許を取得した。犬の猫の活動を具(つぶさ)に計測でき、獣医の診断に役立てられるため、例えば、皮膚病に侵された老犬のステロイド投与量を減らす、といったことも実現可能だ。

PetVoice は昨年「マクアケ」でクラウドファンディングに登場、サブスクや D2C での販売などを行なったきたが、これまでに既に全国の動物病院300院と連携しており、KOL (Key Opinion Leader の意)としての情報拡散力・影響力を持った獣医らとの連携を強化する予定。D2C では健康への意識の高い飼い主に限定されてしまうが、獣医が飼い主へ PetVoice を勧めることで、コンバージョンレートが数倍以上に高まることがわかっているそうだ。また、犬や猫の早期の疾病発見、治療開始にも繋がる。

今回の調達は概ね純投資のみとされているが、T&D Innovation Fund の出資・運営者である T&D ホールディングスは傘下にペット&ファミリー損害保険を擁しており、PetVoice とのシナジーの可能性は期待できる。

Global Market Insights によると2021年のペットテックの世界市場規模は約50億米ドルで、2022年〜2027年の年平均成長率(CAGR)は20%と見込まれている。矢野経済研究所によると、国内のペットテック市場は2023年度には小売金額ベースで50億3,000万円まで拡大する見込みだ。ウエアラブルデバイスでペットの活動を見守るスタートアップとしては国内では Catlog、海外では スペインの Dinbeat などがある。

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