中部発の地域課題解決型シードファンドが組成——MTGVがGP、SMBCがアンカーLPで12億円規模

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左から:伊藤仁成氏(MTG Ventures 代表パ ートナー)、柴田裕貴氏(MTG Ventures コーポレート本部⻑)、山本有里氏(MTG Ventures コミュニティマネージャー)、粟生万琴氏(「なごのキャンパス」企画運営プロデューサー)、藤田豪氏(MTG Ventures 代表取締役)、安田孝美氏(名古屋大学大学院教授)
Image credit: MTG Ventures

名古屋に本拠を置く MTG(東証:7806)の CVC である MTG Ventures(MTGV) は1日、シードステージに特化した地域課題解決型の「Central Japan Seed(CJS)ファンド」を組成したと発表した。ファンドの GP を MTG Ventures が務め、LP にはアンカーとして 三井住友銀行(SMBC)のほか、同グループの名古屋銀行、中部・東海地域の地場企業などが参加する。なお、当該地域のスタートアップが全国の他地域に進出する場合の支援の文脈から、他地域の地場企業などが参加する可能性もあるようだ。

MTG Ventures は、2018年に50億円のファンド組成からスタートした。MTG の IPO を支援した藤田豪氏(以前は JAFCO の中部支社長)が MTG 創業者の松下剛氏に乞われる形で MTG Ventures の代表取締役に就任。以来、MTG Ventures は37社に投資を実行し、これまでの4年間で QD レーザ(東証:6613)と琉球アスティーダスポーツクラブ(東証:7364)という、2つの IPO イグジットの実績を叩き出している。

ただ、CJS は MTG Ventures のこれまでの投資とはスキームが異なる。これまでは MTG の CVC ファンドからの出資だったが、新ファンドの資金は外部からの調達が中心。つまり、アンカー LP である SMBC からしてみれば、MTG Ventures のディールソースとデューデリジェンスの能力、そして、中部・東海地域に根を張ったネットワークに対して、資金を張ったというわけだ。資金提供のみならず、オール中部・東海の企業でスタートアップの成長を支援しよう、という意図を読み取ることができる。

「Central Japan Seed ファンド」のストラクチャー
Image credit: MTG Ventures

CJS の運営にあたっては、MTG Ventures のメンバーのほか、スタートアップに造詣の深い名古屋大学大学院教授の安田孝美氏、名古屋市のスタートアップハブ「なごのキャンパス」で企画運営プロデューサーを務める粟生万琴氏が、メンターとして協力する。CJS ではシードスタートアップへリード出資を中心に行って1割程度の持分を確保する分、メンターらの力も借りて、ハンズオン・ハンズオフ支援を積極的に行う考えだ。中部スタートアップへの出資は、CJS 全投資先のうちの30%以上を想定している。

CJS から投資が実行済のスタートアップについても明らかになった。CJS の投資先には本稿執筆時点で、改善提案クラウド「Cayzen」を提供するエイトス、日本に住む外国人労働者向け生活支援サービスアプリを展開する KUROFUNE、STEAM 教育の SchooMy、クラウド請求「Misoca(弥生が2016年に買収)」創業者が立ち上げたロボット化農業のトクイテン、企業向け物流管理 SaaS の knewit、スポーツにおける AI 活用を推進する Knowhere の6社がいる。

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