スポーツネット配信時代の必需品、自動映像制作カメラ「Pixellot」/世界のフットボールテック(3)

SHARE:
Image credit:Pixellot

(前回からのつづき)イスラエルのテルアビブに拠点を置くPixellotは試合や練習のAIベースの自動撮影、分析ソリューションを提供するスタートアップだ。直近では2022年6月にシリーズDラウンドをPSGがリードして、1億6,100万ドルの調達を実施Crunchbaseによると、現在の評価額は5億ドルで、累計調達額は2億1830万ドルに達している。

同社のサービスは、アマチュアからセミプロ市場向けのスポーツ特化の自動映像制作ソリューションだ。フィールド全体を俯瞰する無人マルチカメラシステムとAI用いたソフトウェアで、プレー全体、プレーの流れやハイライトを自動で撮影、作成をする。導入先はバルセロナやレアルマドリードのアカデミーなど名だたるクラブが名を連ねる。

Image credit:Pixellot

もちろん、同社だけでなく自己分析や戦略遂行度合いなど選手へのコーチングを目的とした自動化サービスへの需要は高く、世界中の様々な企業が開発を進めている。代表的な例を挙げると、イギリスに拠点を置くBeproはサッカーに特化したアマチュアからプロまでデータを活用した選手育成手段として自動カメラシステム、トラッキング分析プラットフォームを提供している。韓国少年チームから、ACミランなどのビッグクラブまで、パフォーマンス向上手段として導入している。

これらサービスとPixellotは大きく違う点がある。それはスポーツメディアとしての機能を持つ点だ。24日に行われたサッカーワールドカップの日本対ドイツ戦では、インターネットテレビ局Abemaの1日当たりの同局視聴者数が1,000万人を超えたことからもわかる通り、今やスポーツの視聴方法はテレビだけでなく、YouTubeやFacebookライブなどのOTTプラットフォームも選択肢の一つとなっている。

Pixellotは自動撮影、分析するためのハードとソフトに加えて、独自の統合型OTT(オーバーザトップ、ストリーミング配信の意味)プラットフォームを提供している。最大の特徴は低コストでストリーミングできることだ。テレビやAbemaなど放送形式に違いはあれど、リッチコンテンツで人を集める場合、コンテンツ作成コストは高くつく。一方、Pixellotは映像制作をある程度自動化できるため制作コストが低く済み、視聴する方法さえ設ければストレスなく見れる映像コンテンツを多く配信することが可能になる。

実際日本でも2022年になってから導入事例が生まれている。テレビ愛知とNTT Sportictが共同で進める「シャチスポ」において、6月に第42回全日本バレーボール小学生大会愛知県大会がPixellotの統合型OTTプラットフォームから配信された。また、7月にはフットボール施設「MIFA Football Park福岡」での提供が開始されている。同社は現在、1か月に10万試合以上の試合を制作および放送しており、これまでに自動制作された試合は100万試合を超えているという。

BRIDGE Members

BRIDGEでは会員制度「BRIDGE Members」を運営しています。会員向けコミュニティ「BRIDGE Tokyo」ではテックニュースやトレンド情報のまとめ、Discord、イベントなどを通じて、スタートアップと読者のみなさんが繋がる場所を提供いたします。登録は無料です。
  • テックニュース全文購読
  • 月次・テーマまとめ「Canvas」
  • コミュニティDiscord
  • イベント「BRIDGE Tokyo」
無料メンバー登録