賃貸契約の初期費用分割払いサービス「smooth」

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smooth CEO 小泉拓氏
Image credit: CyberAgent Capital

本稿はベンチャーキャピタル、サイバーエージェント・キャピタルが運営するサイトに掲載された記事からの転載

サービス概要:スムーズが提供するのは、賃貸契約の初期費用分割払いサービス「smooth」。賃貸不動産入居時に必要な敷金・礼金・仲介手数料といった初期費用の負担の重さから物件の選択肢が限られていた入居希望者に対し、初期費用を入居者に代わってスムーズが不動産仲介会社に支払い、入居者は入居後にその費用を分割で支払う、という仕組みです。20〜30代を中心に支持を集めています。

Monthly Pitch編集部はココに注目:月20万円の手取りで、貯金が5万円が中央値と言われているなか、50万円の引越し費用は多くの若者にとって死活問題です。一方の賃貸仲介会社も、新しい集客方法を求めています。そこでスムーズは、初期費用を分割したいユーザーを集め、提携不動産会社に紹介。引っ越しするユーザーからは分割手数料を、不動産仲介会社さんからは紹介料を得ています。「スマートフォンも車も7割の人が分割して買う中、なぜ引っ越しの初期費用だけは一括なのか。」代表の小泉さんはそう語ります。

smoothは順調にユーザーと提携不動産会社を増やし、成長しています。今後は初期費用の分割に加え、家賃保証サービスやオンライン契約、引っ越し費用の分割などのサービスも拡充していく予定です。

詳細:住居不動産に関わるペインは、世界的に見ても少なくない。賃貸住宅においては家賃を支払うわけだが、多くの人にとって、家賃は毎月の生活費の中で最大の割合を占めるので、これをテクノロジーの力でよりフレキシブルなものにすることは、家に住むユーザにとっても、サービスを提供するプロバイダにとってもメリットは大きいのだ。

アメリカでは、2015年12月にニューヨークで創業したJettyというスタートアップが6,300万米ドルを調達している。今年5月には、PayPalや信用情報大手Experianから出資参加したばかりだ。家賃は毎月決まった金額を支払うため、給与所得者は債務不履行となるリスクが極めて低い。ここで獲得できた信用スコアを元に、他の金融サービスの利用にも繋げることができるわけだ。

同じくニューヨークに拠点を置くBiltというスタートアップは、家賃支払に自社発行のクレジットカードを使ってもらうことで、ユーザにポイントバックするサービスを提供している。このポイントはホテルの宿泊やジムの利用に使えるほか、住宅購入時の頭金の一部に利用できる。こうして獲得したユーザが将来、分譲住宅を購入する潜在的顧客になる、という考え方だ。

1〜2年前からBNPL(Buy Now, Pay Later)サービスが世界的にブームだが、これに関連して、RNPL(Rent Now, Pay Later)というカテゴリもまた世界中で現れ始めた。RNPLスタートアップは、既存の信用調査機関や保証人制度に頼らず、独自アルゴリズムで賃借人の信用度をスコアリングし、住居不動産を貸し出すというものだ。不動産オーナーには家賃支払が保証される。

smoothはこのRNPLスタートアップの一つと見ることができ、自らをフィンテックスタートアップと呼んでいるように、住まいや家賃支払に関わるペインから、さまざまな金融サービスを生み出すことができるだろう。サービスの拡大に伴いキャッシュフローが大きくなるため、事業のスケールには、エクイティなどのグロースキャピタル以外の手段でも資金の調達が必要になるとみられる。

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