メタバースのキラーコンテンツは「カジュアルスポーツ」ForeVRの躍進/仮想でも健康になれるVRスポーツの世界(1)

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Image credit:ForeVR

eスポーツと聞くとそれはスポーツなのかゲームなのか人によって解釈は分かれるかもしれない。このeスポーツ領域にあってよりスポーツ的要素をより多く含んでいるものがある。本稿ではこれらを「VRスポーツ」と捉え、いくつか注目したいタイトルをご紹介する。

ウェアラブル・デバイスやセンサーの発達は、人の動きをより精密に捕捉できるようにした。ユーザは自分の動きを反映したさまざまなレスポンスを体験することで、スポーツへのモチベーションが高まる。こういったインタラクションは、健康維持の一番の課題となる「継続」にいい影響を与えてくれる。つまり、インターフェイスはデジタルであるけれど、楽しむために身体を動かすことが求められるので、楽しみながらも健康になれるという一石二鳥の代物だ。

キラーアプリ筆頭、カジュアルスポーツゲームの金字塔目指す「ForeVR」

ForeVRはカリフォルニア州ロサンゼルスに拠点を置く、全年齢対象のVRゲームを開発するVRスタジオだ。2022年10月にはLobby CatipalのリードによるシリーズAラウンドで、Bessemer Venture Partnersや Galaxy Interactiveらから1,000万ドルを調達している。累計資金調達額は1,850万ドル、2020年12月のシードラウンドではTwitchの共同創業者Emmett Shear氏、Justin Kan氏からの資金提供を受けている。

同社の特徴は任天堂から販売されたWii Sportsを目指して各タイトルが販売されている点にある。

Wii Sportsといえば2006年にリリースされたタイトルで、老若男女を対象にテニス、ベースボール、ボウリング、ゴルフ、ボクシングが収録されたスポーツゲームになる。実はこのタイトルは8,290万本の売上を記録した日本のスポーツゲームで最も売れているタイトルで、シリーズ2作目にあたるWii Sports Resortも3,314万本販売のメガヒットを記録している。2020年の巣ごもり需要で大ヒットしたNintendo Switchの「あつまれ どうぶつの森」が4,017万本の販売であったことと比較するとWii Sportsの衝撃的な数字がさらに際立つ。

同社がすでに販売しているタイトルはForeVR BowlForeVR DartsForeVR Cornholeの3つだ。それぞれシングルモードとオンラインマルチモードがあり、Wii Sportsを意識しているだけあって、UXやデザインがカジュアルで直感的となっている。ロビーにはゲームを開始するための案内板とNPC(ノン・プレーヤーキャラクター)がいる受付、オリジナルボールが購入できるショップがあるだけですぐにゲームを始めることができた。オンラインマルチプレイではゲーム内ボイスチャットが用意されているため、Discordで繋ぐなどの手間がなくボウリング場にさっと集合して遊ぶ設計となっている。

実際、筆者もForeVR Bowlをプレイしたが、カジュアルスポーツに求められる簡単に共通体験ができる環境や、コミュニティとしての中心的な役割を果たすゲームとして魅力的なゲームだと感じた。Road to VRに同社CEOのMarcus Segal氏が答えている通り、あらゆる年齢の友人や家族がつながり、楽しむことができる没入型の仮想現実といえるだろう。TechCrunchによると、3つのタイトルでの売上がすでに100万ドルを超えていることを明かしている。販売価格が10~20ドルなので、仮に1本15ドルとすると6万6,000本の販売本数となる。また、2022年10月のMeta Connectで頭、胴体に加えてアバターに足が追加されることが発表された。同社はMetaのアップデートに合わせて、ゲーム内アバターも全身表示となるという。

Wii Sportsがキラーコンテンツとなったように、ForeVRが Metaヘッドセットのキラーコンテンツになれる可能性は十分に感じられる。

次につづく:仮想空間でダンベルエクササイズ「Valkyrie Industries」がフィットネス効果をもたらす方法/仮想でも健康になれるVRスポーツの世界(2)

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