スタートアップ経営者のみなさん、ぶっちゃけ「ESG」って興味あります?【CANVAS 編集後記】

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戦略発表会に臨んだファインディ代表取締役の山田裕一朗さん

こんにちは!BRIDGE編集部の平野です。毎週お送りしているスタートアップニュースのまとめ、先週はエンジニアのチーム力を可視化する「Findy(ファインディ)」や採用時のリファレンスサービス「back check」が好調のROXXなどHR関連テクノロジーに注目が集まりました。

スタートアップのみなさん、ESGって興味ありますか?

ここ最近、取材のテーマとしてESGに絡んだ話題を扱うことが増えてきました。しかしこれらの記事、タイトルに「ESG」という文字を入れると本当に読まれない(涙。SDGsであればまだもう少し国内では関心が集まるようなのですが、ESGとSDGsではやや扱う範囲に違いがあり、もやもやが残るのです。

そこでこのコラムを読んでいるスタートアップ経営者のみなさん、ぶっちゃけESGって関心ありますか?

私も正直に言います。ありませんでした!

笑い事じゃないですね。補足すると関心がなかったというより、理解が間違っていたというのが正しいかもしれません。環境問題は喫緊の課題なのですがなかなか専門的な話題も多く、ようやくビル・ゲイツさんの著書「How to Avoid a Climate Disaster(邦訳:『地球の未来のため僕が決断したこと・気候大災害は防げる』 / 2021年・早川書房)で一般的な理解が随分と進んだ感じです。

ただ、やはりそうなんです。どうしてもESGの「E」、つまり環境問題のインパクトが大きすぎて「ESG(SDGs)=温暖化対策」のイメージが強すぎるんですね。なので、自然とスタートアップ経営に「二酸化炭素」は結びつきづらく、頭から抜けてしまうのではないかなと。

ESG=組織の問題、と捉えると危機感が募る

ESGへの取り組みとして、表現力が抜群に高いのがメルカリ

10月25日なので先週の話題ではないのですが、エンジニア組織の健康状態を可視化してくれるファインディさんが記者発表会を実施されました。そこで話された内容はこちらの記事にまとめたのですが、ここでスタートアップ経営者のみなさんにとって重要なキーワードをひとつ書いています。それが「人的資本情報開示」です。

これも私、正直に言います。よくわかっていません!(勉強中)

ただ、全体として考えなければいけないのが、昨年、金融庁と東京証券取引所がリードして進めている「コーポレートガバナンスコード」の改訂の件です。上場を目指すことが前提となっているスタートアップのみなさんにとって、このガイドラインはいつかどこかで対峙しなければならなくなるテストのような存在です。この件については少しだけこちらの記事に記載しました。

ESGの根底には「社会や従業員などステークホルダーからの要請には経営陣のみなさん応えましょうね」というものがあります。例えばダイバーシティやインクルージョン(女性や人種、能力)を考えた組織づくりを考えたり、ファインディさんのように働いている人(=人的資本)の状況をしっかり把握したりすることは、この要請に応えるために必要な考え方になるのです。

もっと平たく言えば、透明性高く気持ち良い職場になってますか?そしてそれをガバナンスの効いた状態で評価できていますか?というのがこのESGの「S」(ソーシャル・社会課題)のテーマのひとつになるのです。ここに取り組んでいるスタートアップはまだ数が少なく、きちんと言語化して実践できた場合、個人的には組織作りに差が出るだろうなと思うわけです。因みにいろいろなケースを調べましたがメルカリは本当に上手。わかりやすいです。

ESG食わず嫌いの経営者のみなさん、ある意味チャンスです。しっかりと取り組んで、ぜひPRストーリーとして発信してください。取材に行きます。

今週の調達ニュース

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その他の話題をタグにまとめた「Canvas【2022年11月号】」はこちらから

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