CBDタンポン検査キットに遠隔の更年期ケアーー3つの注目フェムテック:こころとからだ、テクノロジーができること(4)

本稿はコーポレートアクセラレーターを運営するゼロワンブースターが運営するオウンドメディア「01 Channel」からの転載記事。

(前回からのつづき)今年のグローバルにおけるフェムテックの資金調達は世界的な政情不安、市況の悪さも手伝って2021年に比較して半減したという 見方もあります。 ただ、ここ数年の成長角度が著しく、2020年が通年で 7億ドルほど であったのに対し、 昨年は一気に倍近い成長の12億ドルと ややバブル含みだった可能性も否定できません。

フェムテックの主な領域は生理や妊娠、産後、更年期、セクシャルウェルネスなどがありますが、 PitchBookのデータによると 2021年に最も資金を集めたのは不妊治療領域のスタートアップ(約8億ドル・90案件)でした。

スタートアップデータベースのCrunchbaseを眺めると、今年、1,000万ドル以上の資金調達に成功した女性に関するヘルスケア領域のスタートアップは10社ほどしかなく、2014年創業のMaven Clinicが11月に発表したシリーズEラウンドにおける9,000万ドルが 最大になります。

今年最大規模の資金調達となったMarvin Clinic

同社はコロナ禍で大きく躍進したテレヘルス領域のスタートアップで、提供するアプリは不妊症から妊娠、出産、小児科、更年期まで幅広い女性や母族に関する話題について、遠隔地から専門家のカウンセリングを受けることができるものになっています。現在、175カ国で提供されていて、General Catalyst がリードしたシリーズEラウンドでは13億5,000万ドルの 企業評価をつけました。

Maven Clinicは女性も扱う総合テレヘルス領域のスタートアップでしたが、それ以外にも今年1,000万ドル以上を調達した主な成長スタートアップを2つ取り上げてみたいと思います。

膣マイクロバームのCBDタンポン検査「Daye」

Dayeのオンラインショップ

2017年創業、ロンドン拠点のDayeが提供するのは膣マイクロバイオームの検査キットです。マイクロバイオームの異常は膣炎や細菌性膣炎(BV)などの膣感染症や、STI、婦人科系がん、不妊治療や体外受精の合併症のリスクにつながる可能性があるとされるもので、これを同社のタンポン検査キットで家庭にいながら検査を受けることができます。

同社は今年10月にシリーズAラウンドで1,000万ポンドの資金調達に 成功しました。 ロンドンHambro Perks、米国のMassMutual Ventures、カナダのCross Border Impact Venturesが出資し、製品の市場投入で協業を検討する英国のヘルスプロバイダーSimplyhealthと、Fiona Pathiraja博士らもこのラウンドに参加しています。

同社はこれまでに1,900万ポンドを調達しており不妊治療クリニックのチェーン「Prelude」の創業者や、米主要ベンチャーキャピタルのKhosla Venturesなどから支援を受けています。

更年期の不安をテレヘルスで解消「Midi Health」

Midi Health

もう一社、2021年創業のMidi Healthはシードラウンドながらこの厳しい市場環境で、10月に1,400万ドルの資金調達に 成功しています。 同社が提供するのは中年期の女性のホルモン移行に特化した遠隔医療(テレヘルス)クリニックです。

専門家によるケアやホルモンおよび非ホルモン薬、サプリメント、ライフスタイルコーチングなど、予防的な健康指導を遠隔医療と24時間のメッセージングで提供しています。このラウンドはFelicisとSemperVirensが共同でリードし、Emerson Collective、Icon Ventures、Operator Collective、Muse Capital、Steel Sky Ventures、Anne and Susan Wojcicki氏らが参加しています。

Midiが注目したのが更年期で、同社の説明によると、5,700万人のアメリカ人女性が症状を抱えているにもかかわらず、ケアを求める75%の患者は必要な治療にアクセスできていない状態なのだそうです。ここをテレヘルスでサポートしようというのがMidiでした。専門家の指導があるだけでなく、カリフォルニア州において保険が適用されたケアを提供できる点も特徴としています。この辺りは医療保険制度で日本と異なる米国ならではかもしれません。

では、こころとからだの連載も最終回、国内で実際にスタートアップしている起業家の方をお招きした座談会を次回、お送りいたします。

次につづく:コロナが与えた影響とは:こころとからだ、テクノロジーができること・スタートアップ座談会(5)

BRIDGE Members

BRIDGEでは会員制度「BRIDGE Members」を運営しています。会員向けコミュニティ「BRIDGE Tokyo」ではテックニュースやトレンド情報のまとめ、Discord、イベントなどを通じて、スタートアップと読者のみなさんが繋がる場所を提供いたします。登録は無料です。
  • テックニュース全文購読
  • 月次・テーマまとめ「Canvas」
  • コミュニティDiscord
  • イベント「BRIDGE Tokyo」
無料メンバー登録