物流向け屋内測位やナビ技術開発のGuide Robotics、Shizen Capitalらから1億円を調達

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Visual SLAM のスキャン結果を 2D 表示したもの。
Image credit: Guide Robotics

物流フォークリフトや搬送ロボット向け屋内測位技術とナビゲーションシステムを開発する Guide Robotics は先ごろ、直近のラウンドで1億円を調達したことを明らかにした。ラウンドステージは不明だが、シードラウンドと見られる。このラウンドは、Shizen Capital がリードし、Accord Ventures、Finesse Ventures、XVC が参加した。

Guide Robotics は、スタンフォード大学から独立した世界最大の研究機関の一つ SRI International(旧スターンフォード研究所)からスピンオフしたスタートアップだ。SRI International のスピンオフスタートアップとしては、アメリカ国外で初のケースとなる。同社は、SRI International で十数年にわたり複数のロボティクスプロジェクトを牽引してきた研究者の Aveek Das 氏(CTO)と、ロームや双日プラネットで10年以上にわたり新規事業開発に従事してきた宇城学氏(CEO)により創業した。

宇城氏はおよそ5年前、双日プラネットの仕事を通じ e コマース大手のプロジェクトで Das 氏と出会う(当時、Das 氏は、無人ナビ技術のスタートアップ Area17 で CTO をしていた)。時を経て、物流分野のトップビジネスデベロッパとナビ技術の権威が、産業機械技術の集積地である日本でスタートアップを始めたというわけだ。同社が創業したのは2020年末だが、昨年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で開店休業状態だったことから、「実質的な事業開始は今年に入ってから(宇城氏)」ということだ。

左から:Guide Robotics 共同創業者の2人。CTO の Aveek Das 氏、CEO の宇城学氏

屋外におけるナビゲーションでは、衛星測位(GPS)があるし、日本では「準天頂衛星システム」のみちびきを使えば、測位誤差が少なく産業機械分野での無人運転なども現実的なものとなっている。しかし、衛星の電波が遮られる屋内で GPS は使えない。Wi-Fi やビーコンなど主に電波を使った技術で、ロボットは自分の位置を把握して活動できる。無人搬送車(AGV)と自律型協働ロボット(AMR)に対する期待は、多くの人手が必要な e コマース向けの倉庫が多い日本では特に大きい。

追加的な環境整備を最小限にとどめ、今ある倉庫でそのまま無人ロボットが作業できる技術として注目を集めるのが Visual SLAM だ。Guide Robotics は 物流に関わる労働力の急激な減少に直面する日本で、SRI International が持つ Visual SLAM 技術のライセンス供与を受け、実用レベルとなる技術を開発している。この技術を使えば、現場の可視化——何がどこに動いたかを精緻にデジタル化することができる。現在の主要な顧客は、物流事業者、倉庫、工場を運営しているメーカーなどが中心だ。

物流の完全無人自動化を目標に掲げる企業は少なくないが、Guide Robotics では、業界は無人自動化へ向かいつつも、人が作業する倉庫が主流を占める状態がしばらくは続くとみて、当面は人の作業を支援するアプリケーションの開発に注力するとしている。API などを通じて、顧客の既存システムと接続可能な仕組みも積極的に構築する考えだ。今年から来年にかけては、屋内測位技術を核とするソリューションが、現場の安全性や生産性の向上に寄与することを訴求する活動に注力するとしている。

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