台湾発の駐車場シェアプラットフォーム「USPACE」、台湾モバイルらから12億円をシリーズA調達——日本市場開拓へ

左から：Taiwan Mobile（台湾大哥大）CEO の Jamie Lin（林之晨）氏、USPACE（悠勢科技）CEO の Allen Song（宋捷仁）氏
Image credit: Uspace

駐車場シェアリングプラットフォームを運営する USPACE（悠勢科技）は、Taiwan Mobile（台湾大哥大）がリードし、戦略的投資家が参加したシリーズ A ラウンドをクローズしたと発表した。調達額は2億6,000万ニュー台湾ドル（約12億円）。

USPACE は、調達した資金を駐車場やレンタカーなどの既存サービスの戦略的展開や、Eコマース、自動車保険、ローンなどの今後のサービス拡大、日本市場の積極的開拓、継続的な資本計画の達成に充てると述べている。

駐車場シェアからテスラ車のレンタカーサービスまで

USPACE は、一般人が使っていない駐車場を貸し出すシェアリング型サービスプラットフォームで、企業と提携することで、利用されていない駐車場を解放し、収益につなげる展開をしている。

USPACEは創業以来5年間、Hongtai World Building（宏泰世界大樓）、Exchange Square Xinyi（信義区交易広場）、Illume Taipei（茹曦飯店、元 Sunworld Dynasty Hotel=王朝大酒店）など有名商業ビルやホテルと提携し、駐車場のシェアリングを行っており、今年からはテスラ車のレンタルサービス「UDRIVE」も導入している。

また、UDRIVE のビジネスモデルは、誰でも自分のテスラ車をディーラー経由でオンラインに載せれば、月平均6万〜8万ニュー台湾ドル（約27万〜37万円）の貸出収入が得られるという、一括借上方式を採用している。

UDRIVE では、Sheraon Grand Taipei（台北喜来登大飯店）などと提携し、居住者向けのワンストップサービスを提供している。
Image credit: Uspace

新型コロナウイルスの感染拡大にもかかわらず、USPACE は収益、会員数、パートナーサイトのすべてが増加し、パートナー車総数45,000台以上、パートナー駐車場500カ所以上、受注200万件以上、会員数50万人以上と急成長を続けている。

USPACE CEO の Allen Song（宋捷仁）氏によれば、Taiwan Mobile が出資する以前から、両社はすでに協力関係にあったという。電気自動車のオーナーが台北市士林区富林の USPACE テスラ充電ステーションに入ると、Taiwan Mobile から無料の WiFi アカウントとパスワードが提供され、充電しながら OTA（over-the-air）アップデートやビデオサービスの視聴ができるようになる。

CPC（台湾中油）の福林ガソリンスタンドに設置された USPACE の充電ステーションは、テスラと提携する上で重要な役割を担った。
Image credit: Uspace

Taiwan Mobile は今年 SoundOn Group（SoundOn 集団）、CloudMile（万里雲）、オンライン銀行 LINE Bank に第三者割当増資を行い、各分野の戦略的投資により 5G エコシステムと新サービスを拡大した。USPACE への出資は、「シェア」の流れに沿ったものであるだけでなく、CO₂削減の面でも社会や環境に良い影響を与えるものであると判断した。また、Taiwan Mobile は、通信、ビッグデータ、IoT の強みを活かして USPACE のサービスを最適化し、通信業界とのシナジーを発揮していくことを期待している。

【via Meet Global by Business Next（数位時代）】 @meet_startup

【原文】