「食券台帳」を福利厚生大手が買収、デジタル歯科「3Dme」が10億円調達など——韓国スタートアップシーン週間振り返り(11月7日~11月11日)

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Image credit:Vendys, ImagoWorks

11月7日~11月11日に公開された韓国スタートアップの調達のうち、調達金額を開示したのは13件で、資金総額は567億ウォン(約57億円)に達した。

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主なスタートアップ投資

  • デジタル歯科ソリューション「3dMe」を開発する Imagoworks(이마고웍스) が100億ウォン(約10ウォン)を調達、累積調達額は137億ウォン(約14億ウォン)に達した。2019年に設立された同社は、AI 技術、CAD クラウド 技術を組み合わせ、歯科治療の過程で求められる手作業を自動化している。調達を受けて、グローバル歯科市場へのシェアを拡大する計画だ。
  • モバイル食券サービスを展開する Vendys(벤디스)が Hyundai Ezwel に371億ウォン(約37億ウォン)で買収された。2015年に設立された Vendys は食費支援をモバイルサービスで具現化した「食券台帳(식당대장)」を運営している。Hyundai Ezwel は Vendys 買収を通じて、企業が食費を支給する福利厚生事業に事業領域を拡大する。
  • VTOV(브이투브이)がシリーズ A ラウンドで95億ウォン(約9.5ウォン)を調達した。同社は昨年4月に設立され、最適ルート宅配便サービス「To-day(투데이)」を運営している。ソウル首都圏のバス公共交通網を宅配システムに応用、最適経路で早い時間内に配送できるよう設計した。
  • BigC(빅크)がプレシリーズ A ラウンドで50億ウォン(約5億ウォン)を調達した。同社は2021年に設立され、クリエイターとファンがリアルタイムでコミュニケーションできるライブプラットフォームを開発している。今回の調達と共にプラットフォームを正式ローンチし、クリエイターの拡大を推進する。

トレンド分析

大規模なシード投資を受けたスタートアップはここが違う

資金調達の不確実性がなかなか解消されない中、アーリーの記事にも大規模な資金調達をするスタートアップが現れ始めた。シードステージで100億ウォン(約10億円)以上の資金調達に成功するスタートアップは2021年から増え始めた。今年もシード段階で100億ウォン(約10億円)以上の多額の資金を調達したスタートアップが登場した。今年シード調達したスタートアップのうち、60億ウォン(約6億円)以上の投資を受けたスタートアップが持つ特徴は何かを見てみた。

まず分野を見てみると、B2C ではなく B2B プラットフォームまたはディープテック分野企業が注目を集めた。特にブロックチェーン、ゲーム、ソフトウェア(AI、SaaS、半導体)、デジタルヘルスケアなど成長可能性が大きい未来分野に集中している。

ブロックチェーンと Web3 は特に最も注目されており、150億ウォン(約15億円)以上を調達した。a4x(에이포엑스)は今年2回にわたるシード150億ウォン(約15億円)を調達した。a4x は、バリデータ(検証人)事業を中心に GaaS(Governance as a Service)、リサーチコンテンツ、プロダクト開発などのサービスを提供する。調達した資金を使って、グローバル進出のためのステップを確保するという計画を明らかにした。

Monoly(모놀리)は、Web3 時代の企業データ主権を確保するための分散型 SaaS を提供する。中央サーバに依存せず、データ共有で不安を解消できるというものだ。SaaS サービスを提供する会社クラウドサーバではなく、企業が指定したクラウドサーバにのみ割り当て、そのデータフローを監視および制御できる。Monoly も資金調達により、アメリカ進出を本格化する。

もう一つの特徴は、グローバル市場を目指したり、海外ベンチャーキャピタルから調達したりしていることだ。60億ウォン(約6億円)を調達した Twelve Labs(트웰브랩스)は AI 映像検索ソリューションで Index Ventures や Radical Ventures などユニコーンを育てたグローバルベンチャーキャピタルから選ばれた。Twelve Labs は、NLP(自然言語処理)とコンピュータビジョン(映像解析)を融合し、数多くの映像の中で入力された検索語に該当するシーンを正確に探す技術を開発している。登場人物・テキストなど多様な情報も複合的に検索できる。

Supercent(슈퍼센트)は K コンテンツを武器にグローバル市場の攻略に乗り出す。111%子会社 Supercent は、ハイパーカジュアルゲーム開発会社として昨年設立され、設立初年で黒字を達成し、ネットフリックスオリジナル「Kingdom(킹덤)」のハイパーカジュアルゲーム発売を控えている。

専門家が設立した企業というのも特徴だ。3D口腔スキャナと医療ソフトウェアプラットフォームを開発する Arcreal(아크리얼)は、医療機器のデジタル化を推進し、大規模調達に成功した。歯科産業のデジタルトランスフォーメーションを目指し、ゲーム開発エンジニアなどディープテック専門家が作った会社だ。インプラント、矯正など多様な歯科治療に活用される口腔スキャニングソフトウェアの開発を完了し、最近ハードウェア設計も終え、3D 口腔スキャナの製作に乗り出すという。アクリアルも技術力に基づいてグローバルな口腔スキャナ市場を目指している。

データ処理アクセラレータ DPU(Data Process Unit)スタートアップの MangoBoost(망고부스트)は、ソウル大学のキム・チャンウ(김장우)教授が弟子たちと設立し、DPU 関連半導体、ソフトウェアを長年開発してきた専門性を備えた人材で構成された会社だ。MangoBoost は、競合 DPU 製品と比較して40%以上の改善された性能を示す製品を開発している。マンゴーブーストもグローバルベンチャーキャピタルから資金調達し、グローバル市場を狙ってアメリカ法人も運営している。

【via StartupRecipe】 @startuprecipe2

【原文】

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