今年の「独身の日（光棍節）」に向けて、多くの有名なライブ配信者が Taobao（淘宝）や Douyin（抖音）など異なる主要プラットフォーム間を自由に行き来し、中国のオンライン小売業界における新たなクロスプラットフォームの自由を強調した。

重要視すべき理由：この傾向は、規制当局からの独占禁止法の圧力が強まる中、中国のライブストリーム小売業界がよりオープンになっていることを示唆している。以前は、トップライブストリーマーは特定のプラットフォームに縛られるという暗黙の了解が業界内にありた。この緩和は、Eコマースのスターやプラットフォーム、そしてブランドにとって新たな機会を提供するものだ。

詳細：証券会社 Shenwan Hongyuan（申万宏源）の小売 e コマース部門チーフアナリスト Zhao Lingyi（趙令伊）氏の調査レポート（「中国証券報」の7日号で引用された）によると、ライブストリーマーは異なるプラットフォーム間で商品を販売できるため、単一のプラットフォームに過度に依存することなく、他のプラットフォームからトラフィックを誘導し、ライブストリームを収益化するために必要な時間を短縮することができるという。ライブストリーマーは宣伝した商品から手数料を得ることができ、ファンからのバーチャルギフトを換金することもできる。

• 今年の「独身の日」を前に、これまで Douyin で独占配信していたライブ配信のトップスターたちが、Taobao Live（淘宝直播）に参加した。その中には、起業家で New Oriental Education（新東方教育）である Luo Yonghao（羅永浩）氏、台湾の歌手でフィットネストレーナーの Will Liu（劉畊宏）氏などいる。例えば、Luo 氏はこの期間、同じ会社の異なるスタンダップコメディアンと交互に、Douyin と Taobao の両方のプラットフォームで一連のライブコマースを実施した。
• Alibaba（阿里巴巴）は11月7日のプレスリリースで、トップスターや有名人が Taobao Live に参加することは、「エコシステム・パートナーのための比類なきコマース・インフラと全体的なソリューションの強い証だ」と述べている。

背景：ライブコマース業界は、新型コロナウイルスの感染拡大以来、急成長を遂げている。コンサルティング会社 iResearch（艾瑞）が2021年に発表したレポートによると、中国のライブコマース業界の総収入は2022年末までに1兆2,000億人民元（約23.4兆円）に達し、2023年には4兆9,000億人民元（約95.6兆円）に増えると予想されている。

• 複数のプラットフォームでビジネスを展開することで、より多くの消費者にリーチできる可能性がある一方で、e コマースプラットフォーム上でコンテンツの均質化に対する懸念も生じている。
• Alibaba の Taobao は、インフルエンサーや新しいホストに対するサポートと現金のインセンティブを増やすことを約束し、同社は新しいホストが主要な成長ドライバーであり、このグループが生み出す前売キャンペーンでの売上額は、今年の独身の日セールで前年比684%増になったと述べている。
• 中国の規制当局は、昨年からライブコマース出演者に対する税務調査を強化しており、e コマースのトップインフルエンサーのViya（薇婭） と Zhu Chenhui（朱宸慧、Cherie=雪梨としても知られている）は脱税で罰金を科された後、ライブストリーミングを停止している。
• 2021年初頭から、中国規制当局はテックメジャーの合併取引をより詳細に調査し、さまざまな取引や不正競争行為に対して罰金を科している。そして、注目すべき処分の1つは、Alibaba が2021年4月、「強制的な独占」を含む独占禁止法違反で128億人民元（約2,500億円）の罰金を科されたことだ。

【via TechNode】 @technodechina

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